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BMW、フェイスリフトした新型「i3」発表会

2018年は新型「X2」「X7」を導入して「SUVラインアップを完全なものに」とクロンシュナーブル社長

2018年1月15日 開催

新型i3とビー・エム・ダブリュー株式会社 代表取締役社長 ペーター・クロンシュナーブル氏

 ビー・エム・ダブリューは1月15日、同日フェイスリフトしたEV(電気自動車)「i3」の発表会を都内で開催した。発表会にはビー・エム・ダブリュー 代表取締役社長のペーター・クロンシュナーブル氏が出席し、2017年の販売実績について振り返るとともに、新型i3の概要を紹介した。価格などについては関連記事を参照いただきたい。

 今回のフェイスリフトでは主に内外装の変更が行なわれ、エクステリアでは横長のLEDターンインジケーター、新しいデザインのフロント&リアバンパーを採用するとともに、LEDヘッドライトを全モデルに標準装備。サイド部ではシルバーの加飾がフロントのピラーからルーフにかけて配置された。パワートレーンでの変更はないとのこと。

 新型i3では、「インテリア・デザイン・パッケージ」として、クールで洗練された印象の「ATELIER(アトリエ)」、モダンでナチュラルな「LODGE(ロッジ)」、上質で高級感あふれる「SUITE(スイート)」の3モデルをラインアップに設定。

新型i3(LODGE)のレンジエクステンダー装着車。ボディサイズは4020×1775×1550mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2570mm。車両重量はピュアEVのi3よりも120kg重い1420kg。新型i3では、2016年から採用している33kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、1回あたりの充電走行距離は390km。モーターは最高出力125kW/170PS、最大トルク250Nmを発生し、ハイブリッド燃料消費率(JC08モード燃費)は24.7km/L
エクステリアでは横長のLEDターンインジケーター、新しいデザインのフロント&リアバンパーを採用し、LEDヘッドライトを全モデルに標準装備。サイド部ではシルバーの加飾がフロントのピラーからルーフにかけて配置される
フロントフード下に普通充電用のリッドを設置
レンジエクステンダー装着車のため、ガソリン給油口が右側のフロントフェンダーに用意される
右のリアフェンダーに設置される急速充電用のリッド。日本仕様ではCHAdeMO(チャデモ)方式の急速充電に対応し、約45分で80%まで充電できる

「ATELIER」は、ダークな色合いのアラガツ・グレーのシートと、シート横側とステアリングホイール上部にブルーのアクセントを採用。また、天然素材のケナフ麻の繊維を採用したインストルメントパネルのベースサポートとドア部分のパネルにより、ナチュラルな印象を加えた。

「LODGE」ではソラリック・ブラウンのウール地にナチュラル・レザーを組み合わせたシートを採用。インテリアトリムにユーカリ材を用い、モダンでナチュラルな印象を与えつつ、洗練された室内空間を演出した。

「SUITE」では、なめし加工を施したダルベルギア・ブラウンのレザーをシートとダッシュボードに使用するとともに、落ち着きのある色調のオーク材を使うことで上質で高級感のある室内空間に仕上げた。レザーにはオリーブの葉の抽出液をなめし工程で用いることで、レザー本来の柔らかさを損なわずに、しなやかな手触りと風合いを実現したという。

 そのほか装備面については、LODGEおよびSUITEに「ドライビング・アシスト機能」「パーキング・サポート・パッケージ」を標準装備(ATELIERではオプション装備)。ドライビング・アシスト・プラス、ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)、前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付き)、パーキング・サポート・パッケージ、PDC(パーク・ディスタンス・コントロール)、リアビューカメラ(予想進路表示機能付)、パーキング・アシストといった機能が利用できる。

同じくLODGEのレンジエクステンダー装着車。なお、2017年のフランクフルトモーターショーではi3の新エディションとしてモーターのパワー&トルクが引き上げられた「i3s」がデビューしているが、今回日本に導入されたのはi3sではない

2017年は過去最高の販売記録を達成。2018年は新型X2/X7/i8などがデビュー

2017年の販売実績について
2018年の展開について語るクロンシュナーブル氏

 発表会で登壇したクロンシュナーブル社長は、はじめに2017年の販売実績について振り返り、BMWブランドとして5万2527台(対前年比3.9%増)、MINIブランドとして2万5427台(同3.6%増)、BMW Motorradとして5230台(同14.8%増)と、いずれのブランドも2016年より増加したことについて触れ、「2017年は最も成功した年でした。日本における売上トップ10(日本自動車輸入組合が発表した外国メーカー車モデル別新規登録台数より)のうち、6モデルがBMWのクルマでした。再び私たちはナンバーワンの自動車輸入会社になりました」と報告。

 その好調の背景については、新型5シリーズ、PHV(プラグインハイブリッド)も展開するMINI クロスオーバー、BMW Motorradの「G 310 R」、新型X3の導入を挙げるとともに、ユーザーとのコミュニケーションの場として「BMW MOTORSPORT FESTIVAL」や「BMW Motorrad DAYS」を開催したこと、東京モーターショー 2017に出展したことをなどを紹介。クロンシュナーブル社長は2017年の成功をもって9年連続で成長したことを報告するとともに、「2018年はかつてないほどの製品攻勢で、既存モデルの改良のほか新型モデルも出します。MINIでは、MINIを象徴する3ドアと5ドアのモデルの新世代を発表するとともに、MINI コンバーチブルの改良を行ないます」。

「また、BMWでは間もなく新型X2を出します。新型X7のリリースもさほど先ではありません。これで私たちのSUVラインアップは完全なものになります。グローバル戦略のもう1つにアッパーラグジュアリーセグメントの拡大があり、昨年の東京モーターショーでは8シリーズのコンセプトカーをご覧いただきました。このコンセプトに関しては年内にもっとお見せしますが、このセグメント内での新しいスタンダードを作るものと確信しています。また、エレクトロモビリティの分野をさらにリードしていくために、BMW i8を刷新し、新型i8 ロードスターを発売します」と、2018年のMINI、BMW両ブランドの展開について語った。

2017年に導入した各モデル
2017年にはオーナー対象のイベントを開催
2017年は過去最高の販売を記録
2018年に日本へ導入するモデル
東京モーターショー 2017で公開された8シリーズのコンセプトカー
新型i8もお目見え。ロードスターも導入するという