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ホンダ、最高燃費34.4km/Lの新型ハイブリッドセダン「グレイス」

小型ハイブリッドセダンで唯一4WDをラインアップ

2014年12月1日発売

195万円〜240万9800円

新型ハイブリッドセダン「グレイス」

 本田技研工業は12月1日、新型ハイブリッドセダン「GRACE(グレイス)」を発売した。価格は195万円〜240万9800円。

モデル エンジン 変速機 駆動方式 価格
ハイブリッド DX 直列4気筒DOHC 1.5リッター+スポーツハイブリッドi-DCD 7速DCT 2WD(FF) 1,950,000円
4WD 2,144,400円
ハイブリッド LX 2WD(FF) 2,040,000円
4WD 2,293,800円
ハイブリッド EX 7速DCT+パドルシフト 2WD(FF) 2,210,000円
4WD 2,409,800円

 新規モデルとなるグレイスは、ホンダがインドなどの新興国市場で2014年1月から販売しているグローバルコンパクトセダン「シティ」をベースに、2013年9月に発売した新型「フィット ハイブリッド」でも採用している軽量コンパクトな1モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツ ハイブリッド)i-DCD(インテリジェント・デュアル・クラッチ・ドライブ)」をパワートレーンに使用。さらに4WDをラインアップに用意し、コンパクトセダンのハイブリッドカーとしては唯一4WDが選べるモデルとなっている。なお、フィットの派生車種となるコンパクトセダンとしては、タイで生産され、日本に輸入されて販売された「フィット アリア」が存在していたが、グレイスはフィットと同じ埼玉製作所 寄居工場で生産される。

 ボディーサイズは新型フィットより全長が445mm長く、全高が50mm低い4400×1695×1475mm(FFモデルの全長×全幅×全高。4WDモデルの全高は1500mm)で、ホイールベースは同70mmアップの2600mm。車両重量はFFモデルが1170kg〜1200kg、4WDモデルが1240kg〜1270kgとなっている。車名のグレイスは、英語で「優美」「思いやり」の意味を持つ言葉。「セダンとして、大切な人と過ごす時間を包み込む存在でありたい」との想いが込められているという。

5ナンバーサイズのコンパクトハイブリッドセダンであるグレイス。ボディーサイズは4400×1695×1475mm(FFモデルの全長×全幅×全高。4WDモデルの全高は1500mm)、ホイールベースは2600mm

 外観デザインは「スリーククロスモーション」をテーマに「セダンフォルムの理想型」を追究。フィットからホンダの新しいデザインアイデンティティ「ソリッド・ウイング・フェイス」を受け継ぎつつ、一体感の強いワンモーションフォルムのフィットとはことなり、低く構えたボンネットとフロントウインドーをしっかりと区分するオーソドックスなスタイルで構成。グリルにはプラチナメッキ塗装が施され、LX、EXはヘッドライトがハロゲン式からLED 4灯タイプに変更される。

 リアビューではリアコンビネーションランプをトランクリッドまで連続させ、クロームメッキのライセンスガーニッシュによって左右を連続。ワイドなスタンスを強調したデザインとしている。さらにリアコンビネーションランプ下側に2本の導光タイプLEDを配置し、LX、EXではライセンスランプにもLEDを使用。先進性や上質感を演出している。

 ボディーカラーはグレイスのために新開発された「ゴールドブラウン・メタリック」のほか、「クリスタルブラック・パール」「プレミアムディープロッソ・パール」「ホワイトオーキッド・パール」「アラバスターシルバー・メタリック」「ティンテッドシルバー・メタリック」の6色展開となっている。

「セダンフォルムの理想型」を追究し、先進性やワイド感を強調したエクステリアデザイン
LX、EXは消灯時にも光の反射で存在感をアピールするLED 4灯ヘッドライトを採用。ロービームがLEDとなる。DXはマルチリフレクターハロゲンヘッドライト
ピラーに沿って縦長スタイルとなるフィットと異なり、2本の導光タイプLEDなどで横方向に印象づけるグレイスのリアコンビネーションランプ
褐色のトパーズをモチーフにした新色「ゴールドブラウン・メタリック」
「クリスタルブラック・パール」
「プレミアムディープロッソ・パール」
「ホワイトオーキッド・パール」
「アラバスターシルバー・メタリック」
「ティンテッドシルバー・メタリック」

