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日産、“ぶっちぎり”の性能を得た「GT-R」13年モデルの発表会
出力・トルクの変更はなし。0-100km/h加速は2.7秒、ニュルのラップタイムは7分18秒6

13年モデルへと進化した「NISSAN GT-R」

2012年11月2日開催



 日産自動車は11月2日、「NISSAN GT-R」13年モデルの発表および試乗会をスポーツランド菅生で開催。会場ではGT-R開発責任者であるチーフビークルエンジニア&チーフプロダクトスペシャリスト&プログラムダイレクター 水野和敏氏が、車両解説を行った。

GT-R開発責任者の水野和敏氏

“ぶっちぎり”の性能を得た第3世代GT-R
 水野氏は冒頭、「GT-Rはユーザーに感動を与えるクルマを目指している。例えば僕の好きなイタリアンアートのフェラーリ、ジャーマンスピリットのポルシェには敬服するし、イギリスのロータスやアストンマーティンに代表される貴族が乗るスポーツカーなど、スーパーカーには色々な世界がある。その中で、GT-Rは何かと聞かれたら“走り”。走りは奥が深くて、走る、曲がる、止まるを極めることと同時に、将来のトレンドリーダーになる役目がある」と述べるとともに、「アスリートが毎年進化していくように、GT-Rも年次改良で進化している」とし、08年〜10年モデル(第1世代)は“トップレベル”の性能、11年〜12年モデル(第2世代)は“世界トップ”の性能、そして第3世代に突入した13年モデルは“ぶっちぎり”の性能を得たと、各世代のモデルを表現。

 今回の13年モデルでは、0-100km/h加速は12年モデルの2.84秒から2.74秒に進化するとともに、ニュルブルクリンクのタイム計測では7分18秒6をマークした。

 これについて水野氏は、「200km/hを超えてのVDC制御や、300km/hでバーストしてもピットに普通に帰ってこれるタイヤ作りなど、規格を超えた真の超高性能を創造することが重要であり、タイムはあくまで目安の1つに過ぎない」と説いたほか、今年のニュルブルクリンク24時間レースで得たノウハウが13年モデルに活かされていると紹介した。

外観上は12年モデルからの変更点はない

年次改良の内容
 具体的な年次改良の内容についてだが、エンジンの出力・トルクは12年モデルと同じく404kW(550PS)/6400rpm、632Nm(64.5kgm)/3200-5800rpmにとどまった。しかし、エンジンでは高出力用インジェクターを採用したほか、ターボチャージャーの過給バイパスに専用開発のオリフィスを追加し、過給圧の急激な低下を抑制して高回転域での加速を持続するようにした。

 また、オイルパンに特殊構造のバッフルプレートを追加することで、サーキットなどでハードに走行しても安定した油圧特性を実現し、オイルパン内での回転フリクションを低減させた。これらにより、特に4000-6000rpm付近でのレスポンスや加速の伸びが向上したと言う。同時に、13年モデルからエンジンを手組みした匠の名前が入ったアルミ製ネームプレートも装着している。

13年モデルの最高出力は404kW(550PS)/6400rpm、最大トルクは632Nm(64.5kgm)/3200-5800rpmと、12年モデルから数値上での違いはないが、高出力インジェクターの採用やオイルパン構造の変更などが行われ、中回転域でのレスポンスの向上、高回転域での加速の伸びを向上させた。また、エンジン本体に匠の名前が入ったアルミ製ネームプレートを装着した

 一方、13年モデルのシャシーではコーナーで車体がロールする際に軸になるロールセンター(フロント)を下げ、フロントタイヤの動的接地荷重を上げるとともに、スプリング、ショックアブソーバー、フロントスタビライザーの仕様を変更し、「路面に吸い付くようなコーナリングとアウトバーンでの安定した超高速性能を実現した」(水野氏)。

 また、このサスペンション設定の変更に伴い、ダッシュパネルバー2カ所とインストメンバー部にレインフォースを追加して車体剛性の向上も図られている。そのほかにもフロントサスペンションにキャンバー調整カムボルトを採用し、アライメントの調整精度を向上させたほか、ドライブシャフトからハブベアリングの締め付けトルクを高め、サーキット走行時などにおける高負荷時の信頼性を向上させている。

 13年モデルのインテリアでは、新たにプレミアムエディションに「ファッショナブルインテリア」をオプション設定した。GT-Rにはオリジナルのインテリアを選べる「EGOIST(エゴイスト)」もラインアップするが、「エゴイストはワンオフスペシャル、ファッショナブルインテリアは汎用」(水野氏)と区別しており、ファッショナブルインテリアではブラック&アンバーレッドのインテリアカラーを採用。フロントシートにはセミアニリン本革を採用したほか、特別管理が必要な♯0番と呼ばれる太めのステッチがあしらわれる。このステッチは、熟練の技術を持つ匠が手縫いで仕上げると言う。

 本革というと滑りやすいイメージがあるが、その点を開発陣に確認したところフロントシートは縦に1本、そこを基点に左右に枝葉に分かれるファッショナブルインテリア独自のシートパターンを入れることでグリップを確保したと言う。また、フロントシート左右でウレタンの硬さを変更しており、運転席ではしっかり感を、助手席では座り心地を重視した仕上がりになっている。

13年モデルのインテリア。撮影したモデルはプレミアムエディションに新たにオプション設定された「ファッショナブルインテリア」装着車。シートはセミアニリン本革を採用したほか、♯0番と呼ばれる太めのステッチがあしらわれる
13年モデルの主な変更点 0-100km/h加速は12年モデルの2.84秒から2.74秒に進化
R35 GT-Rで目指すもの 今年のニュルブルクリンク24時間レースで得たノウハウが13年モデルに活かされている。レース参戦の開発結果は、今後のGT-Rイヤーモデルの進化の中にすべて織り込まれる予定 13年モデルのエンジンの進化
13年モデルのシャシーの進化

トランスミッションの単品交換が可能に
 なお、これまでGT-Rでトランスミッションに不具合が生じた場合、Assy交換する必要があったが、部品精度の向上と交換部品の調査を行った結果、ギアトレインなどを含むトランスミッション内のすべての部品について分解および部品単品交換による整備が可能になった。

 あくまで一例だが、修理費用の代表的な例として「ギア交換」が約45万円、「シンクロ部品交換」が約35万円、「シフトフォーク交換」が約21万円、「4駆E-TSカップリング交換」が約27万円となっている。同サービスはGT-R特約サービス工場(NISMO大森ファクトリー、ノバ・エンジニアリング、ノルドリンク)で受け付ける。また、保証対象外の車両についても、有償でサービスを受けることが可能になっている。

(編集部:小林 隆 / Photo:中野英幸)
2012年 11月 2日