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EVも活躍する「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2015」、9月13日まで開催

オフィシャルカーにi3の導入など、EV走行事業の実施を記念したセレモニーも

2015年7月26日~9月13日開催

 新潟県の越後妻有地域で9月13日まで開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2015」が、7月26日に開幕した。

 同芸術祭は、過疎高齢化の進む越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている国際芸術祭。広大な里山に点在するアート作品を巡りながら、住民との交流や食を楽しめる芸術祭となる。

 第6回展では、過去5回の芸術祭と約20年にわたる活動によって蓄積されてきた約200点のアート作品に、より地域に根差して地域の資源や課題に寄り添ったという新作約180点を加えて展開される。

 また、同芸術祭では移動の足としてEV(電気自動車)の活用に積極的で、オフィシャルカーとしてBMWのEV「i3」の導入や、日産カーレンタルソリューションなどが進める一般に向けたEVのシェアリング事業などが実施されている。それに伴いAPEV(電気自動車普及協会)は、EVを活用した走行事業の実施を記念して7月26日にテープカットセレモニーを行った。

電気自動車普及協会によるテープカットセレモニー
電気自動車普及協会の会長 横川浩氏
経済産業省 製造産業局 自動車課 課長補佐 田中宗介氏

 今回、大地の芸術祭オフィシャルスポンサーであるBMWは、大地の芸術祭仕様にラッピングした「i3」をオフィシャルカーとして提供するほか、一般の応募者から抽選で大地の芸術祭「BMW i3 1day テストドライブ」(応募受付はすでに終了)を実施。

 また、日産カーレンタルソリューションとJTBコーポレートセールスは、旅館などの宿泊施設における日産のEVである「リーフ」のシェアリング事業として、宿泊施設の社有車として保有するEVを希望に応じて宿泊客に貸出すサービスを、地元十日町市の「松之山温泉 ひなの宿 ちとせ」や湯沢町の「井仙」において実施する。

 テープカットを前に、電気自動車普及協会の会長 横川浩氏は「今回、文化的な芸術祭とのコラボレーションとなる、電気自動車を使った事業を企画しました。i3の走行事業や、一般の方にも走行を体験できる企画として、社有車としてEVを所有する旅館においてEVのシェアリングを実施して、電気自動車を体験してもらうという企画を用意しました」と今回の取り組みについて紹介。

 経済産業省 製造産業局 自動車課 課長補佐 田中宗介氏は「電気自動車は音もせず山あいでは力強く走ることで、この地域でアートを巡る最高のパートナーとなるはず。1人でも多くのかたに電気自動車を体験していただきたい。また、道の駅への急速充電器の設置など、電気自動車を世界一普及しやすい日本にしたい」と、EVの普及に向けた意気込みを語った。

越後妻有里山現代美術館「キナーレ」では、十日町市長や津南町長らが出席する開会式が実施された
総合プロデューサーの福武總一郎氏

 また、同芸術祭の開幕式において、総合プロデューサーの福武總一郎氏は「東京23区より広いこの地で素晴らしい大地の芸術祭がスタートしました。今回の芸術祭は、現代美術をベースとしながらパフォーマンス、演芸、音楽等、文化芸術の重層的な地域として発展していく方向性にしたいと考えてきました。昨日、上郷クローブ座がオープンしまして、大変素晴らしい劇場の誕生でプロジェクトが一歩進歩した感じがしました。日本のウッドストックのような、すばらしい芸術の重層化したエリアに、将来この地域がなればいいと期待している」。

「また、新たな取り組みとして、IT経営者や若手の文化人、アスリートの方々がオフィシャルサポーターとして応援してくれる動きもあり、クラウドファンディングやふるさと納税といった新しい資金調達の方法も登場しました。電気自動車普及協会により、BMW『i3』、日産『リーフ』といった電気自動車をお貸しいただいておりますので、ぜひ皆さんにも体験していただきたい。昨日、私も自ら運転して”電気自動車の時代がきている”とつくづく感じました」。

「この芸術祭は里山で行われますが、芸術をベースとした新しい時代の先頭にいることを感じていただきたい。世界や日本において経済中心の時代にありますが、経済は目的でなく文化芸術や自然こそが我々の将来に必要なのだということを感じていただきたい」などと挨拶した。

越後妻有地域に約380の作品展示が行われ、里山を巡りながらアートを観賞する「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2015」
同地域では道の駅への急速充電器の配備など、EVの充電環境の整備を進めている
十日町駅を基点にしたモデルコースがあるので、十日町駅西口の十日町市総合観光案内所で情報を確認しておくのがおすすめ

(編集部:椿山和雄)