「第50回静岡ホビーショー」開幕

静岡ホビーショーが開催されるツインメッセ静岡

業者招待日:2011年5月12日、13日
一般公開日:2011年5月14日、15日
入場無料



 静岡ホビーショーが5月12日、ツインメッセ静岡(静岡県静岡市)で始まった。入場無料の一般公開日は5月14日、15日の2日間となるが、一般公開に先立って業者や報道陣向けの公開が行われた。カーモデル以外に、飛行機モデルや、戦車や艦船などのミリタリーモデル、ガンダム関連などのキャラクターモデルの新製品が例年同様展示されていたが、本記事ではカーモデル関連の展示内容をお届けする。

 今年の静岡ホビーショーにおける残念なお知らせは、1/20のF1模型や1/350の艦船模型などを積極的に製品化しているフジミ模型が参加を取りやめていること。また、スケールモデルでは、一から開発された新製品が少なく、既発売製品のバリエーションモデルの展開が多かったことだ。

 とはいえ、RCカーではタミヤが6年ぶりに主力製品であるベルトドライブの4WDツーリングカーをフルモデルチェンジしたほか、京商は10月発売予定の1/43スロットカーの体験展示を行うなど、走らせて楽しめるカーモデルについては、新規の展示が多かった。また、完成品であるミニカーなどでは、注目作が展示されており、見どころの多いものとなっていた。

スケールモデル
 昨年の静岡ホビーショーで、大ヒットモデルとなった1/24「ランボルギーニ カウンタック LP400」を発表した青島文化教材社(以下、アオシマ)は、そのカウンタックのバリエーションモデルをはじめ、各種国産車やデコトラのスケールモデルを展示。各社の中で、もっともカーモデルの製品展示が多いメーカーであった。

 例年多くのカーモデルを発表しているタミヤの新製品は1/24「ポルシェ 961 ルマン」、1/24「Honda NSX タイプR(エッチングパーツ付き)」のみ、ハセガワはパトカー用のパーツを追加した1/24「ニッサン フェアレディ 240ZG “パトカー”」のみとなっていた。

アオシマ 1/24「ウルフ・カウンタック バージョン2」、7月発売予定、3990円。アオシマ カウンタックシリーズの最新作。一部新金型も追加され、ウルフの2号車を再現している
こちらは既発売の1/24 カウンタック。1年で5モデルのバリエーション展開となった
アオシマ 1/24「V43 パジェロ スーパーエクシード」、6月発売予定、2520円
アオシマ 1/24「GRBインプレッサWRX STI 5door '10」、7月発売予定、2730円。フロントバンパー&グリルの新パーツを追加することで、2010年モデルとなったインプレッサ
アオシマ 1/24「200系 ハイエース スーパーGL '10モデル」、6月発売予定、2520円アオシマ 1/24「200系 ハイエース スーパーGL '10カスタム」、6月発売予定、2520円。左のハイエースのカスタム版アオシマ 1/24「C31 ローレル」、7月発売予定、1890円。デカールを変更してターボメダリストを再現
アオシマ 1/24「URAS ER34 スカイライン」、6月発売予定、2520円。3種類のホイールをセット。ロールゲージ入りの2シーター仕様
アオシマ 1/24「M2 1015(オートザムAZ-1)」、5月発売予定、2730円。M2仕様のAZ-1。ボンネットやフロントスポイラーなどのパーツを新金型で再現
アオシマ 1/24「ファミリア XG」、7月発売予定、1890円。車高を選択可能アオシマ 1/24「スズキ キャリイ パネルバン」、7月発売予定、2310円。10インチてっちんホイールを新金型で再現アオシマ 1/24「ジャパン4Drスペシャル」(左)、1/24「330セドリックスペシャル」(右)。7月発売予定、各3150円
アオシマ 1/24「ハコスカ4Drスペシャル」(左)、1/24「110ガゼールスペシャル」」(右)。7月発売予定、各3150円。ジャパンや330セドリック同様「もっとグラチャン」シリーズの新製品アオシマ 1/32「三菱ふそう '07 スーパーグレート ハイウェイカーゴ 低床四軸エアサス仕様」、6月発売予定、9240円
アオシマ 1/32「憂国烈士(冷凍トレーラー)」、5月発売予定、5040円。会場でひときわ目立ったデコトラ。フロントウィンドーには「がんばれ東北」の文字が
アオシマ 1/32「スーパーサンシャイン(深箱ダンプ)」、7月発売予定、5040円。ハデハデ仕様のデコトラハセガワ 1/24「ニッサン フェアレディ 240ZG “パトカー”」、7月上旬発売、3360円。既発売の製品に、パトカー用部品を追加。神奈川県警配備車両を再現
ドイツレベル 1/24「シトロエン 2CV」、7月発売予定、4410円。ハセガワが輸入元となっているドイツレベルの新製品。エンジンや室内まで再現されている
ファインモールド 1/20「アメリカ陸軍 1/4トン 4×4トラック(スラットグリル)」、7月25日出荷予定、3990円。グリルまわりなど新規パーツを追加して発売される。スラットグリルタイプは初のキット化とのこと
エッチング製のディテールアップパーツもオプションパーツとして発売。1890円実車展示も行われていた
タミヤ 1/24「ポルシェ 961 1986 ルマン」、6月25日ごろ発売、2100円。接着剤を使わないスナップキット
タミヤ 1/24「Honda NSX タイプR」、7月発売。絶版となっていたNSXがエッチングパーツを追加して再発売となる
飾って楽しむパーツパネルコレクションシリーズに1/24「レクサス LFA」を追加。ボディー色の異なる5種類が発売される組立済みスケールモデルのマスターワークコレクションにも、1/24「レクサス LFA」が追加される

