ゼンリンデータコム、「いつもNAVI」などの事業を説明
カーナビアプリは将来的にクルマと連携

ゼンリンデータコム 代表取締役副社長 藤沢秀幸氏

2011年7月28日開催



 ゼンリンデータコムは7月28日、「いつもNAVI」など同社事業の説明会を報道陣向けに開催した。この説明会は、事業内容説明、ITS(高度道路交通システム)の取り組み、スマートフォンサービスの取り組みと3部構成になっており、本誌では主にカーナビ関連についてお届けする。

 事業内容説明については、同社代表取締役副社長 藤沢秀幸氏から行われた。同社の事業は親会社であるゼンリンの持つ地図情報を再利用できるようなデータとし、その活用を図ることが中心となっている。藤沢氏は、「携帯サービス事業」「ネットナビ事業」「地図ソリューション事業」の大きく分けて3つの事業があると言い、その中でも携帯関連の事業が売上げの半分近くを占めるとした。

 また、同社の代表的なサービスとなるのが「いつもNAVI」。いつもNAVIは携帯電話版、スマートフォン版(Android版、iPhone版、Windows Phone版)、Web版で提供されており、プラットフォームによって細部の機能に差があるものの、カーナビレベルのナビゲーションを提供している。

事業内容個人向けサービスと、法人向けサービスいつもNAVIは、カーナビのほか電車・徒歩ナビをサポート
複数のプラットフォームへ展開するWebサービス版

 また、同社では法人向けサービスとしていつもNAVIの地図やルート検索機能をベースとした「店舗案内パッケージサービス」「開発キットサービス」を提供しているほか、Googleマップへ地図提供を行っている関係もありGoogleマップのビジネス向けサービス「Google Maps API Premier」の正規販売パートナーとなっている。

 海外展開にも力を入れており、台湾では現地企業と組み、現地向け携帯ナビサービスと日本人観光客向けナビサービスを展開。中国、インドにおいても、現地企業が持つ地図DBにゼンリンデータコムの持つ携帯ナビ技術を提供する形での協業を行っている。

 そのほか海外に観光で行く人のために「いつもNAVI 海外」も力を入れており、携帯アプリ版も2011年5月にリリースしている。

いつもNAVIをベースに法人サービスを展開Google Maps API Premierの販売も行う通販サイト「ドライバーズ ステーション」
台湾でのナビサービス中国でのナビサービスインドでのナビサービス
いつもNAVI海外は、17カ国、31都市の情報を提供

将来的にはクルマとの連携を目指す
 ITSへの取り組みに関しては、営業本部 IT・ITS事業部部長 日置浩一郎氏より説明が行われた。カーナビのいつもNAVIは、携帯電話など通信型(オフボード型)の「いつもNAVI携帯」、PND(Portable Navigation Device)での組み込み利用を想定した搭載型(オンボード型)の「いつもNAVI(PND)」があり、いつもNAVI(PND)では、Windows mobile版とAndroid版を用意。今後スマートフォン版のナビとクルマとの連携を図り、車速や舵角、イルミ情報などをクルマ側から取得することで、より高度なナビサービスの提供を目指していく。

通信型と搭載型のいつもNAVIWindows mobile版Androidを搭載するPND向け
車載連携を図る

 また、キャラクターカスタマイズしたナビ製品へのエンジン提供を積極的に行っていき、その第1弾がカー用品メーカーのセイワが8月に発売する「ハローキティナビ」になる。このハローキティナビは、Windows CEで動作するいつもNAVI(PND)をベースに、自車位置、背景画像、音声をキティのキャラクターに差し替えている。

 そのほか、iPhone版のいつもNAVIでは、連携アプリという考え方を導入し、単体利用可能なアプリ「オービスマップ」といつもNAVIの連携利用が可能になっており、この様なiOSアプリは世界初だと言う。

 同社は、日本市場、海外先進国市場、新興国市場と、その通信インフラの普及状況、ナビ需要の違いにより、非通信環境下でも動作可能なオンボード型、通信環境下で動作するオフボード型、オンボード型をベースに通信機能を用いるハイブリッド型と、ナビの構成を使い分けていく。

セイワから発売されるハローキティナビ連携も可能なiPhoneアプリ「オービスマップ」各国の市場特性の違いにより、ナビタイプを使い分ける

(編集部:谷川 潔)
2011年 7月 29日