NEXCO東日本の新社長に住友化学出身の廣瀨博氏が就任 「効率化を進めて、業務改善、収益性の強化を」と廣瀨社長 |
NEXCO東日本(東日本高速道路)は6月28日、第7期定時株主総会を開催。この株主総会をもって佐藤龍雄会長兼社長が退任し、新たに廣瀨博氏が代表取締役社長に就任した。廣瀨社長は、社員への挨拶を行った後、報道陣向けに就任記者会見を開催した。
廣瀨社長は、1967年(昭和42年)住友化学工業入社。2006年(平成18年)住友化学 取締役常務執行役員となり、2009年(平成21年)代表取締役社長に就任。2011年(平成23年)4月からは、取締役副会長となっていた。
会見の冒頭「住友化学に45年間在籍していた。高速道路とは畑違いの分野にいた」と語り、これまでは1ユーザーとして高速道路を見てきたが、これからは高速道路会社の社長として「安全・安心・快適・便利な高速道路空間を提供していく」と言う。
社員への挨拶においては、「社内外でのコミュニケーションを積極的に図ること」「新しいことや、新しい技術には積極的に挑戦すること。これは、道路が長く使用されるため」「スピード感を持って業務を遂行すること」「業務の透明性の確保」の4点について語り、これまでの業務経験において信用・信頼という言葉の大切さをさまざまな場面で体験してきたことから、「今後も信用・信頼をもって、この会社を発展させ、民営化の成果をさらに進めていきたい」と述べた。
NEXCO東日本の社長に就任して間がない廣瀨氏だが、NEXCO東日本の印象については、東日本大震災のからの応急復旧などを例に出し、「高速道路会社として技術力、現場力、連帯感の優れたよい会社だと思っている」と、その印象を語った。
今後については、「千葉の幕張PA(パーキングエリア)にPasar(パサール)の第1号店がある。そこでは、アメニティの高い効率的な事業運営ができるものを作っている。明るくて、お手洗いも清潔感があった」と、SA(サービスエリア)/PAなどで地域に根ざした事業を効率的に、かつ積極的に行っていきたいとした。
NEXCO東日本の管内には、関東支社、新潟支社、東北支社、北海道支社と4つの支社があるが、「経団連で農政問題委員会の委員長をしており、住友化学も農業に関係があった。震災後、仙台に2回ほど行っている」と言い、震災での被害の大きかった東北支社から、視察を行っていくことになるだろうと語った。
廣瀨社長が何度も口にしていたのが「効率化」という言葉。自分の社長としての課題については、「効率化を進めていくことで、業績改善、収益性の強化を図っていきたい」と語る。佐藤前会長兼社長時代に策定された中期経営計画にいては、ユーロの経済危機の問題など不確定要素はあるにしろ、「大きく見直す必要はなく、あるとしても追加・補充くらいだろう」と、その見通しを述べた。
(編集部:谷川 潔)
2012年 6月 28日