三菱自動車、“コンパクトカークラスの金メダリスト”新型「ミラージュ」発表会
新型ミラージュのプラットフォームを採用したセダンモデルも来年登場

発表会で登壇した益子修代表取締役社長(中央)、俳優の唐沢寿明さん(左)、女優の本仮屋ユイカさん(右)

2012年8月1日開催



 三菱自動車工業は8月1日、新型コンパクトカー「ミラージュ」の発表会を都内で開催した。

 発表会には、代表取締役社長の益子修氏とともにグローバルスモールプロジェクト推進本部長の佐藤尚氏が登壇し、新型ミラージュの概要を説明。また、新型ミラージュのTV-CMに出演する俳優の唐沢寿明さん、女優の本仮屋ユイカさんも会場に駆けつけ、TV-CM制作の舞台裏などについて語った。

新型ミラージュのTV-CMに出演する俳優の唐沢寿明さん、女優の本仮屋ユイカさんも登壇し、TV-CM制作の舞台裏などを紹介
新型ミラージュのTV-CMで使われる唐沢さん、本仮屋さんの“決めポーズ”を益子社長も実践。ポーズの詳細はTV-CMをご覧あれ
ミラージュ Gグレード。ボディーカラーはカシスパープルメタリック、ボディーサイズは全グレード共通で3710×1665×1490mm(全長×全幅×全高)
ボディーカラーは全8色を用意。ポップグリーンメタリッククールシルバーメタリックレッドメタリック
ホワイトパールブラックマイカ
ミラージュ Gグレードのインテリア。キーレスオペレーションシステムやエンジンスイッチなどの装備に加え、ハイグレードシート生地などの装備を採用する

今後、新型ミラージュで採用する新開発のプラットフォームを使用し、車種バリエーションを増やす予定であることを明かす益子社長

新型ミラージュは“コンパクトカークラスの金メダリスト”
 はじめに益子社長が登壇し、同社が2011年度から掲げている中期経営計画「JUMP2013」について紹介。JUMP2013では、新興市場を中心とした世界戦略車と、電動車両技術と燃費向上技術による環境対応車を商品戦略の2つの柱に掲げているが、「今年は収益拡大に向けた種まきの年に位置づけ、ミラージュをはじめ新型アウトランダー、アウトランダーベースのプラグインハイブリッド(PHV)を発売し、環境対応と新興国対応をより一層加速させていく」と説明。

 また、新型ミラージュは低燃費、低価格、コンパクトを武器に、成熟市場では環境対応車として、新興国市場ではエントリーカーとして150カ国以上で販売を計画するJUMP2013の世界戦略車第1弾モデルとなるが、3月末から販売を開始しているタイでは、「7月末現在で3万3000台をご注文いただいている」と、非常に好調な滑り出しを見せていると言う。

 新型ミラージュの生産は、タイの現地法人であるミツビシ・モーターズ・タイランドのラムチャバン工場が担うが、各地域の好調な販売見通しを受け、今年度中に12万台を生産する計画としている。現時点での生産能力は年間15万台だが、将来的には20万台まで増強が可能としている。

 一方、品質に関しても、「日本の生産拠点同様、品質基準を満たした良品のみが次工程に送られる管理体制を採用し、高い品質を確保している」「生産開始に至っては日本人検査員が駐在して出荷前の品質を全数確認するほか、現地検査員の指導も実施している」(益子社長)と述べるなど、万全の品質管理体制を敷いていることをアピールするとともに、「新型ミラージュを今行われているオリンピックに例えると、“コンパクトカークラスの金メダリスト”であると自負している。そして、金メダルを獲得するために開発陣が最後までこだわったところが、クルマの基本となるボディーの徹底的な軽量化」とし、980MPa級、590MPa級、440MPa級の高張力鋼板を、現行コルト比で約20%採用拡大し、約7%の軽量化を実現していることなどを強調した。

 この軽量ボディーの紹介とともに、浦和レッドダイヤモンズ・レディースの安田有希さん、吉良知夏さんが登場し、新型ミラージュのホワイトボディーのアンベールを行っており、益子社長は「お2人のサッカー選手のように体幹を鍛えることで、強さとしなやかさを持ったアスリートのボディーと言える。この軽量ボディーが走る・曲がる・止まるという運動性能すべてに好影響をもたらすなど、新型ミラージュの商品特徴はすべてこのアスリートボディーから生まれている」と紹介した。

