フォルクスワーゲン、「ゴルフEV」の試乗もできた「Think Blue. Day」開催
身近なところから始められるエコを体感しよう

八景島シーパラダイスで行われた環境保全の啓蒙活動「Think Blue. Day 2012」

2012年6月2日開催



 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは、6月2日~3日に神奈川県横浜市の八景島シーパラダイスで環境保全の啓蒙活動「Think Blue. Day 2012」を開催した。

 「Think Blue.」は、同社が昨年から掲げている新しいスローガンで、「資源や生物多様性の保護などの環境保全活動」「環境と共存する考え方や行動についての啓蒙活動」「最新の環境テクノロジーでのクルマによる環境負荷の低減」を核に、さまざまな活動を行っている。

 こうした活動は、フォルクスワーゲン本社も積極的に行っており、たとえば生物多様性を守るためにドイツのオオカミ保全や中国の野生パンダ研究などを長期にわたり実施しているほか、ドイツのエムデン工場では消費するエネルギーの多くを太陽光や風力、バイオマスといった自然エネルギーでまかない、多くのCO2排出量削減に成功したと言う。

 また、フォルクスワーゲングループとして、2015年までに欧州における新車のCO2排出量を2006年比で20%削減、欧州の生産拠点でのエネルギー消費量とCO2排出量を10%以上削減することを目指しているほか、現在は廃車になったクルマの部品の約85%を再利用したり、ガソリンや軽油に代わる燃料として、木質廃材のバイオマスなど再生可能な原料から生成される合成燃料「Sun Fuel」の研究を行っている。

 さらに、クルマでは世界に先駆けてダウンサイジング・コンセプトを導入し、独自の「直噴+過給システム」で大きなエンジンに負けないパワーを生み出すべく、「TSIエンジン」「DSGトランスミッション」を積極的に導入している。

 今回行われた「Think Blue. Day」では、こうした取り組みを積極的に行っていることを紹介する一方で、サブタイトルに「エコを楽しく体験するイベント」を掲げ、窮屈さや難しいことではなく、身近なところから始められるエコを体感しよう、というのが主題となる。

八景島へ向かう渡り廊下にThink Blue.とフォルクスワーゲンの旗を設置していたThink Blue. Dayのメイン会場では抽選で自転車などがあたる抽選会が行われ、多くの来場者が参加していた

 イベントでは事前予約で当選した人向けに、日本と欧州で行われている電気自動車(EV)「ゴルフ blue-e-motion(ブルーeモーション)」の試乗会をはじめ、エコドライブトレーニング「Think Blue. Training」、八景島シーパラダイスにある水族館の舞台裏などを楽しめる「Think Blue.生きものふれあい体験ツアー」を用意。

 事前予約がなくても、自転車で発電した電力を使って走らせるスロットカーレースやペダルカー、クイズラリー、グッズ販売、同社の各モデルラインアップの展示など、さまざまなイベントに参加できるようになっていた。

会場にはEV「ゴルフ blue-e-motion」を展示。車両の詳細は関連記事に詳しいが、定格出力50kW、トルク270Nmを発生するモーターを搭載し、最高速135km/h、0-100km/h加速11.8秒というスペック。航続可能距離は150kmとしている
事前予約制だが、ゴルフ blue-e-motionの試乗会も開催。試乗車として4台のゴルフ blue-e-motionが持ち込まれた
エコドライブトレーニング「Think Blue. Training」では、最適なシートポジションの取り方などについての講義を受けたあと、試乗車をドライブ。はじめに講師の方が運転し、5km/hからのフルブレーキングで受ける衝撃などを体感するとともにエコドライブのレクチャーを受ける。その後自らの運転と講師の運転を比較し、アクセルの踏み方などについて説明を受けていた
自家発電スロットカーレースの会場。自転車で自家発電してスロットカーを走らせ、先にゴールした人が勝ちとなる
アパレルグッズの販売もしていた
自転車発電ペダルカーコーナー。自転車でバッテリーを充電し、そのバッテリーをビートル型ペダルカーに搭載すると、子供が運転できる仕組み
「Think Blue.生きものふれあい体験ツアー」は水族館「アクアミュージアム」などで行われ、多くの親子が参加した。水族館ではホッキョクグマやシロイルカ、アカシュモクザメなどさまざまな生き物を見ることができる
水族館にいる生き物に与える餌を処理する調理場。奥の流しで冷凍庫に保存される餌を解凍するイルカやペンギンなどに与えられる餌。牡蠣も餌となっており、これらは人間も食すことができる新鮮なものなのだそう
餌が保存される冷凍庫水族館の水槽に入れられる前の魚たち。ここで人間に慣れてもらうための飼育を行うというサメの卵もあった
水族館の巨大な水槽を上から望む。水槽にいるサバなど小魚には餌が与えられるが、サメなどには餌は与えられない。そのためサメなどは小魚を餌にすると言う。ツアーではこうした食物連鎖を説明した上で、食べることがいかに重要で尊いことかを解説していた。ちなみに水槽の水は東京湾の海水をろ過したものなのだそう水族館の外に出て、東京湾に生息する生物の見学も行われた。海にたらされた縄には海草のほかムール貝も。環境破壊をすると、こうした生物たちは生きることができない。ツアーに参加した子供たちは環境を守ることへの意識が高まったのではないだろうか

 普段生活をしていて、地球のことを考え、行動するということはなかなか難しいことだが、エコドライブの方法を学んだり、水族館にいる生物で「生命の尊さ」を学んだりできた「Think Blue. Day」は、実に有意義なイベントだったと言える。今秋に関西圏でも行われるということなので、興味のある方はぜひ参加してみてほしい。

(編集部:小林 隆)
2012年 6月 4日