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写真で見る スズキ「スペーシア(一部改良モデル)」
(2015/6/12 08:50)
スズキ「スペーシア」「スペーシア カスタム」は、2013年に発売された軽ハイトワゴン。2008年にデビューした「パレット」の後継車種となる。
同車はまず、2013年2月にスペーシアが先行発売され、6月になって精悍なエクステリアを纏った兄弟車のスペーシア カスタムが追加された。さらに追って9月には、レーザーレーダーを使った先進安全装備「レーダーブレーキサポート」をオプション設定するなど、魅力を高めてきた。
そして発売から2年が経過したこの5月、自然吸気エンジン搭載車を対象とした一部改良が実施された。大きなポイントとなるのは「S-エネチャージ」「デュアルカメラブレーキサポート」の採用だ。なお、ターボエンジン搭載車の一部改良は8月に予定されており、こちらでもS-エネチャージを採用すると公表されている。
S-エネチャージは「モーター機能付発電機」(ISG)と専用小型リチウムイオンバッテリーを組み合わせたスズキ独自の燃費向上技術。同システムは「ワゴンR」にも搭載されているが、こちらで採用されたのは「ハスラー」と同じ改良型。モーターのアシスト時間を最長6秒間から最長30秒間に延長するとともに、アシストする速度域も15km/h~85km/hから発進後~85km/hに拡大されている。エンジンは直列3気筒DOHC 0.66リッター「R06A」型ユニットと表記上は変わらないものの、圧縮比の向上(11.0→11.5)やEGRシステムの追加、吸排気系の見直しなどが行われている。これらの採用により、JC08モード燃費は32.0km/L(スペーシア G・2WD)を達成。全車がエコカー減税の免税(100%減税)対象となっている。
もう1つのトピックとなるのがデュアルカメラブレーキサポートの搭載だ。前述したように、スペーシアではレーザーレーダーによる「衝突被害軽減ブレーキ」などの先進安全技術を実現していたが、今回の一部改良によりステレオカメラを使ったシステムに置き換えられた。これはフロントウインドー上部に設置したカメラにより、前方にある物体との距離や物体の形状を把握。サイズや輪郭からクルマと歩行者、加えて白黒のパターンから車線の認識を行うもの。軽自動車初となるこの新システムの大きなメリットとなるのは自動ブレーキ機能の作動域の拡大で、レーダーブレーキサポートの約5km/h~約30km/hから、約5km/h~約100km/hと大幅に拡大。さらに衝突の可能性がある場合には、まずブザーとメーター内の表示により衝突警報を行い、その後、衝突の可能性が高まると自動的に弱いブレーキが作動。運転者がブレーキを掛けた際のブレーキアシストや、ブレーキ操作がない場合の自動ブレーキ作動など、段階的にシステムが働くようになっている。また、カメラを使うことにより「車線逸脱警報機能」「ふらつき警報機能」「先行車発進お知らせ機能」といった機能を合せて実現し、搭載している。
また、快適性の向上も力が入れられた部分で、全車に防音・制振材を追加することで高い静粛性を実現。さらに装備面でも「ナノイー」搭載フルオートエアコンを採用したほか、シートヒーターやリアヒーターダクトの追加、上級グレードでは紫外線とともに赤外線をカットする「プレミアムUV&IRカットガラス」をフロントドアガラスに採用している。
ラインアップはスペーシアが「G」「X」、スペーシア カスタムが「GS」「XS」とそれぞれ2タイプ。トランスミッションはCVTのみで、全タイプで2WD(FF)と4WDが選択できる。価格は順に127万4400円(4WD:139万5360円)、138万2400円(同150万3360円)、152万8200円(同164万9160円)、164万1600円(同176万2560円)。