RCカー、スロットカー、ミニ四駆など
 静岡ホビーショーで、もっとも豊作だったと言えるのが、走らせて楽しめるカーモデル。タミヤは、RCカーの新製品として4WDツーリングカーの「TA06シャーシ」関連製品を展示。TA05以来、6年ぶりのモデルチェンジとなるこのシャシーでは、従来の等長ベルト駆動&センターモーターレイアウトから、センター縦置きバッテリーレイアウトを採用。モーターはリアへ移動した。リアはギヤダウン、フロントは2本のベルトで駆動力を伝達している。

 このレイアウト変更で、重量物を中央に配置。同時にシャシーをスリム化することで、ロール時(コーナリング時)にシャシーが地面に接触しにくくなり、タイヤの接地性の向上を図っている。このTA06シャーシは、FIA GT1仕様のGT-Rボディーとセットになった通常版と、各種オプションパーツが組み込まれたシャシーキットが発売される。

タミヤ 1/10RCカー「SUMO POWER GT NISSAN GT-R(TA06)」、7月発売。標準のTA06シャシーを採用したキットGT-Rに付属するTA06シャシー(サーボやバッテリーなどは別売)
フロントまわり。フロントサスペンションはインボードタイプリアまわり底面。バッテリーは中央配置となる
シャシーパーツTA06用に用意された各種オプションパーツ各種オプションパーツがあらかじめ組み込まれた 1/10RCカー「TA06 PRO シャーシキット」、6月18日ごろ発売、3万1290円
TA06 PROのフロントまわりTA06 PROのリアまわりシャシー底面
フロント部を横から。低重心配置となっているのがよく分かるフロントダンパーを外した展示もあった。フロントアクスルは、2本のベルトによって駆動される

 ダイレクトドライブ2WDのフォーミュラシャシーである「F104」では、リアサスペンションを変更した「F104X1」を展示。これまでは、リアサスペンションの制御をオイルダンパー&フリクションプレートで行ってきたが、より適切な制御を行うために、ピッチングダンパー&ローリングダンパーの2軸制御に変更。これによりセッティングを明確に行うことができるような構造になる。

タミヤ 1/10RCカー「F104X1シャーシキット」、7月発売リアサスペンションまわりが大幅に変更された左がF104X1のリアサスペンションまわり、右が従来のF104のリアサスペンションまわり
奥へ伸びるのが、ピッチングダンパー。左右に横たわるのがローリングダンパー従来は、円形のフリクションプレートの摩擦力をコントロールすることで、リアアクスルの動きを制御してきたピッチとロールの2軸を別々に制御できるため、より細かいセッティングが可能に。左右方向の精度を高めるため、サスマウントにアルミ削り出し部品が使われている