 パワートレーンは基本的にフィット ハイブリッドと同一で、直列4気筒DOHC 1.5リッター「LEB」エンジンとH1型モーターを内蔵する7速DCTの組み合わせ。エンジンは81kW(110PS)/6000rpm 134Nm(13.7kgm)/5000rpmを発生し、モーターは22kW(29.5PS)/1313-2000rpm 160Nm(16.3kgm)/0-1313rpmのスペックでエンジンをアシスト。システム最高出力は101kW(137PS)となる。駆動方式は2WD(FF)に加え、ハンプレス構造のビスカスカップリングを採用し、VSAとの協調制御も行う4WDをラインアップしているのが特徴となっている。JC08モード燃費は、最高値となる2WDのDX、LXが34.4km/L、2WDのEXが31.4km/L、4WDモデルが29.4km/Lとなり、エコカー減税で全車が自動車取得税、重量税が免税(100%減税)となる。

 ボディー骨格ではキャビンスペースを拡大させるためホイールベースを延長しながら、走行性能と居住性向上を目指して剛性確保を追究。トランクを持つセダンスタイルを生かし、リアのバルクヘッドに斜めのサポート材を配置して「環状バルクヘッド」を形成。また、従来はフロア下のガソリンタンクを回避するため骨格のロードパスが湾曲した形状となっていたが、新たにタンク搭載後に構造部材を組み付けるスタイルを採用したことで、ロードパスをストレート化する「高効率フロアロードパス構造」を使っている。

 このほかにボディー関連の技術では、ノイズの侵入源となる開口部を徹底的に小型化する新コンセプトを採用し、フロントドアに厚いガラスを使用。EXではフロントウインドーを遮音ガラスにしたほか、各所に吸音材、遮音材を配置して音の侵入を防いでいる。空力性能では走行風をスムーズに流すフロントバンパー形状を開発し、フロア下ではエンジンアンダーカバー、フラットアンダーカバー、前後ストレーキ、フェンダーカバーなどを装着。燃費性能と直進安定性を高めるほか、風切り音を抑制して居住性向上を図っている。

グレイス(2WD)に採用される「SPORT HYBRID i-DCD」の透過図。ガソリンタンクをフロントシート下にレイアウトし、リアタイヤのあいだにリチウムイオンバッテリーとコントロールユニットを内蔵する「IPU(インテリジェントパワーユニット)」を配置
走行性能と居住性の向上などを目指してボディー剛性を強化。リアバルクヘッド上部に斜めのサポート材を配した「環状バルクヘッド」を採用する
コンパクトセダンのハイブリッドカーでは初となる4WDの採用。降雪時の坂道発進では全車標準装備のVSAと協調制御してスロットル開度を絞って発進をアシスト

 走行性能では心地よいハンドリングを目指し、ドライバーのステアリング操作からリニアに反応するようシャシーセッティングをチューニング。コンパクトクロスオーバーSUVの「ヴェゼル」と同様に前後で高さを変えた前下がりのロールセンター高を採用する。これに加え、ジオメトリーを刷新した前後サスペンションは横力に対する操縦安定性の向上策を実施。フロントサスペンションではステアリングのギヤレシオをクイックに設定しながら、横力発生時にトーアウト量を多めにする設計を与え、コーナーリング時に操舵角をわずかに戻す制御を行う。リアサスペンションは横力に対するトーアウト角を減らして操縦安定性を高めている。
 乗り心地の面では、リアダンパーをボディーに固定するマウントラバーに「入力分離式ダンパーマウント」を採用。通常はダンパーマウントにダンパーロッドとバンプストップラバーからの入力がいっしょになって伝わるが、グレイスでは細かい入力を内側のマウントラバーに伝達され、大きな入力は外側のダンパーブラケットで対応するスタイルとして乗り心地を向上させている。さらに走りの質感を高めるため、道路環境が厳しい欧州市場に投入されるシビック向けに開発された液封コンプライアンスブッシュを使用し、「ゴツゴツ」「ビリビリ」と表現される周波数の振動を軽減させている。

 コンパクトセダンのハイブリッドカーとして初めて採用した4WDは、ハンプ(カップリング内のプレートが金属接触することによる過剰トルク発生)を生まないハンプレス構造のビスカスカップリングを採用。軽量・コンパクトなビスカス式で4WD化でも燃費低減を抑えている。さらに降雪時の坂道発進では全車標準装備となっているVSAと協調制御を実施。スロットル開度を絞って前輪の空転を抑制し、発進をアシストしてくれる。

