ニュース

フェラーリ、2013年の方針を発表

テーラーメードプログラムの推進や、ユーザー向けイベントを今年も開催

フェラーリ・ジャパンのアプルロス プレジデント&CEO
2013年1月16日開催

 フェラーリ・ジャパンは1月16日、都内で報道関係者向けに説明会を行った。2012年を振り返るとともに、「フェラーリ・レーシング・デイズ2013」の開催発表や、今年、本格的に展開するというテーラーメイド・プログラムの概要を説明した。会場にはフェラーリの現在のラインナップがすべて集められた。

フェラーリ・レーシング・デイズ2013を4月開催

 この日発表となった「フェラーリ・レーシング・デイズ2013」は、2012年に鈴鹿サーキットで開催された「フェラーリ・レーシング・デイズ2012」に引き続き、今年も鈴鹿サーキットで開催されるオーナー向けイベント。開催日は2013年4月20~21日の2日間。

 イベントの内容は参加オーナーによるエキシビジョン・レースや、先導車付きのサーキット走行など、フェラーリの走りを満喫すべく企画される。クラシック・フェラーリによるパレード走行や、フェラーリ最新モデルの展示も予定される。

 また、フェラーリ「458チャレンジ」によるワンメイク・レース「フェラーリ・チャレンジ・トロフェオ・ピレリ」のアジアシリーズとなる「フェラーリ・チャレンジ・トロフェオ・ピレリ アジアパシフィック 2013」のラウンド2もイベント内で開催する。レースは2つのカテゴリーに分かれて戦い、ジェントルマンドライバーによる「コッパ・シェル」とレース経験を重ねたドライバーによる「トロフェオ・ピレリ」に分けられる。

 「フェラーリ・レーシング・デイズ2013」は2012年と同様、フェラーリ・オーナー以外の一般向けにもチケット販売を行うため、オーナーでなくても参加できる。

 フェラーリ・ジャパンのハーバート・アプルロス プレジデント&CEOは、「2012年のフェラーリ・レーシング・デイズは雨が降っていたにもかかわらず650台以上のフェラーリが集まり、21000人を超える人が参加する大成功のイベントだった」と評価した。

フェラーリ・レーシング・デイズ2013は4月20、21日に鈴鹿サーキットで開催

マラネッロに飛んで仕様を決めるテーラーメイドを展開

伊フェラーリのパーソナライゼーション責任者のフェデリコ・パストレッリ氏

 2012年に開始したテーラーメイド・プログラムを、2013年は本格展開する。伊フェラーリのパーソナライゼーション責任者のフェデリコ・パストレッリ氏が来日し、テーラーメイドの概要を説明した。

 テーラーメイドとはインテリア・カラーをはじめアクセサリーや素材、仕上げなどを自由に選べるプログラム。「何をお望みですか?」の言葉から検討をはじめ、全く自由にオーダーできる。

 オーダーした顧客はフェラーリ本社のあるマラネッロに招待され、現地でまる1日、担当するパーソナルスタイリストとともに仕様を検討していく。

 テーラーメイド・プログラムの方向性として、カーボンファイバートリムなどを多用してスポーティーさを演出する「スクーデリア」、ビンテージレザーやウール、カシミア、ベルベットなどでクラシカルに仕上げる「クラッシカ」、イタリア語で“未発表”を意味し革新的なスタリングに仕上げるといいう「インエディタ」の3タイプが用意される。

 説明会会場にはクラッシカで仕上げられたフェラーリ「FF」が展示され、標準仕様にはないシート地など、特別な車であることが示された。パストレッリ氏によれば、展示車の仕様でベース車プラス約6万ユーロかかるという。

 また、オーダー内容によって価格は大きく異なるが、平均的なテーラーメイド・プログラムに要する費用はベース車プラス5.5万ユーロほど。2012年は試験的なプログラムのスタートだったが、すでに日本でも1~2名ほどのオーナーがこのプログラムを利用してフェラーリをオーダーした。2013年は全世界で100名ほどがマラネッロを訪れて仕様を決めると見込んでおり、日本からも相当数のオーダーを期待しているという。

テーラーメイド・プログラムの特徴
3つの方向性が選べる
展示されたサンプルと仕上がりイメージ
FFに「クラッシカ」のテーラーメイドを施した車両
シートはストライプのあるものになった

復興支援で石巻市に放課後児童クラブを開設

 2012年の活動では、震災復興支援として宮城県石巻市に放課後児童クラブを2カ所、開設した。単にお金を寄付するのではない支援をと考え、石巻市とコラボレーションとしてフェラーリが資金を出して開設した。

 イタリア大使とともに現地を訪れたというハーバート・アプルロス氏は「石巻市には責任をもって投資を続けていきたい。特に子どもたちに投資し、すべての子供達がすばらしい夢を抱き続けられるようにしていきたい」と話し、現地の子どもたちの笑顔がつまったビデオが紹介された。

石巻市はフェラーリとも関係が深くすでに寄付を実施している
放課後児童クラブのオープニングセレモニーの様子が紹介された

2012年は記録的受注台数、2013年も

 ビジネス面でも好調で、ハーバート・アプルロス氏より、2012年に導入した「F12ベルリネッタ」が18カ月のバックオーダーとなるなど、数値は発表していないが記録的な受注台数を達成したことが発表された。また、JAIA(日本自動車輸入組合)による数値では登録台数は2011年対比で34%増となり、過去のなかでも最も大きな数字を記録したとした。

 アフターサービス面では、国際的な技能コンテスト「フェラーリ・テクニシャン・チャレンジ 2012」を開催、日本のディーラーから世界のトップテンのなかに2名が選ばれ、うち1名は世界中に1000人以上いるフェラーリ・メカニックのなかでも第3位になったことなどが発表された。

 2013年は、テーラーメイドの本格展開のほか、3月に全く新しいヨーロピアンバージョンのショールームを福岡に開設する。さらに、2014年末までに名古屋、さいたま、横浜、神戸、静岡の計5カ所のネットワーク拡充を予定する。

完成されたフェラーリのラインナップ

 今回の説明会には、現在のフェラーリのラインナップが一同集められた。スポーツとGTのラインナップそれぞれにV8エンジンとV12エンジンが揃えられ、“完成されたラインナップ”と評された。

新たに設立されるディーラーなどと、2012年にオープンしたサービスネットワーク
フェラーリの2012年の実績
完成されたフェラーリのラインナップ
F12ベルリネッタ
458イタリア
458スパイダー
FF。雪の東京でも走れるフェラーリ
カリフォルニア30
458イタリアがベースのフェラーリ・チャレンジ参戦車
フェラーリのシートのラインアップ
標準仕様車の内装カラーのラインアップ
ステアリングやブレーキなど
グッズ類も展示された
パートナー企業がブースを出店、ウブロは時計を展示、ダイナースクラブは休憩所を、アリタリア航空はビジネスクラスのシートや設備を紹介していた

(正田拓也)