トヨタ、新型「マークX」の発表会を開催
佐藤浩市氏も来場、CM「佐藤部長」シリーズのヒロインを募集

佐藤浩市氏と新型マークX

2009年10月19日開催
238万円~380万円



 トヨタ自動車は10月19日、「マークX」をフルモデルチェンジし、その発表会を開催した。発表会には開発責任者である友原孝之氏と、サーキットでテスト走行を行ったというチームトムス監督の館信秀氏のほか、質疑応答には取締役社長の豊田章男氏と取締役副社長の内山田竹志氏と一丸陽一郎氏が登壇。さらにスペシャルゲストとして、先代よりCMキャラクターを務める佐藤浩市氏が来場した。

 開発責任者の友原氏は、マークXとして2代目となる今回のモデルについて「スポーティさと上質さを大幅に進化させた」と述べ、「セダンの持ち味である運転する楽しさを重視した」とその開発コンセプトについて語った。また、運転する前から乗り手の心を躍らせるようなスタイリングにも注力したと言う。「glam tech(グラムテック)」というのがデザインのキーワードで、友原氏によれば、「ダイナミックな見応えを意味するグラマラスと近代的な精度感を意味するテック。この2つを組み合わせた造語」とのこと。抑揚のあるおおらかな面と硬質な面とのコントラストを演出していると言う。

 走りに関しては、実際にサーキットで新型マークXを試乗した館氏も登壇、館氏はその第一印象について、「かっこいいしスポーティだし、スパルタン。とにかく早く走りたいと感じた」と述べた。実際に走らせてみても「ハンドリングもコーナリングもよく、運転していてとても楽しい車」と評した。

マークX開発責任者の友原孝之氏マークXのデザインコンセプト「glam tech(グラムテック)」チームトムス監督の館信秀氏

 友原氏は、開発のこだわりとして、特にしっとりとした上質な乗り味と、高速走行時の心地よさにこだわったと言うが、館氏は実際に走ってみても、ハンドリングがとてもよく、そのことを強く感じることができたと言う。また、上質な乗り味は、ドライバーの疲労軽減にもつながり、安全にもつながると友原氏。当日は雨の中で走行した館氏もそのことを実際に体感でき、安心・安全に速く走ることができたと言う。

 試乗したのは3.5リッターエンジン搭載モデルとのことだが、そのパワーフィールに関しても「僕らは普段レーシングカーに乗っているので、市販車ではいつもアンダーパワーだと感じるのだが、このマークXに関してはそんなことはなかった。レース場を楽しく走ることができた」と館氏。「よく欧州車と比較されることがあるが、上質な欧州車と比べても、まったくひけを取らないスタイリング、ハンドリング、操縦性、コーナリング、機動性を持っている」とマークXを称賛した。

 続いて行われた質疑応答には、社長の豊田氏と副社長の内山田氏と一丸氏が登壇した。記者からは、あえてFRこだわる理由、マークXへのこだわり、ハイブリッドを作らなかった理由について問われると、豊田社長は、「個人的な話になるがマークX(マークII)との出会いは40年くらい前になる」と述べ、「それ以来我が家のガレージには必ずあった車」だと言う。また、FRにこだわった理由は、走る楽しさを追求した結果とのこと。「今回は、スターティングプライスを238万円という設定にして、よりたくさんの人に乗ってもらいたいし、北海道のような雪の多い地域でも4WDモデルでその走りを味わってもらいたい」と述べた。

 ハイブリッドモデルについては、内山田氏が回答。内山田氏によれば「企画のごく初期段階ではハイブリッドモデルの案もあったとのこと。しかし、この車のより重視したいコンセプトであるダイレクトな操作フィールを生かし切るには、エンジンとトランスミッションとタイヤがダイレクトにつながったほうがよいという理由と、このままのパッケージでもクラストップレベルの燃費性能を実現できたためとした。FR車らしい運転感覚を楽しんでもらうためにも必要ないと判断したと言う。

 また、自らがマークXを買うならどのグレードを買うかという質問に対し、豊田氏は「私ならスポーツタイプ(350S/250G“Sパッケージ”系)を買って、モデリスタなどのパーツで、徐々にいじっていこうかなと思う」と述べた。内山田氏もスポーツが好きとしながらも、「マークXのよさを一番持っているのはスタンダードタイプ(250G系・除く“Sパッケージ”系)だと思うので、スタンダードタイプでいわいるワインディングロードを気持ちよく走行するというのが、この車にはよくあっているシチュエーションだと思う」と述べた。最後に一丸氏は、トヨタにはクラウンという車もあるが、「クラウンはコーポレートで使うお客様も多いので」と前置きした上で、「パーソナルカーとしての最高グレードであるプレミアムタイプ(PREMIUM系)を買って、少し長い旅をしてみたい」と述べた。