グレイスの走行イメージ

 安全装備ではVSAやエマージェンシーストップシグナル、ヒルスタートアシスト機能、頸部衝撃緩和フロントシートなどを全車標準装備としており、約30km/h以下の速度域で作動する低速域衝突軽減ブレーキ「シティブレーキアクティブシステム」と「前席用i-サイドエアバッグシステム(容量変化タイプ)+サイドカーテンエアバッグシステム」をセットにした「あんしんパッケージ」を設定。EXで標準装備し、DX、EXでオプション選択可能となっている。

フロントウインドーのレーザーレーダーで前方車両を認識して自動ブレーキを作動させる「シティブレーキアクティブシステム(CTBA)」
エアバッグシステムの作動イメージ

 インテリアデザインは「レイヤードフローティングコックピット」がテーマ。センターコンソールから左右に広がりを持たせた削り出した金属を思わせるシルバー加飾を配置し、LX、EXは助手席の前方に縫製表現を使ったソフトパッドパネルを設定。開放感と心地よい包まれ感を表現している。また、ピアノブラックのパネルで構成したセンターコンソールをわずかにドライバー側に向けて操作性を高め、コクピットテイストを演出している。
 リアシートではフロント側のセンターアームレスト後方にリアエアコンアウトレットを設定。上級グレードのEXでは8スピーカーによるリアツイーター、スマートフォンなどの充電に利用できる後席用アクセサリーソケットも用意される。ロングホイールベース化でリアシートスペース自体も拡大しており、フロントシート下に足先を入れる空間を用意。フロア前方が高くなっており、減速Gに対して踏ん張りやすいスタイルとなっておる。また、リアドアの開口部を拡大するため、リアタイヤのホイールアーチで溶接フランジの短縮を実施。乗降時にドアに足が当たらないよう配慮されている。

グレイス ハイブリッド EXのインパネデザイン。LXとEXは本革ステアリングを標準装備。EXのみパドルシフトを採用する
フロントシートはクッション表層部の低密度ウレタンを厚くして細かな振動を遮断。ショルダーサポートや腰まわりをしっかりと支持する形状にしてホールド性を高めている
アコードハイブリッドに匹敵するサイズの足下スペースを確保したというリアシート。シートバック格納式のセンターアームレストも大型化し、くつろぎの空間を演出
内装色はブラックとアイボリーの2色。シート表皮はファブリック(左、中央)のほか、EXはサイド部分が「プライムスムース」になるコンビシート(右)となり、本革レザーシートをオプション設定する
メーターパネルはフィット ハイブリッドやヴェゼル ハイブリッドと同じ、中央に大型のスピードメーターを配置する大径自発光式メーターを踏襲。メーター右側の「マルチインフォメーション・ディスプレイ」では、ハイブリッドシステムのエネルギーフローなどに加え、カーナビのターンバイターン表示も可能
シフトセレクターはH型の加飾がシルバーのフィット ハイブリッドと同じデザイン。セレクターの右側前方にあるSと書かれたスイッチは、DCTがエンジン回転数の高い領域を積極的に使用する変速特性に変更され、アクセル操作に対するモーターのアシスト量が増加する「Sモード」の切り替えスイッチ
静電式タッチパネルのフルオートエアコンを全車に標準装備。プラズマクラスターはLX、EXに装備される
赤い「パワースイッチ」をセンターコンソール右側に設置
「インターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器」はLX、EXでオプション設定
フロントのDC12Vのアクセサリーソケットは全車標準装備。HDMI入力端子、USBジャック×2は「インターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器」とセット装着される
トランク容量は、2WDモデルで床下収納の4Lを合わせて430Lを確保。9インチのゴルフバッグ3個、Lサイズのスーツケース3個などを搭載可能で、リアシートは6:4分割可倒式となっており、シートバックを前に倒してトランクスルーも利用できる
グレイス 助手席回転シート車

 福祉車両としては助手席回転シート車の2WD/4WDモデルを発売に合わせてラインアップ。専用シートは折りたたみ式フットレバーのほか、クッション形状も専用設計。おしりがずれにくく身体を支えやすいようにする一方で、乗降時に足を出しやすいよう工夫している。

モデル エンジン 変速機 駆動方式 価格
助手席回転シート車 直列4気筒DOHC 1.5リッター+スポーツハイブリッドi-DCD 7速DCT 2WD(FF) 2,122,200円
4WD 2,316,600円

【お詫びと訂正】記事初出時、フィット ハイブリッドの駆動方式に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:佐久間 秀)