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オートカラーアウォード2015-2016、スズキ「アルト ラパン」がグランプリ受賞

テーマは“あ、好き!”。心がときめくぬくもりカラーコーディネート

2015年12月12日発表

「あ、好き!“心がときめくぬくもりカラーコーディネート”」をテーマにカラーデザインを行なったスズキ「アルト ラパン」

 スズキの軽乗用車「アルト ラパン」が、日本流行色協会(JAFCA)主催の「オートカラーアウォード2015-2016」でグランプリを受賞した。12月12日に横浜美術館(神奈川県横浜市西区)で開催された審査会では、ノミネートされた車両展示のほか、2つの「特別賞」が発表された。

 オートカラーアウォードは、内外装すべてのカラーデザインの美しさを評価する顕彰制度で、今回で18回目の開催。今年は12月11日~12日の2日間にわたり審査が実施され、担当デザイナーが公開プレゼンテーションを行なったほか、一般投票などを含めた審査によりグランプリが決定された。

日本流行色協会(JAFCA)主催の「オートカラーアウォード2015-2016」で、スズキ株式会社「アルト ラパン」がグランプリを受賞
一般審査委員、自動車分科会審査委員、オートカラーアウォード審査委員による投票でグランプリが決定された
一般審査委員の投票
一般審査委員と自動車分科会審査委員による投票結果
オートカラーアウォード審査委員を含めた最終的な投票結果

 グランプリを受賞したスズキ「アルト ラパン」は、「あ、好き!“心がときめくぬくもりカラーコーディネート”」をテーマに、内外装のカラーコーディネートが行なわれたモデル。

フレンチミント3トーン
グレージュ内装×キャメルシートファブリック
コフレピンク3トーン
グレージュ内装×ベージュシートファブリック
フォーンベージュ3トーン
グレージュ内装×ブラウンシートファブリック

 グランプリの受賞理由として「生活者のライフスタイルが見えるカラーデザインである」「カラーデザイナーの思いが、細部にまで生かされ、世界観を構築している」「自動車でこれまで採用されにくかった色域に果敢に挑戦し、実現したことは素晴らしい」などと評価された。

スズキ株式会社 四輪技術本部 四輪デザイン部 カラー課の平井利枝さん

 アルト ラパンのカラーデザインを担当したスズキ 四輪技術本部 四輪デザイン部 カラー課の平井利枝さんは「カラーデザインの企画段階から参加して、3~4年前から一貫して提案してきたことが、まずは社内の方に共感していただいて、エクステリアデザイン、インテリアデザインのカタチを共に作り上げ、そのあとサプライヤーさんや社外の方にも共感していただいて、よりよい表皮や用品を一緒に作りあげてきました。それが6月の発売になって喜びもひとしおでしたが、こうして社外の人からも評価されて、ラパンの“あ、好き!”に共感していただけたかと思うと本当にうれしい」と、表彰式で受賞の喜びを語った。

 また、表彰式では、マツダ「CX-3」(エクステリア:セラミックメタリック、インテリア:ピュアホワイト)の「テーマ:素材感でクルマを作る」と、ヤマハ発動機「MT-25」「MT-07」「MT-09」「MT-09トレーサー」(マットシルバー1/レースブルー)の「テーマ:RBシリーズカラー戦略」が特別賞に選ばれ、それぞれ表彰された。

ヤマハ発動機株式会社 デザイン本部の安田将啓さん(左)、GKダイナミックスの青木省吾さん(右)
会社のメンバーと記念撮影
マツダ株式会社「CX-3」の担当デザイナー 木村幸奈さん
会社のメンバーと記念撮影

 現在、自動車開発におけるカラーデザイナーの仕事は、CMF(カラー、マテリアル、フィニッシュ)といって、ボディやインテリアのカラー選定にとどまらず、使用する各種素材の質感の設定から仕上がり具合まで、ユーザーが目にするすべてのカラーコーディネートを行なうのが担当領域になるといい、今回の賞の評価ポイントにもなるという。

審査委員を務めた松田朋春氏(株式会社ワコールアートセンター チーフプランナー)
審査委員を務めた大澤かほる氏(日本流行色協会 カラークリエイティブディレクター)
審査委員の島村卓実氏(Qurz〈クルツ〉Inc. インダストリアルデザイナー)

 審査委員を務めた島村卓実氏は「生活の中で皆さんに分かりやすいもの。カラーデザインの存在を世の中に紹介してもらえるデザイン。実際にクルマを見てきれいなデザインを選びました」と評価ポイントを示し、グランプリを受賞したアルト ラパンに関しては「開発当初からデザイナーの想いを伝えて作ったもので心を打ちましたし、なにより分かりやすい。彼女自身の個性が非常に活きていたと思います。こういう例はクルマのデザインにはない」とコメントした。

会場に展示されたノミネート車両

(編集部:椿山和雄)