新型「カローラ」と新型「インプレッサ」が新・安全性能総合評価「ファイブスター賞」獲得 NASVA(自動車事故対策機構)の平成24年度自動車アセスメント評価(前期分)で最高ランク |
国土交通省とNASVA(自動車事故対策機構)は、平成24年度(2012年度)自動車アセスメント評価(前期分)を発表した。自動車アセスメント(JNCAP:Japan New Car Assessment Program)は、平成7年度から行われており、日本市場で販売台数が多く、交通社会において影響力が大きいと考えられるモデルを対象に、各種の衝突試験を実施して車両の安全性能を評価。試験結果をユーザーにも分かりやすいよう点数や星印に置き換えて一般公開し、新車購入時の目安になるようにするほか、自動車メーカーに対してもより安全な車両開発を促すことを目的に、毎年度行われている。
平成24年度前期の自動車アセスメント評価では、トヨタ自動車「カローラ アクシオ/カローラ フィールダー」と、スバル(富士重工業)「インプレッサ」が新・安全性能総合評価の最高ランクである「ファイブスター賞」獲得。NASVA内で表彰式が開催された。
この「スターレイティング」(☆評価)は、乗員保護性能評価を100点満点、歩行者保護性能評価を100点満点、シートベルトリマインダー評価8点満点の計208点満点で5段階評価する。110点未満は1つ星、110点以上130点未満は2つ星、130点以上150点未満は3つ星、150点以上170点未満は4つ星、170点以上を5つ星とする。さらに最高評価となる5つ星の追加条件として、それぞれの衝突試験および歩行者脚部保護試験でレベル3以上が必要(後面衝突試験は2012年からはレベル4以上が必要)となっている。
この受賞について、カローラの開発主査であるトヨタ自動車 製品企画本部 ZE 中村寛氏は、「トヨタではGOA(Global Outstanding Assessment)を掲げて安全のあるべき姿を見て開発を行っている。今回、1.5リッターのコンパクトカークラスでありながら最高の評価を得られたのがうれしい」とコメント。トヨタは前年度のレクサス「CT200h」に続いての受賞となる。
インプレッサの開発主査である富士重工業 スバル商品企画本部 福井秀昭氏は、「環状力骨構造ボディーを見直し、ボディーを10kg軽量化しながら、必要なところを強化することで最適化した。何度か社内でテストを繰り返しながら、練り上げていった」とコメント。スバルも昨年度のレガシィに続いての受賞となった。とくに軽量化を図りつつボディーの安全性能を高めるのが苦労したポイントとなっており、「具体的には、高張力鋼板の採用を拡大している。従来は使っていなかった980MPaの高張力鋼板を新採用した。ご存じのように硬い鋼板にすると、座屈の問題などもあるので全部使えばよいというものではなく、適材適所でやっている。とくに側面衝突に対応する部分で使用している」とのことだ。
トヨタ自動車 製品企画本部 ZE 中村寛氏(右) | 富士重工業 スバル商品企画本部 福井秀昭氏(右) |
すでに評価結果の詳細な点数や試験映像などは、NASVAのWebサイト(http://www.nasva.go.jp/mamoru/)に全公開されている。ここでは、ファイブスターを獲得した以外のテスト車も公開されており、その詳細な評価を確認できる。本記事では、カローラとインプレッサの「オフセット前面衝突試験」の映像を掲載するが、そのほか「フルラップ前面衝突試験」「側面衝突試験」「後面衝突頚部保護性能試験」の映像、歩行者保護性能、ブレーキ性能試験、後席シートベルト使用性評価試験、安全装置の装備状況など見られるので、クルマ選びの一つの指標にしていただきたい。
自動車アセスメント:トヨタカローラフィールダー:オフセット前面衝突試験 |
---|
自動車アセスメント:スバルインプレッサ:オフセット前面衝突試験 |
---|
(編集部:谷川 潔)
2012年 11月 28日