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NEXCO東日本、常磐道 守谷SA(上り)を3月19日10時リニューアルオープン

ステーキ専門店「クックバーン」「茨城大勝軒」などが初出店。災害時は防災拠点としても機能

3月19日にリニューアルオープンする「Pasar(パサール)守谷」(上り)
2014年3月19日10時リニューアルオープン

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は3月14日、リニューアル工事を行っていた常磐自動車道 守谷SA(サービスエリア)の内覧会を開催した。3月19日10時より商業施設が「Pasar守谷」としてリニューアルオープンする。このPasar守谷は茨城県初の「道ナカ商業施設」であることに加え、災害時には防災拠点としても機能する施設として注目されている。

 守谷という名前は緑豊かな森に由来することから、リニューアルした守谷SA(上り)は「恵みの森」をイメージしたデザインとされ、館内各所に木材を使用。「旅の思い出があふれる、賑わいの場」を創出しているという。

「恵みの森」をイメージし、木をあしらったデザイン
店内の様子
イスやテーブルも木製
キッズスペースや授乳室も完備
「Pasar守谷」入り口
駐車場からはバリアフリーでつながっている
「スターバックス」の店舗も木をイメージしたデザイン

 同社の商業施設「Pasar(パサール)」としては5店舗目となるPasar守谷。レストランやフードコート、カフェ、ベーカリー、ショッピングコーナーには、地元の食材などを積極的に利用した21店舗が入居する。

 フードコートには高速道路初出店となるステーキ専門店「クックバーン」、鉄板焼きグルメ「ぼてぢゅう屋台」、「東池袋大勝軒」の創業者である山岸一雄氏監修によるラーメン店「茨城大勝軒」の3店のほか、純鶏名古屋コーチンを使った親子丼店「鶏三和」、市場の食堂をイメージした「茨城もりの市場食堂」、茨城県産小麦を使ったうどん・そば店「天常庵」が出店している。レストランではイタリアンとフレンチが融合した“イタフレ”グリル料理を提供する「フォレストグリル」が出店。

純鶏名古屋コーチンを使った親子丼店「鶏三和」
「名古屋コーチン親子丼」。価格は998円(4月1日以降は1036円。カッコ内の価格は以下同)
ステーキ専門店「クックバーン」
「極上月見ステーキ」。価格は1980円
鉄板焼きグルメ店「ぼてぢゅう屋台」
「ぼて玉焼きそば」。価格は680円
市場の食堂をイメージした「茨城もりの市場食堂」
「ローズポークの生姜焼き定食」。価格は900円(920円)
茨城産小麦を使ったうどん・そば店「天常庵」
「霞ヶ浦産川海老のかき揚げ地粉うどん」。価格は680円(700円)
「東池袋大勝軒」の創業者である山岸一雄氏監修によるラーメン店「茨城大勝軒」
「濃厚もりそば」。価格は830円(850円)
フレンチとイタリアンが融合した“イタフレ”グリル料理を提供する「フォレストグリル」
「瑞穂牛もも肉のタリアータ仕立て」。価格は2300円(2375円)
ショッピングコーナー「旬撰倶楽部/いばらきまーけっと」
高速道路初出店のバウムクーヘン専門店「花水木」では茨城限定商品「おいものバウム」を用意。価格は1050円
高速道路初出店のどら焼き店「志ち乃」のどら焼き各種
朝摘みイチゴを丸ごと使った期間限定のどら焼きも

 ベーカリーには地元の素材を使った「守谷ベーカリー」が高速初出店。コンビニはローソンとして初のNEXCO東日本管轄高速道路への出店となる「ローソンPasar守谷店」が24時間営業を行う。また、別棟には守谷市の野菜生産者が運営するという生鮮野菜直売所「守谷SAやさい村」も出店する。

高速初出店となる「守谷ベーカリー」。ジョエル・ロブションブランドなどを展開する「フォーシーズ」のパン専門店だ
NEXCO東日本管轄高速道路で初店舗となる「ローソンPasar守谷店」
「まちかど厨房」では手作りの「厚切りかつサンド」などを販売する。価格は398円
地元の生鮮野菜を中心とした直売所「守谷SAやさい村」

有事の際は防災拠点に変身

 リニューアルした守谷SAは、災害時に防災拠点としても機能することも特徴の1つ。有事の際には自衛隊や消防などの関係機関が共同使用して災害対策室として運用される。東日本大震災で高速道路のSAが被災地へ向かう救援部隊の前線基地として活用されたことを踏まえて始まった取り組みで、被災時にはフードコートのレイアウトを大きく変更。災害対策室として利用できるほか、72時間連続稼働可能な発電機、緊急車両が高速道路と一般道を速やかに出入りできる緊急開口部、中型機の離着陸が可能なヘリポートなど、防災拠点として必要な機能を備えている。

バックヤードにある救護スペース。普段はスタッフの休憩室として利用されるが、有事の際には窓際のテーブルがベッドになる仕組み。軽傷の子供やお年寄りなどを収容する
壁に埋め込まれたベッドを手前に倒せばすぐに救護スペースとして使える
発電機と3日分の燃料も完備
高速道路から一般道に大型車両が抜けられるよう設置された「緊急開口部」
エアテントも完備されている
断水に備えた井戸も設置。普段はトイレ洗浄用にも使う予定で、将来は浄水器を設置して飲料用としても使用するという
中型ヘリの離着陸に対応したヘリポート
夜間の離発着用に照明設備も備えている
ヘリポートのすぐ隣には、エアテントや救護用品、食糧などを保存するための「防災倉庫」もある

 内覧会当日は、自衛隊や消防、警察などの各機関が参加して「防災拠点運営訓練」が実施された。訓練に参加したのは陸上自衛隊 東部方面隊や茨城県警察本部、消防庁 柏市消防局/水戸市消防本部やDMAT(災害派遣医療チーム)、日本赤十字社など合計16の機関や企業。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルなども非常時の回線設置訓練などを行った。

 訓練は震度5強の首都直下型地震が発生したという想定でスタート。SAのスタッフによってフードコートのレイアウトが速やかに変更されて「共同災害対策室」が設置されると、続々と各機関の人員が到着。それぞれが通信機器を設置して、情報収集訓練や各機関同士の情報共有なども行われた。

訓練前の様子
訓練が開始され、テーブルのレイアウト変更が始まる
キッズスペースもあっという間に解体
テーブルを組み合わせてホワイトボードを設置し、各機関ごとのスペースを作っていく
中央テーブルには情報共有するために使う大判の地図を配置
自衛隊や消防などが続々と到着し、通信機器を設置していく
消防隊員は食糧が確保可能な施設や通行可能な道路の周囲状況などを逐次地図に書き込んでいた
訓練の様子。さまざまな機関の情報が1個所に集約されるのがメリット

(清宮信志)