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富士通テン、スマホとWi-Fi接続するカーナビ「イクリプス AVN-ZX03i」など

スマホアプリ「CarafL(カラフル)」連携でエージェント検索

「イクリプス AVN-ZX03i」
2013年11月上旬発売

オープンプライス

 富士通テンは10月8日、イクリプスカーナビの2013年秋モデル6機種を発表した。スマートフォンとWi-Fi接続でセンターサーバー検索が可能なZシリーズ「AVN-ZX03i」「AVN-Z03iW」「AVN-Z03i」と、簡単操作のAVN Liteシリーズ「AVN-G03」「AVN133MW」「AVN133M」をラインアップし、価格はいずれもオープンプライス。発売時期は11月上旬。

AVN-ZX03i
AVN-Z03iW
AVN-Z03i
AVN-G03
AVN133MW
種類型番店頭予想価格
メモリーナビゲーション内蔵 SD/DVD/Bluetooth/Wi-Fi/地上デジタルTV 9型WVGA AVシステムAVN-ZX03i170,000円前後
メモリーナビゲーション内蔵 SD/DVD/Bluetooth/Wi-Fi/地上デジタルTV 7型WVGA AVシステムAVN-Z03iW100,000円前後
メモリーナビゲーション内蔵 SD/DVD/Bluetooth/Wi-Fi/地上デジタルTV 7型WVGA AVシステムAVN-Z03i100,000円前後
メモリーナビゲーション内蔵 DVD/CD/地上デジタルTV 7型WVGA AVシステムAVN-G0375,000円前後
メモリーナビゲーション内蔵 CD/ワンセグ 7型WVGA AVシステムAVN133MW60,000円前後
メモリーナビゲーション内蔵 CD/ワンセグ 7型WVGA AVシステムAVN133M60,000円前後

 「AVN-ZX03i」「AVN-Z03iW」「AVN-Z03i」は、いずれもIEEE 802.11g/nのWi-Fi機能を持ち、スマートフォントとの接続が可能。AVN-ZX03iは9型大画面モデル、AVN-Z03iWは7型200mmワイドコンソールモデル、AVN-Z03iは7型2DINモデルとなる。

 このZシリーズは、国内市販カーナビとして初めてWi-Fi機能を搭載。これにより、スマートフォンアプリ「CarafL(カラフル)」によりセンターサーバーとの音声対話型エージェント検索を可能にしたほか、スマートフォンと同様の操作「フリック&ドラッグ」を地図画面だけでなくメニュー画面にも拡大適用。MirrorLink対応Andoroid端末であれば、富士通のクラウドサービス「My Cloud」を利用して、自宅のパソコンの音楽や写真を車で再生できる。

AVN-ZX03iのアクア装着イメージ

 同日開催された発表会では、主に“つながる”機能に重点をおいて機能説明が行われた。

常に安全を配慮した製品作り

 富士通テンを代表して挨拶に立った 専務取締役 川村昌史氏は、富士通テンのカーナビ作りの歴史を振り返り、常に安全に配慮して製品を作ってきたと説明。同社は、AVNと呼ばれるAV一体型カーナビを初めて市販カーナビとして製品化したが、それもAV機能をドライバーに安全に提供するという目的があった。

 今回新たにZシリーズに搭載されたスマートフォンとつながる機能も、安全を意識した機能であり、対話型エージェントにより運転中の視線移動を減らした上で、センターサーバーの多機能な能力を提供するものであるとした。

 販売を担う 富士通テン販売 代表取締役社長 川西康之氏は、「昨今カーナビは縮小傾向と言われているが、多くの需要がある。車両保有者の約7割がナビを装着、装着していない残りの半数がナビを装着したいと答えており、現在持っている人の約半数が魅力ある商品があれば買い換えを検討」との同社調査データを紹介。今回の新製品群で、市販カーナビ市場で20%のシェア獲得に取り組んでいくという。

富士通テン 専務取締役 川村昌史氏
富士通テン販売 代表取締役社長 川西康之氏

スマートフォン連携を重視した製品群

富士通テン 製品企画室 CIビジネスグループ 森村準氏

 ラインアップについては、富士通テン 製品企画室 CIビジネスグループ 森村準氏が紹介。今回のZシリーズについては、「安全」「使いやすさ」をさらに追求した製品であるとし、Wi-Fi接続スマートフォン経由のエージェント検索だけでなく、取り扱い説明書アプリ「どこでもサポート」も用意。自由なキーワードで検索できるほか、問い合わせの多い機能のサポートなども行う。

Zシリーズに搭載された主な機能(一部AVN-ZX03iのみの機能あり)

 その“つながる”機能の詳細については、富士通テン SS技術本部 サービス技術室 室長 沢田輝氏が説明。従来の車載カーナビでは、音声検索機能は搭載されていたものの、コマンド・キーワードレベルの認識しかできなかったと紹介した上で、今後はモバイル市場の拡大によって音声対話型のサービスが普及・浸透し始めるとの見方を示し、この拡大し続ける市場と連携することで、安全・便利なサービスを提供するものであるという。

富士通テン SS技術本部 サービス技術室 室長 沢田輝氏
カラフルの企画背景

 具体的には、ZシリーズとスマートフォンをWi-Fiで接続。スマホアプリ「CarafL(カラフル)」を起動し、カーナビの発話ボタンで最初の発話を行う。話しかけた音声は、Wi-Fi経由でカラフルでセンターサーバーに転送。センターサーバー側で、車特有のノイズを除去し、音声認識エンジンで文字化。認識した文字を意味理解エンジンで処理。処理後、DB検索を行い、その結果を文章として生成。車の中でも聞き取りやすいという女性の音声・読み上げ速度に変換し、カーナビが音声として出力する。

 意味理解を行うことで、「鎌倉のフレンチレストランは?」という質問に対し、候補のレストランを読み上げることができ、続けて「天気は?」と質問すると、自動で鎌倉周辺の天気を返してくれる。

カラフルの動き
スポット登録も可能
Wi-Fi接続イメージ
これまでの検索との違い
音声対話の仕組み
ノイズ除去も行う
意味理解の特徴

 デモ担当者に確認したところ、駐車場の満空情報や営業時間は質問可能なものの、1日の上限金額など詳細な情報までは返さないとのこと。また、レストランに関しても、予算などに関しては答えてくれるものの、「深夜営業のレストランは?」など、営業時間情報は答えてくれないという。これらについては、スマートフォン画面にリストアップされたスポット情報から確認することになる。情報要素としてすでに整備されているが、エージェント検索情報には含まれていないためだが、サーバーサイドの対応で検索可能となる部分だろう。カラフルによる検索映像を掲載しておく。

富士通テン スマホとWi-Fi接続するカーナビ「イクリプス AVN-ZX03i」 スマホアプリ「CarafL(カラフル)」連携映像(発表会場のため背景雑音あり)
スマホアプリ「CarafL(カラフル)」動作イメージ

(編集部:谷川 潔)