J.D.パワー、ガソリンスタンドの顧客満足度は2009年以降低下傾向に
「2011年日本サービスステーション顧客満足度調査」より

2011年8月30日発表



 J.D.パワー アジア・パシフィックは8月30日、「2011年日本サービスステーション顧客満足度調査」の結果を発表した。この調査は全国の自動車保有者を対象に、主に利用するサービスステーション(ガソリンスタンド)での経験や満足度を調べるもので、5月下旬から6月にかけてインターネット調査を実施。フルサービスでは4919名、セルフサービスでは6604名の合計1万1523名から回答を得ている。

 この調査では、フルとセルフの各サービスの形態や利用者特性の違いに着目。各々の顧客満足度を構成するファクターを以下のように定義している(カッコ内は総合満足度に対する影響度)。フルサービスおよびセルフサービスの顧客満足度は、これらのファクターにおける複数の詳細項目についての評価を基に、総合的な満足度スコア(1000点満点)を算出している。

フルサービス
スタッフ(32%)、フルサービスオペレーション(19%)、店舗施設(18%)、商品・サービス(16%)、精算・支払い(14%)

セルフサービス
店舗施設(24%)、スタッフ(20%)、セルフサービスオペレーション(19%)、精算・支払い(19%)、商品・サービス(17%)

フルサービスのランキング(左)、セルフサービスのランキング(右) 出展:J.D.パワー アジア・パシフィック

 フルサービスの顧客満足度ランキングでは、COSMOが636ポイントで、調査を開始した2005年以来、初めて1位となった。COSMOは「スタッフ」と「フルサービスオペレーション」でトップ評価を獲得している。第2位はIDEMITSU(634ポイント)、第3位はShell(633 ポイント)。

 セルフサービスでは、Esso(624ポイント)が第1位に。Essoも調査開始以来初めて首位を獲得しており、「精算・支払い」「店舗施設」「セルフサービスオペレーション」でトップ評価となっている。

 サービスステーション利用者の中でセルフ店を主に利用している人の割合は年々増加傾向にあり、今年のセルフ利用率は69%だが増加率は僅か2%となり、ほぼ頭打ちに。今年のフルサービスにおける業界全体の総合CSI スコアは623ポイントで、昨年から20ポイント低下している。セルフサービスも昨年から11ポイントスコアが低下し、610ポイントとなった。

 ファクター別に満足度をみると、フル、セルフともに、すべてのファクターにおいて昨年から満足度が低下している。なかでも、フルサービスではスタッフファクターの満足度低下度合いが大きい。セルフサービスでは、ファシリティ評価に加えて、スタッフの言葉遣い・マナー、安全面への配慮で特に評価が低下している。

 店頭におけるサービス実施状況をみると、フルサービスでは、休憩室の清掃・整頓を除くすべての活動実施率が低下している。

 セルフサービスについても、清掃、整頓やスタッフの挨拶や身だしなみ等の接遇等、大部分の店頭活動実施率が低下しており、セルフ・フルともに、顧客接点品質の低下が満足度の低下を招いていると結論づけている。

(編集部:谷川 潔)
2011年 8月 30日