トヨタ、2013年3月期第1四半期決算説明会
第1四半期では営業利益4611億円増。通期見通し1兆円はそのまま

第1四半期決算を発表するトヨタ自動車 取締役 専務役員 伊地知隆彦氏(右)、専務役員 早川茂氏(左)

2012年8月3日発表



 トヨタ自動車は8月3日、2013年3月期第1四半期決算説明会を東京本社で開催した。

 第1四半期(4月~6月)の決算は、連結販売台数が前年同月比104万台8000台増の226万9000台。売上高が2兆605億円増の5兆5015億円、営業利益は4611億円増の3531億円、純利益は2891億円増の2903億円となる。対ドルレートは2円円高の82円、対ユーロレートは14円円高の103円にもかかわらず、大幅に収益を改善した。

連結販売台数連結決算要約

 2891億円の利益改善要因としては、営業面の努力が4400億円、原価改善の努力が700億円。利益源要因としては、為替変動の影響が400億円、法人税ほかが2376億円など。

 地域別に見ると、営業利益は日本が2066億円の赤字から1071億円の黒字に3137億円改善されているほか、北米628億円増、欧州109億円増、アジア414億円増と、いずれの地域も数字が改善している。

連結当期純利益増減要因所在地別営業利益金融セグメント営業利益

 これにより通期見通しは、連結販売台数で10万台の増加としており、880万台を予定。ただし、売上高、営業利益、純利益に関しては、期末決算時点の見通しから変更せず、それぞれ22兆円、1兆円、7600億円となる。営業利益1兆円の変動要因としては、営業面の努力500億円、原価改善の努力300億円の計800億円を増要因。為替変動700億円、諸経費の増加100億円の計800億円を減要因と見ており、為替変動の影響が大きいことが分かる。想定レートに関しては、ドルが80円、ユーロが105円のため、今後の動き次第では、数字は流動的と言える。

持分法投資損益2013年3月期見通し、連結販売台数
2013年3月期見通し、連結決算2013年3月期見通し増減要因、連結決算

 伊地知取締役は、業績好調の要因について、昨年の震災の影響から大幅に生産・販売台数が増加し、高水準の生産・販売ができていることを挙げ、日本市場についてはエコカー補助金の影響も大きいと言う。

 ただ、第1四半期の数字については、費用の発生が抑えられることから例年実力以上の数字となることが多く、通期の販売台数で10万台増を見込むものの、通期の営業利益などはとくに変更を行わない。

 国内については、エコカー補助金の終了による反動減を、魅力的なクルマの発売により補っていくものの、欧州については債務問題により厳しい見通しと言う。

 北米については、1360万台の市場と見ていたが、1400万台を超える市場ができつつあり、「最終的には1430万台くらいの市場になるのではないかと見方を変えている」と言い、その中でシェアアップを狙っていく。

(編集部:谷川 潔)
2012年 8月 3日