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写真で見る スズキ「アルト ラパン」

 スズキ「アルト ラパン」は箱形のボディーを持つ軽乗用車。フランス語で「ウサギ(Lapin)」を意味する名前を持つこのクルマは、2002年に初代がデビューしたあと、2008年に2代目へとバトンタッチ、この新型が3代目となる。一貫して女性ユーザーをターゲットとしたクルマづくりが行われており、これまでのユーザーは9割を女性が占め、うち6割が20~30代のいわゆる「女子」層から圧倒的な支持を得ている。そうした背景もあり、新型では開発陣が「女性がクルマの購入を考える時、真っ先に思い浮かべるクルマにしたい」との思いを詰め込んだという。

 エクステリアは「ぬくもりのあるカタチ」をコンセプトに、ラパンらしさを演出する「四角いカタチ」「レトロな雰囲気」「シンプルな造形」を継承。箱形のボディーに丸いディティールを盛り込んだ「まる しかくい」プロポーションを追求している。ボディーカラーも新色2色を加えた8色をベースに、「ハスラー」で人気のホワイト2トーンルーフを設定。さらにボディー下部のモール部分も「ブラウン」「ネイビー」の2色を用意し、ボディー、ルーフ、モールで3トーンのコーディネートを可能としているのが特長だ。

「わたしの部屋」をコンセプトにしたインテリアは、エクステリア同様「まる しかくい」をモチーフとしたデザインを随所に配置。カラーパネルやテーブルなど、シンプルながら存在感のある仕上がりで、居心地のよいくつろげる空間を演出している。インテリアカラーは「ベージュ」をベースに、最上級グレードとなる「X」では「キャメル」「ブラウン」を設定して計3色を用意。ボディーカラーによって選択できる色が限られるものの、自分好みの空間に仕上げることができるようになっている。

撮影車両はラパン X。ボディーカラーは「フレンチミントパールメタリック」。このボディーカラーのモールカラーはブラウンになる
ボディーサイズは3395×1475×1525mm(全長×全幅×全高)。ホイールベースは先代モデルから60mm伸びた2460mmだが、最小回転半径は4.4mで変わらずとなっている

 安全装備はレーザーレーダーを使った「レーダーブレーキサポート」をはじめ、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、横滑りを抑える「ESP」などを全車標準装備。上級グレードには車両の周囲を上から見たような映像で確認できる「全方位モニター付メモリーナビゲーション」がG以外のグレードにオプション設定されている。

 メカニズム面では新プラットフォームの採用が大きなトピック。先代よりホイールベースを60mm延長して2460mmとすることで、室内長を105mm、前後乗員間距離を60mm、前席左右乗員間距離を30mmそれぞれ拡大。ゆったりと寛げる車内空間を実現している。同時に大幅な軽量化も実現しており、ボディーをはじめパワートレーン、サスペンション、内装などで120kgを削減し、650~730kgの車両重量を達成している。

 パワートレーンは改良型「R06A」ユニットとCVTの組み合わせが基本だが、ベースモデルとなるGのみ5速オートギアシフト「AGS」を採用する。これに加え、前述した軽量化、スズキ独自の省燃費技術「エネチャージ」を組み合わせることで、JC08モード燃費は最高35.6km/L(CVT・2WD車)を実現している。

 ラインアップは「G」「L」「S」「X」の4グレード構成。駆動方式は全グレードに2WD(FF)と4WDを設定する。GのみミッションがAGSとなり、エネチャージは設定されない。価格はGから順に107万7840円(4WD車は118万8000円)、120万2040円(同131万2200円)、128万5200円(同138万7800円)、138万9960円(同149万2560円)。