トヨタ自動車 取締役社長の豊田章男氏取締役副社長の内山田竹志氏取締役副社長の一丸陽一郎氏

 最後にスペシャルゲストとして、先代マークXよりCMに起用され、新型マークXでもメインキャラクターを務める佐藤浩市氏が登場した。新型マークXでは、「SAMURAI」をキーワードとした広告展開を行っていくとし、その「SAMURAI」の代表として佐藤浩市氏を起用したと言う。

 佐藤氏も実際にマークXに試乗したと言う。佐藤氏は新型マークXの印象について、「先代と比べてワイルドそうでボリューム感がある」と述べた。また実際に走行した印象については、攻めるような走りかたはしていないが雨の中でも安心して走ることができたとしたが、それ以上にプロドライバーの館氏の助手席に乗った際に「コーナーに突っ込んでいったときに、車が補正してくれるのを助手席でも体感することができた」と述べた。

 なお、先代マークXのCMでは、佐藤氏が部長役を務めるストーリーになっていたが、今回もTVCMの第2弾から「佐藤部長」シリーズが復活すると言う。さらに佐藤部長シリーズには相手役となるヒロインが登場するが、今回は「X-girlオーディション」として、この相手役を一般公募すると言う。募集するのは20代と30代の女性1名ずつで、Webサイト上で公開オーディションを行うとのこと。

新型マークXでも引き続きCMメインキャラクターを務める佐藤浩市氏「X-girlオーディション」も開催

 オーディションで選ばれた女性は、2010年1月より公開予定のTVCMに登場するほか、今回より佐藤部長シリーズが連続ドラマ化され、そのドラマにも出演する。このドラマは、監督に羽住英一郎氏、脚本に平田研也氏を招き、Webサイトなどで公開すると言う。X-girlオーディションや佐藤部長シリーズの連続ドラマの詳細については、マークX SAMURAI PROJECT特設Webサイトで同日より公開されている。

スタンダードタイプのホイールは16インチが標準となる。ブレーキキャリパーはフローティングタイプ
フロントバンパーヘッドライトとテールライト
スポーツタイプでは350Sに18インチアルミホイールを標準装備し、ブレーキキャリパーが対向4ポッドとなる
スポーツタイプはスタンダードタイプのバンパーをベースに前後スポイラーを装着。さらにトランクにもスポイラーが装着される
ヘッドライトとテールライトは内側がブラックアウトされた専用品を装着
プレミアムタイプは18インチアルミホイールを標準装備。ブレーキキャリパーも対向4ポッドとなる
フロントバンパーとグリルがプレミアムタイプの専用形状となるレーダークルーズ装着車はグリルのエンブレムの形状が変わる。この部分がレーダーになるためだレーダークルーズ非装着車のグリル
メッキモール付きのサイドマッドガードもプレミアムタイプ専用装備ヘッドライトとテールライトはスタンダードと同じタイプ
2.5リッターモデル(写真左)と3.5リッターモデル(写真右)では、エンジンカバーの色が異なるゆとりのあるトランク。リアシートバックを倒すことでトランクスルーにもなる
明るく広々とした室内プレミアムタイプのインパネスポーツタイプのインパネ
ステアリングにはオーディオや電話の操作ができるスイッチ類を配置視認性のよいオプティトロンメーターステアリングコラムに付いた十字スイッチで電動でステアリングの位置調整ができる
マルチインフォメーションディスプレイには、車両情報を表示可能エコドライブインジケーターは、エコドライブに最適なアクセル開度かどうかをリニアに表示する
ステアリングコラム左右には、各種スイッチが並ぶ。プッシュスタートスイッチは右側だドアの内張りも高級感がある。パワーウインドースイッチはすべてオート機能付き
上段はHDDナビとスーパーライブサウンドシステム。下段は左右独立調整可能なオートエアコン操作部センターコンソール部にはドライブモード切替えのスイッチやエコモードスイッチ、シートヒーターのスイッチが付く。また、ドリンクホルダーや小物入れも装備される
ゆとりのある室内。写真はプレミアムの本革仕様運転席は8ウェイ、助手席には4ウェイのパワーシートを装備ATなので2ペダル。一番左はフットブレーキのペダル
センターコンソールやダッシュボードにも小物入れが充実
前席のシートバックがえぐられた形になっており、後席の足元スペースには余裕がある後席のアームレストにはドリンクホルダーを装備撮影車は電動リアサンシェードを装備していた
トヨタモデリスタのコンプリートカー「ヴェルティガ」も展示されていた

(瀬戸 学)
2009年 10月 20日