フランクフルトショー 2017

【フランクフルトショー 2017】BMW、2025年までに25車種のEV/PHVを投入すると表明

最高速200km/h以上、600kmの走行が可能なコンセプトEV「i Vision Dynamics」公開

2017年9月12日(現地時間)発表

「i Vision Dynamics」を中心にBMWの幹部が並ぶ。右から3番目がBMW Group 取締役会長 ハラルド・クルーガー氏

 独BMWは、ドイツ連邦共和国フランクフルト市で開催されている2017年フランクフルトモーターショー(プレスデー:9月12日~13日、一般公開日:9月16日~24日)の初日にあたる9月12日(現地時間)に、同社ブースで記者会見を開催し、電気自動車(EV)への取り組みなどについて説明を行なった。

 この中でBMW Group 取締役会長 ハラルド・クルーガー氏は、「BMWは2025年までに電動パワートレーンを採用する25のモデルを市場に投入する」と述べ、今後BMWがEVやプラグインハイブリッド(PHV)など電動パワートレーンを採用した車両への取り組みを加速していくと説明した。そのうち12車種はEVになるという。

 さらに、そのEVのコンセプトカーとして「BMW i Vision Dynamics」を公開し、0-100km/h加速が4秒、トップスピードが200km/h以上、バッテリーによる航続距離が600kmを越える性能を持っていると説明した。そのほかにも「i3」「i3s」「MINI Electric Concept」の3つの新型EVに関しても発表・展示した。

コンセプトカー「BMW i Vision Dynamics」を発表

自動車ジャーナリスト ハヨ・シューマッハ氏(左)とBMW Group 取締役会長 ハラルド・クルーガー氏(右)

 今回のフランクフルトモーターショーでは、EU各国がパワーユニットの電動化を進める政策を打ち出したことを受け、各自動車メーカーともEV化へのシフトを急速に進めていることをアピールする場にもなっている。BMWの記者会見も、まさにそうしたトレンドを受けてEVだけを取り上げる記者会見になった。

 発表会の冒頭に、ドイツの著名な自動車ジャーナリストであるハヨ・シューマッハ氏とトークショー形式で話を進めたBMW Group 取締役会長 ハラルド・クルーガー氏は、「BMWはディーゼルでズルをしてきた訳ではないが、事件が発覚して以降、社内に検討委員会を立ち上げて、今後どのパワーユニットが最適であるのか検討を続けてきた。その結果、電動パワートレーンの開発を加速していくことを決め、2025年までに25種類の電動パワートレーンを採用したモデルを投入する」と述べ、今後の計画を明らかにした。

 ただし、このEVというのはPHVのような一部が電動というモデルも含まれており、純粋に電気だけのパワーユニットになるEVは25車種のうち12車種になる見通しだという。クルーガー氏は「EVはBMWのトッププライオリティ(最優先)だ」とも述べ、BMWがEV化の推進をしていく姿勢を強調した。

トップスピードは200km/h超
バッテリーによる航続距離は600km
徐々にステージに登場するi Vision Dynamics
カンファレンスの様子

 そのBMWのEVコンセプトとして公開されたのが、BMW i Vision Dynamicsだ。プレゼンテーションでは、0-100km/h加速が4秒、トップスピードが200km/h以上、バッテリーによる航続距離が600kmを越える性能を持っていると説明されており、BMWによれば、i3とi8という現行製品の間に位置する“4ドアグランクーペ”をイメージしたデザインだということで、今後BMW i Vision Dynamicsのデザインイメージを他のiシリーズにも反映していくと説明されている。

i Vision Dynamics
フロントビュー
フロント部分
サイドビュー
リアビュー

i3の新エディション「i3s」やMINI Electric ConceptといったEVを紹介

 また、BMWは同社がEVとして販売しているi3の新エディション、よりスポーティなモデルとなるi3s、そしてMINIブランドからMINI Electric Conceptという3つの新しいEVも記者会見で紹介した。

 i3の新エディションは、従来のi3からフロントバンパーなどが新しいデザインになっており、より引き締まったイメージになっているのが大きな違いとなる。0-100km/h加速は7.3秒で、100kmあたりの電力消費は13.6~13.1kWhとなっている。

 i3sはi3をベースにスポーティな外装を採用し、サスペンションを専用品で強化しているほか、専用の20インチ軽量ホイールを備えるなどの特徴を持つ。100kmあたりの電力消費は14.3kWh、モーターの限界領域において、パワーとトルクがi3に比べて最大40%高く、0-100km/h加速は6.9秒となっている。

 MINI Electric ConceptはMINIのEVコンセプトカー。モーターなどの基礎部分はi3をベースにしながら、デザインもMINIのイメージを踏襲しており、2008年の「MINI E」でも採用されていたシルバーとイエローを基調とした独特の塗装が行なわれている。

i3の新エディション
i3s
MINI Electric Concept
BMWの電動2輪車のコンセプトモデルとなる「BMW Motorrad Concept Link」

笠原一輝