【2012WTCC日本ラウンド】予選はシボレー勢がトップ3を独占、注目のホンダは11位スタート
シボレーはマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得


 2012 FIA 世界ツーリングカー選手権(WTCC)日本ラウンドは、本日(10月21日)三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットにおいて決勝レースが行われる。それに先立って昨日(10月20日)行われた予選では、今年末でのワークス活動の終了を決定しているシボレーの3台がトップ3を独占し、予選の結果により与えられるポイントにより、2012年のマニュファクチャラーズ選手権のチャンピオンを獲得した。

予選1位を獲得したシボレーチームのアラン・メニュ

予選結果

順位ドライバー名マシン名
1アラン・メニュシボレー クルーズ 1.6T
2イバン・ミューラーシボレー クルーズ 1.6T
3ロバート・ハフシボレー クルーズ 1.6T
4アレックス・マクドウェルシボレー クルーズ 1.6T
5メヒディ・ベナーニBMW 320 TC
6ガブリエル・タルキーニセアト レオン WTCC
7トム・コロネルBMW 320 TC
8アレクセイ・デュルカノセアト レオン WTCC
9ぺぺ・オリオラセアト レオン WTCC
10ステファノ・ダステBMW 320 TC
11ティアゴ・モンテイロホンダ シビックWTCC
12ダリル・オーヤンシボレー クルーズ 1.6T
13フランツ・エングストラBMW 320 TC
14ノルベルト・ミケルズBMW 320 TC
15トム・ボードマンセアト レオン WTCC
16フェルナンド・モンヘセアト レオン WTCC
17吉本大樹サンレッド レオン WTCC
18チャールズ・カキンBMW 320 TC
19ジェームス・ナッシュフォード フォーカス S2000 TC
20アルベルト・セレックBMW 320 TC
21トム・チルトンフォード フォーカス S2000 TC
22レネー・ミュンニッヒセアト レオン WTCC
23加納政樹BMW 320 Si

 この日本ラウンドがWTCCデビューレースとなるホンダは、ティアゴ・モンテイロ選手のドライブにより、予選1回目で7位を獲得し、グリッドを決定する予選2回目は11位を獲得。本日のレース展開によっては十分入賞を狙える位置につけている。

これが日本での最後の勇姿となる最強シボレー勢が予選上位独
、マニュファクチャラーズタイトルを決定
 昨日行われた予選でトップ3を独占したのが、2010年、2011年とチャンピオンを獲得してきた最強シボレー勢の3台。シボレーは米国の自動車メーカーであるGM(General Motors)のブランドの1つで、WTCCには日本では販売されていないクルーズをベースにした車両で参戦を続けている。

予選2位、イバン・ミューラー予選3位、ロバート・ハフシボレーチームの3人のドライバー。サイン会なども実施

 レースオペレーションを担当しているのは、イギリスの名門チームであるRML(Ray Mallock Limited)で、ドライバーには2010/2011年のチャンピオンであるイヴァン・ミューラー、昨年ミューラーと最終戦までチャンピオンを争ったロブ・ハフ、今年はすでに3勝をあげているベテランのアラン・メニュを擁するという非常に強力な布陣を敷いている。

 今年のシボレー勢を一言で表現するならまさに“無敵艦隊”。予選結果のリバースグリッドになる第2レースはともかくとして、予選順位どおりにスタートする第1レースを落としたのはスロバキアラウンドのみで、それ以外のラウンドに関してはすべてシボレーの3人のうち誰かが勝利を挙げている。

 その勢いは鈴鹿でも続いており、予選の上位3位までをシボレーが独占。本日行われる決勝レースの第1レースにおいて、シボレーの3台による上位争いが展開されることになりそうだ。今回そうしたシボレー同士の争いを制してポールを獲得したのは、8号車アラン・メニュ。現在ドライバーズ選手権でランキング3位につけ、上位の2人を追う形になっているメニュは、昨年も鈴鹿で行われた日本ラウンドの第1レースで勝利を挙げており、その再現を狙っている。

 2番手はチームメイトの1号車イバン・ミューラー、3番手が2号車ロブ・ハフとなる。先月行われた米国ラウンドでは、ミューラーが第2レースでまさかのノーポイントで終わったため、ハフと同ポイントに並ぶことになり、ドライバー選手権はまさに振り出しに戻った形になっている。WTCCでは予選順位にも上位5台にポイントが与えられる形になっており、予選の結果により再びミューラーが1ポイントリードという状況になっている。このため、ハフとすれば、決勝でミューラーの前にでる必要があり、決勝レースではチームメイト同士ではあるが、激しいレースになることが予想されそうだ。

 なお、予選でシボレー勢が1-2-3を獲得したことにより、12点を追加したことになり、残り2ラウンド(上海、マカオ)を残して、シボレーはマニュファクチャラーズ選手権のタイトルを確定させた。シボレーは、2010年、2011年に次ぐマニュファクチャラーズ選手権タイトルの獲得で、3連覇を達成したことになる。

ホンダは初参戦レースを11番手よりスタート、Q1は突破したが、Q2では新品タイヤなくタイム出ず
 2012 FIA 世界ツーリングカー選手権 日本ラウンドの最大のトピックは、ホンダがシビックWTCCを擁して、WTCCに初参戦を果たすことだろう。ホンダは、2013年からの本格参戦を計画しており、今回の鈴鹿、次戦の上海、最終戦のマカオに来年のテスト参戦を兼ねて、1台のシビックWTCCで参戦するのだ。今回の日本ラウンドが、そのデビュー戦となる(ホンダのWTCC参戦に関しては別記事参照)。

ホンダのティアゴ・モンテイロは予選11位

 シビックWTCCのデビュー戦となる今回の日本ラウンドでは、土曜日に行われたフリー走行1回目では4位、2回目では6位となかなか上々の出だし。その後行われた予選では、上位12台を決定する予選1回目(Q1)では見事に7番手タイムを出し、予選2回目(Q2)に進むことができた。ただし、このQ2に進むために、ホンダの18号車ティアゴ・モンテイロは割り当てられた新品タイヤを全部使ってしまい、Q2では新品タイヤがないという状況になった。これにより、Q2ではやや厳しく結果は12台中の11位になり、レース2ではリバースグリッドでポールポジションとなる10位にわずかに届かないという非常に惜しい結果となった。

ホンダは予選日に記者会見を実施シビックWTCCに搭載されるHR-412Eエンジンが展示された

 これにより、ホンダはレース1、レース1ともに11位グリッドからのスタートとなり、まずはレースに完走し、10位以内の入賞、ポイントフィニッシュを目指すことになる。

(笠原一輝/Photo:奥川浩彦)
2012年 10月 21日