「第50回静岡ホビーショー」開幕 |
静岡ホビーショーが5月12日、ツインメッセ静岡(静岡県静岡市)で始まった。入場無料の一般公開日は5月14日、15日の2日間となるが、一般公開に先立って業者や報道陣向けの公開が行われた。カーモデル以外に、飛行機モデルや、戦車や艦船などのミリタリーモデル、ガンダム関連などのキャラクターモデルの新製品が例年同様展示されていたが、本記事ではカーモデル関連の展示内容をお届けする。
今年の静岡ホビーショーにおける残念なお知らせは、1/20のF1模型や1/350の艦船模型などを積極的に製品化しているフジミ模型が参加を取りやめていること。また、スケールモデルでは、一から開発された新製品が少なく、既発売製品のバリエーションモデルの展開が多かったことだ。
とはいえ、RCカーではタミヤが6年ぶりに主力製品であるベルトドライブの4WDツーリングカーをフルモデルチェンジしたほか、京商は10月発売予定の1/43スロットカーの体験展示を行うなど、走らせて楽しめるカーモデルについては、新規の展示が多かった。また、完成品であるミニカーなどでは、注目作が展示されており、見どころの多いものとなっていた。
■スケールモデル
昨年の静岡ホビーショーで、大ヒットモデルとなった1/24「ランボルギーニ カウンタック LP400」を発表した青島文化教材社(以下、アオシマ)は、そのカウンタックのバリエーションモデルをはじめ、各種国産車やデコトラのスケールモデルを展示。各社の中で、もっともカーモデルの製品展示が多いメーカーであった。
例年多くのカーモデルを発表しているタミヤの新製品は1/24「ポルシェ 961 ルマン」、1/24「Honda NSX タイプR(エッチングパーツ付き)」のみ、ハセガワはパトカー用のパーツを追加した1/24「ニッサン フェアレディ 240ZG “パトカー”」のみとなっていた。
アオシマ 1/24「ウルフ・カウンタック バージョン2」、7月発売予定、3990円。アオシマ カウンタックシリーズの最新作。一部新金型も追加され、ウルフの2号車を再現している |
こちらは既発売の1/24 カウンタック。1年で5モデルのバリエーション展開となった |
アオシマ 1/24「V43 パジェロ スーパーエクシード」、6月発売予定、2520円 |
アオシマ 1/32「スーパーサンシャイン(深箱ダンプ)」、7月発売予定、5040円。ハデハデ仕様のデコトラ | ハセガワ 1/24「ニッサン フェアレディ 240ZG “パトカー”」、7月上旬発売、3360円。既発売の製品に、パトカー用部品を追加。神奈川県警配備車両を再現 |
ドイツレベル 1/24「シトロエン 2CV」、7月発売予定、4410円。ハセガワが輸入元となっているドイツレベルの新製品。エンジンや室内まで再現されている |
ファインモールド 1/20「アメリカ陸軍 1/4トン 4×4トラック(スラットグリル)」、7月25日出荷予定、3990円。グリルまわりなど新規パーツを追加して発売される。スラットグリルタイプは初のキット化とのこと | |
エッチング製のディテールアップパーツもオプションパーツとして発売。1890円 | 実車展示も行われていた |
■RCカー、スロットカー、ミニ四駆など
静岡ホビーショーで、もっとも豊作だったと言えるのが、走らせて楽しめるカーモデル。タミヤは、RCカーの新製品として4WDツーリングカーの「TA06シャーシ」関連製品を展示。TA05以来、6年ぶりのモデルチェンジとなるこのシャシーでは、従来の等長ベルト駆動&センターモーターレイアウトから、センター縦置きバッテリーレイアウトを採用。モーターはリアへ移動した。リアはギヤダウン、フロントは2本のベルトで駆動力を伝達している。
このレイアウト変更で、重量物を中央に配置。同時にシャシーをスリム化することで、ロール時(コーナリング時)にシャシーが地面に接触しにくくなり、タイヤの接地性の向上を図っている。このTA06シャーシは、FIA GT1仕様のGT-Rボディーとセットになった通常版と、各種オプションパーツが組み込まれたシャシーキットが発売される。
ダイレクトドライブ2WDのフォーミュラシャシーである「F104」では、リアサスペンションを変更した「F104X1」を展示。これまでは、リアサスペンションの制御をオイルダンパー&フリクションプレートで行ってきたが、より適切な制御を行うために、ピッチングダンパー&ローリングダンパーの2軸制御に変更。これによりセッティングを明確に行うことができるような構造になる。
タミヤブースでは、このほかにも多数のRCカー関連製品、ミニ四駆関連製品が展示されていた。
京商は、先日発表した(発売は10月)ばかりの1/43スロットカー「Dslot43」の特設コースを作って展示。実際の走りを体感できるようになっていた。このDslot43では、第1弾として12種類のボディーが用意されるが、すべてのボディー展示も行われており、その精密感あふれる出来を確認することが可能だ。
■ミニカー
組み立てて楽しむスケールモデルの新製品は少なかったが、完成品であるミニカーには意欲的な新製品が多かった。主な展示メーカーとしては、ゲートウェイ・オートアート・ジャパン、エブロ(エムエムピー)、京商などとなる。
ここで紹介したほかにも、多くのカーモデルの新製品が静岡ホビーショーでは展示されている。一般公開日には、模型クラブの展示も行われ、全国から持ち寄られた数々の完成品を見ることができるだろう。
(編集部:谷川 潔)
2011年 5月 13日