「ルノースポール ジャンボリー」リポート
多種多様なルノー車が集結、サーキットスペック「R26.R」もお披露目

初開催となったルノースポール ジャンボリーは、ツインリンクもてぎで行われた

2009年10月24日開催



 ルノー・ジャポンは10月24日、ツインリンクもてぎで「ルノースポール ジャンボリー」を開催した。ルノースポール ジャンボリーは、ヒストリックカーの祭典「2009ヒストリック・オートモビル・フェスティバル in ジャパン」内で行われたイベントの1つで、ルノー車だけが参加できるもの。ルノーオリジナルのモデルをはじめ、アルピーヌやゴルディーニ製のモデルまで幅広く参加してサーキット走行を楽しんだほか、F1ドライバーのフェルナンド・アロンソ、ジャンカルロ・フィジケラのサイン入りメガーヌRSピストンやプレートが当たるじゃんけん大会なども用意され、アットホームな雰囲気でイベントは行われていた。今回の参加総台数は141台。

会場に設置されたルノーブーストゥインゴRS、新型ルーテシアRS、メガーヌR26.Rの同乗走行の権利をかけたじゃんけん大会。R26.Rは後ほど紹介させていただくじゃんけん大会ではさまざまな景品が用意されていた。Tシャツを持っているのは、今回のイベントをサポートしたモータージャーナリストの今井優杏さん
ブースでは自転車やミニカー、中古パーツなどがスペシャルプライスで販売されていた

 ルノースポール ジャンボリーを主催したルノー・ジャポン セールス&マーケティング部の永田敬二氏によると、これだけの数のルノー車が一堂に会するのは日本ではあり得ない光景で、このイベントをきっかけにルノー車を知ってもらうこと、そしてオーナーにルノー車の楽しさを知ってもらうために開催したのだと言う。

 参加車両を見渡してみると、サーキットイベントなので確かに“走り”を楽しむモデルが多い一方で、ルノー4(キャトル)、カングー、エクスプレスといったモデルも多く参加していたのが印象的だった。こうしたユーザーが自由気ままに参加できるのも、このイベントの懐の深さ故である。

 走行会には、ルノーアルピーヌ A110といった旧車から、サーキットでの使用を前提としたクリオカップまで、全22台が参加して行われた。クラスはR26.Rクラス、メガーヌRS/クリオV6/クリオカップカークラス、ルーテシアRSクラス、スポールクラス、アルピーヌ/スピダークラスの5つに分けられ、各クラス上位3名には仏ルノースポールが用意したトロフィーが授与された。

ルノー・ジャポン セールス&マーケティング部の永田敬二氏仏ルノースポールが用意したトロフィー今回、ルノー岡崎が所有するサーキット専用のルノークリオ・カップカーも展示されており、NISMOのGTドライバー柳田真孝氏がタイムトライアルを行っていた
ルノー岡崎が所有するルノークリオ・カップカー。随所に補強と軽量化の跡がみられる

 以下、一部だがイベント参加車両を紹介しよう。

ルノー4(キャトル)TLルノーアルピーヌルノーメガーヌ R26.R個人所有車
ルノー ラグナ。日本にはまだ未導入のモデルで、V型6気筒DOHC 3.5リッターエンジンを搭載する。最大出力は175Kw/6000rpm、最大トルクは330Nm/4400rpm。ミッションは6速ATでタイヤサイズは225/45 R18ルノー4(キャトル) サファリルノー5(サンク)ターボ2
ルノーメガーヌルノーアルピーヌ A110
ルノーメガーヌルノーエクスプレスルノースポール スパイダー
新型ルノーカングー

 クラス分けでも分かるとおり、R26.Rと呼ばれるサーキット専用モデルのみのクラスが設けられたほか、会場内に展示されたり、同乗走行も行われた。このR26.Rは、日本にまだ導入されていないメガーヌR26をベースに、徹底的な軽量化と足まわりに専用チューニングが施されたもので、限定で450台しか生産されていないモデル。昨年の6月23日には独ニュルブルクリンクサーキットでFF車最速の8分17秒を記録している。車両サイズは4228×1777×1437mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2625mm。重量は1230kg。エンジンは直列4気筒DOHC 2リッターターボを搭載し、最大出力は169Kw/5500rpm、最大トルクは310Nm/3000rpm。ミッションは6速MTを採用する。

 リアシートや遮音材、運転席を除いたエアバックやリアワイパー、フォグランプ、ヘッドランプウォッシャーなどが排除されたほか、カーボンボンネットの採用や、リアクォーターガラスおよびリアガラスにはポリカーボネートを装備したことにより、ベース車より123kgも軽量となっている。

ルノー東京有明の店長・井上哲鑑氏

 厳密に言うと、このR26.Rはルノー・ジャポンのラインアップにはない。これは、日本の法律でシートベルトは3点式と決められており、同モデルで採用している6点式は認められていないから、というのが主立った理由なのだそうだ。ちなみに、会場にいたルノー東京有明の店長・井上哲鑑氏によるとルノー東京有明にR26.Rが展示されており、1台のみ在庫があるそうだ。興味を持った方は店舗を訪れてみてはいかがだろうか。


端から見てやる気を感じさせるR26.R。仏での価格は3万4900ユーロ
直列4気筒DOHC 2リッターターボカーボンボンネットはベースモデルよりも7.5kgも軽いと言うタイヤはトーヨータイヤプロクセスR888。サイズは225/40 R18
リアクォーターガラスおよびリアガラスにはポリカーボネートを用いる。双方で5.7kgの軽量化マフラーはセンターデュアル
フルバケに6点式シートベルトが備わる。シートシェルはカーボンで、アルミシートフレームとの組み合わせにより左右で25kgの減量スピードメーターは280km/hまで刻まれるサイドブレーキは特殊な形状。R26.Rのプレートも備わる
ロールケージが組まれるが、これはボディー補強というよりも人員保護のためのものリアからみるとこんな感じスペアタイヤが入る位置には何もない。おそらく軽量化のためだろう

 そのほか、今月発売を開始したばかりのトゥインゴ ルノー・スポール、ルーテシア ルノー・スポールも展示されており、参加者は両モデルに釘付けだったようだ。

 永田氏によると、今後も年に一度のペースでルノースポール ジャンボリーを開催したいと言う。これほどメーカーとユーザーの距離の近いイベントも早々ないので、今回行けなかったルノーユーザーは、ぜひ足を運んでみてはいかがだろう。

トゥインゴ ルノー・スポール

ルーテシア ルノー・スポール

(編集部:小林 隆)
2009年 10月 27日