 タミヤブースでは、このほかにも多数のRCカー関連製品、ミニ四駆関連製品が展示されていた。

タミヤ 1/10RCカー「TB-03 VDS ドリフトシャーシキット」、7月発売、5万2290円。TBシリーズはシャフトドライブ4WDを採用する。フロント左右輪の切れ角が平行になる、パラレルリンクジオメトリー・ステアリングによって、ドリフト時の姿勢保持が容易になるパラレルリンクジオメトリー・ステアリング部。これらのリンク機構によって左右輪の切れ角を平行にするグリップ走行に適したアッカーマンタイプのステアリングセットも用意される。一般的なクルマはすべてこのタイプ
タミヤ 1/10RCカー「XB マツダ SAVANNA RX-7(M-06)」、7月発売。XBとは、バッテリーやプロポなどがセットに含まれ、シャシーも組立済みのシリーズ。すぐにRCカーを楽しむことができるXBシリーズに同梱されるRCメカSAVANNA RX-7が使用する後輪駆動のM-06シャシー。ただし、写真は各種のオプションパーツを組み込んだ状態。左が進行方向。SAVANNA RX-7は、XB以外に一般的な組立キットも用意される
タミヤ 1/10RCカー「M-05 Sスペック シャーシキット」、7月発売。こちらは前輪駆動のM-05シャシー。3種類のホイールベースが選択できる。左が進行方向各種オプションパーツをセットにした製品M-05のオススメボディーとしてミニが展示されていた
タミヤ 1/10RCカー「Honda CR-Z(TT-01 TYPE-E)」、6月11日ごろ発売、1万2390円。シャフトドライブ4WDのTT-01 TYPE-Eシャーシを採用タミヤの走るカーモデルと言えばミニ四駆。会場内にはミニ四駆のコースが設置され、デモ走行を行っていたミニ四駆関連の新製品も多数展示されている
ミニ四駆を最大4台持ち運べる「ミニ四駆 ポータブルピット」。手前の工具箱がふたになる構造を採る

 京商は、先日発表した(発売は10月)ばかりの1/43スロットカー「Dslot43」の特設コースを作って展示。実際の走りを体感できるようになっていた。このDslot43では、第1弾として12種類のボディーが用意されるが、すべてのボディー展示も行われており、その精密感あふれる出来を確認することが可能だ。

京商 1/43スロットカー「Dslot43」の特設コース。一足先に、その走行を楽しめる第1弾として発売される12種類のボディー京商のエンジンRCカー用のボディー。これまでとは異なるボディー形状となっており、3種類のボディーが用意されることになる
この写真がシャシーになる。エンジンを搭載し、実車同様後輪を駆動する既発売の2種類のボディー形状京商のミニRCカー「ミニッツ」シリーズに、待望のHSV-010 2010のボディーが登場。昨年のチャンピオンカラーも用意される

ミニカー
 組み立てて楽しむスケールモデルの新製品は少なかったが、完成品であるミニカーには意欲的な新製品が多かった。主な展示メーカーとしては、ゲートウェイ・オートアート・ジャパン、エブロ(エムエムピー)、京商などとなる。

オートアートの展示ブース。1/18ダイキャストモデルカーがずらりと並ぶオートアート 1/18「ホンダ シティ ターボII(M.シルバー)スペシャル・リミテッド・エディション」、11月発売予定、1万6000円。あのシティ ターボIIの1/18ミニカー。単品販売もあるがこのスペシャル版には、折りたたみ式バイクのモトコンポ、イメージキャラクターのアイアンブルが付属する。限定1000台1/18スケールだけあって、各部も作り込まれたものになっている
室内の再現はもちろん、スペアタイヤも装備モトコンポ。実車とは異なるが、ハンドル部を取り外すことで、折りたたみ状態を再現できるアイアンブル。デザインは、アキラなどの作品で知られる大友克洋氏
オートアート 1/18「日産 GT-R GT500 ステルスモデル(グランツーリスモ 5)」。グランツーリスモ 5に登場する特別なクルマを再現オートアート 1/18「マツダ コスモスポーツ(広島県警)」、2012年発売予定オートアート 1/18「ホンダ NSX(栃木県警)」、2012年発売予定
オートアート 1/43「ランボルギーニ カウンタック 5000S」、12月発売予定、1万1800円。1/18ミニカーの中に並んでいた、1/43シリーズの新製品奥が1/18カウンタック、手前が1/43。1/43のコンパクトさが分かる
エブロ 「SUBARU IMPREZA WRX STI 4door」、4515円エブロは、LFAやCR-Z、2011年シーズンのSUPER GTマシンなどの最新車種も展示していた
京商のダイキャストモデルカーシリーズの新製品。映画「キャノンボール」に登場したランボルギーニ カウンタック。12連のリアマフラーや、フロント部のウイングなども再現
京商 1/18「Rolls-Royce Ghost」。室内のシート機構なども再現されている
京商は、建設機械などもダイキャストモデルカーとして発売している。参考出品されていた「日立建機 HITACHI ZAXIS 100K」

 ここで紹介したほかにも、多くのカーモデルの新製品が静岡ホビーショーでは展示されている。一般公開日には、模型クラブの展示も行われ、全国から持ち寄られた数々の完成品を見ることができるだろう。

(編集部:谷川 潔)
2011年 5月 13日