浦和レッドダイヤモンズ・レディースの吉良知夏さん(左)、安田有希さん(右)も登場し、新型ミラージュは「強さとしなやかさを持ったアスリートのボディー」を備えていることをアピール

 なお、ミラージュは10年ぶりの復活となり、今回で6代目にあたる。新型ミラージュは、世界戦略車として新開発した専用のプラットフォームを採用しており、今後このプラットフォームを使用してバリエーションを増やす予定。まず来年度にセダンタイプのボディーが追加されるとともに、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)など、電動車両技術や低燃費化技術についても採用を検討しているとし、「世界各地域のニーズを見極め、それぞれにマッチした商品展開をしていきたいと考えている」(益子社長)。

 また、日本では6月26日から新型ミラージュの事前予約を行っており、7月末時点で5600台の予約を受け付けたとしており、「我々はエコカー補助金が終了したあとも、国内市場の活性化に向けて新しいコンセプトの環境対応技術や商品を、より一層力を入れていきたい」と、今後の抱負を述べた。


グローバルスモールプロジェクト推進本部長 佐藤尚氏

低燃費と低価格を両立した、もっともお買い得なクルマ
 新型ミラージュの概要は、グローバルスモールプロジェクト推進本部長の佐藤尚氏が行った。

 新型ミラージュの特徴の1つに低燃費があるとし、パワートレーンに新開発の直列3気筒 1.0リッターエンジン、ジヤトコ製の副変速機付きCVTを組み合わせることを紹介。このパワートレーンは基本装備の「E」、実用装備の「M」、快適装備の「G」の全グレードに採用され、最高出力は51kW(69PS)/6000rpm、最大トルクは86Nm(8.8kgm)/5000rpmとなる。「E」をのぞく2グレードはアイドリングストップ機能「オートストップ&ゴー(AS&G)」を装備し、JC08モード燃費は27.2km/Lをマーク(「E」のみ23.2km/L)する。

 また、「E」は99万8000円、「M」は118万8000円、「G」は128万8000円と、低価格であることも特徴で、「ご覧のとおり、新型ミラージュは低燃費と低価格を両立した、もっともお買い得なクルマであることがお分かりいただけると思う」と、佐藤氏は言う。

 そのほか開発陣のこだわりとして、新型ミラージュは「コルト」(グレード:VERY)の1020kgという車重に対し870kg(G/M)と、150kgの軽量化(ボディー・パワートレーン・シャシー他で各40kg、内装で30kg)を施したこと、風洞実験などによりCd値0.27という空力性能を誇ること、居住空間は広く、ボディーサイズはコンパクトという高効率パッケージを採用するなど、新型ミラージュの魅力を伝えていた。

 なお、新型ミラージュは事前予約で5600台の予約を受け付けているが、内訳は56%が「G」グレード、43%が「M」グレードとなっており、多くの方がアイドリングストップ機能搭載モデルを選択している。

 また、ボディーカラーは全8色が設定されるが、その内訳はクールシルバーメタリックが25%、ホワイトパールが16%、ブラックマイカが15%と、モノトーン系が半数を占めるものの、セルリアンブルーマイカが14%、カシスパープルメタリックが10%など、鮮やかな新色カラーも選択されていると言う。

日本のコンパクトカー需要動向2000年時と2010年時の購入重視項目の比較。10年を経て価値観は大きく変わっている新型ミラージュは低燃費、低価格、運転のしやすさに加え、豊富なカラーラインアップを特徴とする
JC08モード燃費は27.2km/Lをマークする(「E」グレードのみ23.2km/L)グレード展開新型ミラージュは低燃費と低価格を両立する
最小回転半径は4.4mと小回りが効くボディーカラーは全8色新型ミラージュはコルト比で150kgもの軽量化に成功した
Cd値は0.27と優れた空力性能を誇る居住空間は広く、ボディーサイズはコンパクトという高効率パッケージを採用8月31日までに予約すると好みのディーラーオプション5万2500円分をプレゼントするキャンペーンを実施中

(編集部:小林 隆)
2012年 8月 1日