【CEATEC JAPAN 2012】パイオニア、「エアージェスチャー」搭載の「楽ナビ」
手を触れずに操作可能なカーナビ。楽ナビLite、エアーナビを統合


 10月2日、幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)において「CEATEC JAPAN 2012」が開幕した。同イベントは最新IT関連とエレクトロニクスの総合展となっており、新製品の発表や技術展示などが行われている。会期は6日まで。

 このCEATECには、自動車メーカー、自動車関連部品メーカーも多数展示を行っているが、本記事では新製品の「楽ナビ」を発表したパイオニアについてお届けする。


パイオニア
 開幕日直後の10時15分から新製品の発表を行ったパイオニア。その目玉となったのはカロッツェリアのカーナビ「楽ナビ」だ。壇上に立った上席常務執行役員カーエレクトロニクス事業統括部長、黒崎氏はカーエレクトロニクス事業が同社の売り上げの6割を占めるコアな事業であると前置き、楽ナビは導入から14年目となるこの5月に累計300万台を超えたヒットモデルで、重要な役割を担っていると述べた。

 また、同社のラインアップの再編成についても触れ、これまでの「サイバーナビ」「楽ナビ(HDDモデル)」「楽ナビLite(メモリーナビ)」「エアーナビ」の4ブランド構成から、「サイバーナビ」「楽ナビ」の2ブランドに集約すると発表した。

パイオニア上席常務執行役員カーエレクトロニクス事業統括部長、黒崎氏当日の発表と言うことでベールを被っていた新型の楽ナビ
ラインアップの再編成とともにロゴも変わった2DINタイプだけでなくポータブルタイプも用意される

楽ナビ
 従来は高機能なHDDモデル、ベーシックなメモリーナビモデルの2本立てだったが、HDDモデルが廃止されすべてメモリーナビモデルに。また、エアーナビが担っていたPNDライクな取り扱いという部分も受け持つ必要ができたため、新たにポータブルモデルがラインナップに加わり、合計6モデルがリリースされることになった。

形態特徴型番店頭予想価格
e※価格はオープン
発売時期
2DIN7型ワイドVGA/地デジ/DVD/CD/Bluetooth/SD/ラジオAVIC-MRZ009125,000円前後10月中旬
7型ワイドVGA/地デジ/DVD/CD/SD/ラジオAVIC-MRZ007115,000円前後
ポータブル7型ワイドVGA/地デジ/SDAVIC-MRP00980,000円前後11月上旬
6.1型ワイドVGA/地デジ/SDAVIC-MRP00870,000円前後
7型ワイドVGA/ワンセグ/SDAVIC-MRP00760,000円前後
6.1型ワイドVGA/ワンセグ/SDAVIC-MRP00655,000円前後

 もともと「誰にでも使いやすい」をコンセプトに出発した楽ナビ。新モデルはそれを一歩進め、運転中の操作をラクにすることを追求。その結果、生まれたのが「エアージェスチャー」だ。これは画面下部中央に設けられたセンサーにより「手を近づける」「手を左に振る」「手を右に振る」を判別。画面やボタンに手を触れることなく、あらかじめ設定しておいた操作が可能になった。従来のカーナビはボタンやタッチパネル、リモコン、音声などによるインターフェイスを備えていたが、新しい操作方法がひとつ加わったことになる。

 ナビ機能の充実も見逃せないポイント。陰影や道幅など地図のリファインにより視認性を向上するとともに情報量をアップ。表示モードも「ドライバーズビュー」や「ツインビュー」、さらに「地下駐車場マップ」を収録するなど、サイバーナビに迫る多彩なモードを選択することが可能になった。また、2DINモデルは通信機能を利用することで、同社のメモリーナビモデルとしては初となる全道路を対象とした「スマートループ渋滞情報」にも対応している。

 新たに追加となったポータブルタイプは、画面サイズと地デジの有無で4モデルを用意。「AVIC-MRP009」と「AVIC-MRP008」は、ポータブルナビゲーションとしては初となる4チューナー×4アンテナを搭載するのが特長だ。ただ、地デジ部分はクレードルに内蔵するため、「AVIC-MRP007」と「AVIC-MRP006」でも、別途発売されるクレードルを用意すれば対応可能。例えば2台のクルマに乗せ替えて使いたいなんて場合には、よく使うクルマには地デジ付クレードル、たまにしか使わないクルマには地デジ無しクレードル、なんて使い分けをすることが可能だ。

 車速パルスを利用しないポータブルタイプだと精度が不安になるが、新開発の「車速補完型3Dハイブリッドセンサー」の搭載により速度、傾斜、旋回などクルマの細かな動きを感知。高い自車位置精度を実現しているという。

Bluetoothや地デジなど全部入りのAVIC-MRZ009モニター裏にはCD/DVD、B-CAS、SDのスロットが並ぶ「エアージェスチャー」のセンサーは画面下、ほぼ中央に位置する
画面に手を近づけると下部に「お出かけランチャー」を表示。ここからは普通にタッチパネルで操作を行う手を左/右に振る(払う)ことでナビゲーション時なら地図の拡大/縮小、音楽再生時ならトラック送り/戻しが可能
「エアージェスチャー」はメニューから好みの動作に設定することが可能
ポータブルタイプの最上位機種AVIC-MRP009ポータブルタイプも「エアージェスチャー」対応センサーはクレイドルに用意される
クレイドル単体本体部の端子。本体にバッテリーを内蔵しているが持ち歩いて使うことは想定していないとのこと
クレイドルにB-CASカードやアンテナの入力端子を用意発売を記念したキャッシュバックキャンペーンを実施予定。会場でもWebサイトを提示するとグッズとキャッシュバック応募チケットがもらえる

 また、バリエーションとしてEV/PHV向けモデルもラインアップ。電力消費量の少ないルート探索や充電スポット検索、通信機能を使った充電スポット満空情報表示などを用意。広域マップで走行可能な距離を表示する「推定航続エリア表示」も搭載されている、

特徴型番価格発売時期
7型ワイドVGA/地デジ/DVD/CD/SD/ラジオAVIC-MRZ007-EV147,000円10月下旬
7型ワイドVGA/ワンセグ/CD/Bluetooth/SD/ラジオAVIC-EVZ05105,000円10月下旬

EV/PHV向けとなるAVIC-MRZ007-EVメニュー画面に「充電スポット満空情報」ボタンが用意されている満空だけでなく利用可能時間か否かもチェックできる
渋滞予測データや道路種別データなどから航続加納エリアを推定。わかりやすく表示することが可能燃費ならぬ電費を重視したルート探索も用意
ナビゲーションを中心とした展示を行うパイオニアブースこの春に発売されたサイバーナビも展示。実車やモックアップで「ARナビゲーション」の体験ができる
ナビゲーションだけでなくEV/PHV向けの非接触充電システムも展示されている金属などが直接触れると充電を停止するセーフティ機能を用意。EVは充電が意外と面倒なので普及して欲しいシステムだ

(安田 剛)
2012年 10月 3日