日産、コンパクトクロスオーバー「ジューク」にターボモデル
2WDと、新開発のトルクベクトル付き4WDを追加

ジューク 16GT FOUR

2010年11月2日発売
16GT:218万9250円
16GT FOUR:245万1750円



 日産自動車は、コンパクトクロスオーバー「ジューク」に直列4気筒 DOHC 1.6リッターターボを搭載するモデルを追加し発売した。価格は2WD(FF)の16GTが218万9250円、4WDの16GT FOURが245万1750円。

グレードエンジン変速機駆動方式価格
16GT直列4気筒 DOHC 1.6リッター直噴ターボCVT2WD(FF)218万9250円
16GT FOUR4WD245万1750円

 ジュークは、コンパクトスポーツカーの持つ俊敏な走りと、SUVの持つタフな走破性を表現するエクステリア、遊び心を持つ未来的なインテリアなどが市場に受け入れられ、好調な販売が続いているモデル。6月の発売時は、直列4気筒DOHC 1.5リッターのエンジンをCVTと組み合わせて前輪を駆動する2WDの15RSと15RXが用意され、後にターボ4WDモデルを追加することを予告していた。

 新たに追加されたターボモデルは、新開発の直列4気筒 DOHC 1.6リッター直噴ターボエンジン(MR16DDT型)を搭載。このMR16DDTは、筒内に直接燃料を噴射する直噴システム(Direct Injection Gasoline)を採用することで耐ノッキング性能を改善。連続可変バルブタイミングコントロールのCVTC(Continuous Valve Timing Control)を吸排気に搭載するツインCVTCにより、ターボチャージャーの弱みであった低中速域のレスポンスを向上させたとしている。

 最高出力は140kW(190PS)/5600rpm、最大トルクは240Nm(24.5kgm)/2000-5200rpm。1.5リッターエンジンを搭載する従来のジュークの、84kW(114PS)/6000rpm、150Nm(15.3kgm)/4000rpmと比較すると、出力で約167%、トルクで160%と大幅な向上を果たしている。10・15モード燃費は、2WDの16GTが14.4km/L、4WDの16GT FOURが14.0km/L(従来モデルは19.0km/L)。

 トランスミッションについても、従来はCVTだが、ターボモデルでは6速マニュアルモード付きのエクストロニックCVT-M6となり、専用チューニングサスペンション、リアのディスクブレーキ化、215/55 R17タイヤ&17インチアルミホイールの装備と相まって、積極的にスポーツ走行を楽しめる仕様となっている。


新開発の直列4気筒 DOHC 1.6リッター直噴ターボエンジン(MR16DDT型)ターボモデルでは、6速マニュアルモード付きCVT、エクストロニックCVT-M6を採用

 また、4WDモデルの16GT FOURでは、4WDシステムに新開発のALL MODE 4×4-i(トルクベクトル付き)を搭載。従来のALL MODE 4×4-iでは、前後輪のトルク分配のみだったが、このトルクベクトル付きでは、後左右輪へのトルク分配を制御し、コーナリング時のアンダーステアを抑制する。トルク配分は前後は100:0~50:50まで、後輪左右では0:100~100:0まで自動制御される。そのほか、16GT FOURでは、リアのサスペンションを、2WDモデルのトーションビーム式からマルチリンク式に変更。マルチリンクサスペンションにより、ALL MODE 4×4-i(トルクベクトル付き)のポテンシャルを十分に引き出していると言う。

16GT FOURのリアマルチリンクサスペンションALL MODE 4×4-i(トルクベクトル付き)のトルク配分イメージALL MODE 4×4-i(トルクベクトル付き)ユニット。左右の電子制御カップリングで後左右輪のトルク配分を行うとともに、前後輪のトルク配分もコントロール
電子制御カップリング中央部にあるハイポイドギヤ

 エクステリア、インテリアに大きな変更はないものの、ボディーカラーにターボモデル専用色のスチールブルーを追加し、全8色を用意。インテリアでは、15RXに装備されていたインテリジェントコントロールディスプレイの表示を変更し、ターボブーストが表示されるほか、前後・左右の加速度を表示するG-FORCE画面が加わった。また、16GT FOURではメーターパネル内に、4WDのトルク配分表示が追加されている。

ターボモデル専用カラー、スチールブルーラディアント レッドメテオライト ブラウン
パシフィックブルーホワイトパールダイヤモンドシルバー
ダークメタルグレーサファイアブラック
16GT FOURのインテリア
ジュークの特徴ともなっているインテリジェントコントロールディスプレイ。16GT、16GT FOURとも標準装備ターボブーストを5セグメントで表示前後・左右方向の加速度を、それぞれ7セグメント表示
15RX同様、POWER表示やECO表示なども可能16GT FOURのメーター内に設けられるトルク配分表示。水温計と燃料系の中央に表示され、タイヤから伸びるゲージがトルク量を表す

 ボディーサイズは、2WDの16GTはこれまでと同様、4135×1765×1565mm(全長×全幅×全高)。4WDの16GT FOURは全高が5mmアップの1570mmになる。ホイールベースは、シリーズ共通の2530mm。

(編集部:谷川 潔)
2010年 11月 2日