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すでに全世界に2600基以上のCHAdeMO方式の急速充電器を設置

CHAdeMO協議会第3回総会より

CHAdeMO協議会の第3回総会が東京ビッグサイトで開催
2013年5月22日開催

CHAdeMO協議会会長の志賀俊之氏も出席

 5月22日、東京ビッグサイトでCHAdeMO(チャデモ)協議会の2回目となる第3回総会が開催された(第1回は東日本大震災の影響により中止)。

 CHAdeMO協議会は、日本発のEV直流急速充電規格であるCHAdeMO方式の充電器の設置を進めるインフラ整備と、国際標準化を進める団体で、2010年3月に設立。自動車メーカーや急速充電器メーカーはもちろん、エネルギー関連会社や市政機関、外部認証組織などさまざまな企業が会員として所属する。今回の総会では、2012年度の活動報告と2013年度の活動計画についての説明があり、その後パネルディスカッションを行った。

 2012年度の活動報告では、該当年度の活動スローガンである「さらなるオープン化で世界に飛躍を!」のとおり、欧州や北米でも本格普及がスタートし、年度末には設置台数累計2500台を達成。さらに今年度は世界累計4000台を目指すとしている。

 急速充電器については、国内外合わせて40社ものメーカーがさまざまなバリエーション展開を行っており、CHAdeMO準拠の電気自動車(EV)は国内8車種(フリート向け販売を含む)、プジョー&シトロエン(PSA)が三菱自動車工業からOEM供給を受けるモデルだけでなく、Partner、Berilingoといった車種をスペイン工場で生産を開始するなど、車種のラインアップも充実し始めている。

 また、現在チャデモ・プロトコルの国際標準化を進めており、昨年9月には日本工業標準調査会・自動車技術専門員会で急速充電の規格が承認され、JIS標準仕様書TS D0007が正式発行されたが、それに続きIEC 61851-23(電気自動車用DC充電ステーション)およびIEC 61851-24(電気自動車用DC充電制御プロトコル)といった国際標準化活動の推進、世界に向けた情報発信、そして品質の確保についてもしっかり進めていくとしている。

現在のCHAdeMO方式急速充電対応車両
現在のCHAdeMO方式急速充電器設置数
総会登壇者

 第2部となるパネルディスカッションでは、「充電インフラ整備推進事業への期待と貢献」という議題で話が進められた。

 登壇したのは大阪府商工労働部成長産業振興室新エネルギー産業課長 福山喜彦氏、和歌山県環境生活部環境政策局環境生活総務課長 内藤景一朗氏、日本EVクラブ 事務局 石川響子氏、ジャパンチャージネットワーク代表取締役社長 武田二郎氏、充電器整備推進機構(チャデモチャージ)企画部長 大橋俊之氏、日産自動車 充電インフラ推進部主管 中川祐一氏の6名。モデレーターとして電動化コンサルタントの和田憲一郎氏となる。

 大阪府および和歌山県のEVインフラ状況、そして各社各団体の活動が紹介されたのに続いて、このセッションでは充電器をどこにどのように設置していくかという議題が話し合われた。

 ここでは10㎞四方のネットで分類して目標数を決めて設置していく大阪府の事例や、主要道路に一定区間に配置していくなど道を前提に設置を進める和歌山県の事例が紹介された。一方、ジャパンチャージネットワークの武田氏は、集客や利用頻度を推測して立地を考える経済性や、EVの航続距離を勘案した一定間隔での配置、EVユーザー数に比例した充電器数の確保といったインフラとしての役割のバランスを考えて、持続可能なビジネスとしての事業性を考えた設置が必要と考えを述べた。

 一方のEVユーザーサイドの意見では、「ユーザーの利便性・満足度を高めるために望むこと」として、日本EVクラブの石川氏からユーザー視点での問題点をいくつも取り上げられた。

 例えば「充電器に屋根を付けて欲しい」「設置するなら山に登る前のふもと部分に」といったことや、1台の充電器に複数の充電コネクタを用意して欲しいこと、充電器にAC200Vの普通充電口もつけてほしいとの要望に加え、充電ネットワークの統一、もしくはネットワークカードの相互利用、充電に対する課金料金を従量制にして欲しいといった要望が上がっていることが紹介された。

 最終的には24時間365日、公衆電話や自動販売機のように誰でも自由に簡単に、事前登録が不要でいつでも使える充電器の環境が必要だと結んでいる。

課金に対する損益イメージ
EVユーザーの声
レセプション会場では、CHAdeMO規格のIEC(国際電気標準会議)承認の見通しが立ったことから祝杯があげられた

(青山義明)