丸と四角を組み合わせたファニーなフロントマスク
指輪をモチーフにしたという丸形ヘッドライト
フロントグリル中央のラパンバッヂは凝った仕上がり。その下にあるカメラはオプション設定される「全方位モニター」用
レーザーレーダーを使った「レーダーブレーキサポート」を全車標準装備する
ウインカー内蔵ドアミラーも丸型。ホワイト2トーンルーフ車以外はボディー同色になる
ドアミラー下側に全方位モニター用カメラが付く
メッキドアハンドルはXのみに設定。ほかのグレードではボディー同色になる
リアコンビランプも丸形。バックランプはバンパー下部中央にビルトインされる
リアハッチのハンドルにはロック、アンロック用のリクエストスイッチが付く。全方位モニター用カメラもここに設定
リアガラスの小さなシールが「アルト」の一員であることをさりげなくアピール
ホワイト2トーンルーフはルーフだけでなくCピラーもホワイトになる
アンテナはショートポールタイプ
車体のさまざまな場所に「かくれラパン」が潜む
写真だと分かりにくいが、ボディー側クリアランプの反射板にラパンマークがモールドされている
Xのみアルミホイールを標準装備。デザインは花をモチーフとしたもの。タイヤサイズは全車155/65 R14
0.66リッター直列3気筒の改良型R06Aユニットを搭載。最高出力38kW(52PS)/6500rpm、最大トルク63Nm(6.4kgm)/4000rpmを発生
ガソリンは無鉛レギュラー仕様。タンク容量は27L
広いガラスエリアで開放感満点。フロントガラスは全車IRカット機能付。L、S、XグレードのフロントドアガラスはプレミアムUV&IRカットタイプを採用
S、Xグレードのステアリングは本革巻き。全車でチルトステアリングを採用しており、調整幅は先代より5mm増えて35mmになった
Xのエアコンは「ナノイー」機能付フルオートタイプ。それ以外のグレードはマニュアルエアコン(抗菌処理タイプ/エアフィルター付)が標準となる
キーレスプッシュスタートシステムを全車標準装備
パーキングブレーキは足踏み式
大型のスピードメーターとマルチインフォメーションディスプレイを組み合わせたシンプルなメーターパネル。文字盤は女性用腕時計をモチーフとしたデザイン
さまざまな情報を表示可能なマルチインフォメーションディスプレイ。タコメーターや瞬間燃費といった実用情報のほか、オリジナルキャラクターの「おしゃべりラパン」が日常の挨拶のほか、特定日を文字やアニメーションでお知らせしてくれる機能もある
フォトフレームのようなデザインのメモリーナビゲーションはG以外のグレードにオプション設定。画面サイズは7インチ
フルセグ地デジTVやCD/DVD、Bluetooth、aha(インターネットラジオ)など豊富なソースに対応
全方位モニターは車両周囲をひと目で確認できる便利な装備
キーシリンダーのようなDC12Vアウトレット
ステアリングコラム下にちょっとした手荷物を収納できる「インパネアンダートレー」を設定
アイドリングストップ、ESPなどのON/OFFスイッチが並ぶ
運転席側のカップホルダー。エアコン吹き出し口の前にあるため、保冷/保温効果も期待できそうだ
センターコンソール下側に大小2つのポケットを用意し、USB端子とシートヒーターのスイッチもレイアウト。シートヒーターは2WD車(Gを除く)で運転席、4WD車で運転席/助手席(Gは運転席のみ)に装備する
助手席前にカフェカウンターのような白木目調のテーブルを設置。下には引き出し式の「インパネボックス」(右)とカップホルダー(左)を用意
引き出し収納の下にグローブボックスがある
バッグやコンビニ袋などを掛けておける回転式のショッピングフックを装備
シートにはざっくりとした風合いでぬくもりを表現する表皮を採用。シートカラーはベージュ
センターアームレストには収納ボックスを内蔵
助手席のシート下にエネチャージ用リチウムイオンバッテリーが置かれる
シンプルな造形のドアトリム。アームレストにはパワーウインドーとドアミラーのスイッチを装備
オプション品のフロアマットはカーペットのような雰囲気
サンバイザー裏にバニティミラーを装備。SとXグレードは照明付。運転席側に「かくれラパン」がデボス加工されている
ガラスエリアが広いためリアシートも開放感満点
ルーフトリムはキルティングを思わせるパターンを設定
ラゲッジ容量は定員乗車時で115Lとなり、先代モデルから30L増加。荷室開口部の地上高も30mm下げられ、より荷物を出し入れしやすくなった
リアシートの背もたれは分割可倒式
フロア下にポリスチレンフォームのラゲッジアンダーボックスを設定。パンク修理キットが全車標準となり、スペアタイヤの設定はない
リアセクションでも「かくれラパン」を発見。総数は非公表とのこと

販売店オプション装着車

撮影車両は「ガーリーエレガントスタイル」のコーディネートが与えられたアルト ラパン。ボディーカラーは新色の「コフレピンクパールメタリック」

 女性を意識したという販売店オプションも豊富に用意されている。女性ならではの視点で開発され、機能性はもちろん、デザインや質感にもこだわったアイテムが揃えられている。エクステリアでは写真の「ガーリーエレガントスタイル」のほか、「カジュアルスタイル」「ナチュラルキュートスタイル」の3タイプを提案。

 インテリアでは写真の「パリスタイル」のほか、「北欧スタイル」「ニューヨークスタイル」「モロッコスタイル」「リゾートスタイル」の5つのテーマを用意し、ハーフシートカバーをはじめ、本革巻ステアリングホイールカバー、ルームミラーカバー、タンブラーなどのアクセサリーを用意している。

メッシュタイプのメッキ加飾フロントグリル
キュートなイメージの手書き文字風ボンネットデカール
ハートをモチーフとしたステッカーとバッヂ
ホイールのセンターキャップもピンクに
ステアリングカバーのほか、インパネ正面のカラーパネルもピンクに変更されている
フロントドアのステップ部分でもかくれラパンを発見
ラパンのロゴが浮かぶラゲッジマット
エッフェル塔をモチーフとした「パリスタイル」のハーフシートカバー。助手席のヘッドレストから下がっているのはオリジナルのバッグホルダー
外したアクセサリーをキズ付けないように収納できる起毛素材を採用した「インパネボックストレー」

(安田 剛)