住友ゴム、スパコン「京」を活用してタイヤ材料開発技術「4D NANO DESIGN」を促進 タイヤ用ゴムの低燃費性能や摩耗性能などをシミュレーション |
ダンロップ、ファルケンなどのタイヤブランドを展開する住友ゴム工業は9月6日、スーパーコンピュータ「京」を活用して新材料開発技術「4D NANO DESIGN(フォーディ ナノ デザイン)」の進化に着手したと発表した。
4D NANO DESIGNは、ダンロップの低燃費タイヤ「エナセーブ PREMIUM(プレミアム)」、スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX(ウインターマックス)」などに使われている技術で、「ナノ(10億分の1)の世界を見える化し、ナノのレベルで素材を自由にコントロールしていく」ことを目標として、分子・ナノレベルの構造からタイヤ用ゴムの低燃費性能や摩耗性能までを予測し、素材設計している。
4D NANO DESIGNの概念図 | 4D NANO DESIGNが採り入れられている最新スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX」 |
これまでは、放射光施設「Spring-8」で素材を分析。分析結果をスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」で解析シミュレーションをしていたが、新たに世界トップレベルのスーパーコンピュータ「京」で解析シミュレーションを実施する。
京の持つ、500万ノード時間という大規模シミュレーション能力により、従来のスーパーコンピュータでは予測困難な現象を解明し、新素材開発を加速させることが可能になるとしている。
また、原子・分子レベルのゴム構造の可視化解析に、SPring-8・SACLA(放射光)やJ-PARC(中性子)などの大型研究施設を活用。産学共同研究による理論も複合して取り入れ、「シミュレーション」「可視化・定量化実験」「理論」という取り組みを実施することで、「地球環境へ配慮した、安全・安心な、高性能でさらに高品質なタイヤの開発を通し社会貢献をしていく」と言う。
(編集部:谷川 潔)
2012年 9月 7日