ビー・エム・ダブリューは6月4日、同社の中核モデルとなっている3シリーズの派生車種「3シリーズ グランツーリモ」を発売した、価格は494万円~776万円。Mスポーツモデルは納車開始が2013年秋になる予定。同日、都内において発表会が行われた。
モデル | エンジン | 変速機 | 価格 |
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320i グランツーリスモ | 直列4気筒DOHC 2.0リッターツインパワーターボ(184ps) | 8速AT | 4,940,000円 |
320i グランツーリスモ Sport / Modern / Luxury | 5,140,000円 |
320i グランツーリスモ M Sport | 8 速スポーツAT | 5,430,000円 |
328i グランツーリスモ | 直列4気筒DOHC 2.0リッターツインパワーターボ(245ps) | 8速AT | 5,990,000円 |
328i グランツーリスモ Sport / Modern / Luxury | 6,190,000円 |
328i グランツーリスモ M Sport | 8 速スポーツAT | 6,480,000円 |
335i グランツーリスモ | 直列6気筒DOHC 3.0リッターツインパワーターボ(306ps) | 8速AT | 7,300,000円 |
335i グランツーリスモ Sport / Modern / Luxury | 7,500,000円 |
335i グランツーリスモ M Sport | 8 速スポーツAT | 7,760,000円 |
セダン、ツーリングに続く第3のボディーラインアップとなる3シリーズ グランツーリスモは、既存の3シリーズ ツーリングより全長200mm、ホイールベース110mm、全高50mmアップのひとまわり大きい車体に開口部の大きいハッチバックゲートを備えるモデル。「クーペやセダンが持つエレガントなデザインやスポーティな走りが好きだが、ラゲッジスペースにも妥協したくない」「家族のために実用性に優れるクルマが必要だが、スポーティなドライビングも楽しみたい」といった、これまでのモデルでは満たされなかった高い要求を持つユーザーをターゲットに開発が行われている。
これを実現するため、リアゲートに備えられた「アクティブ・リヤ・スポイラー」、フロントフェンダーのタイヤ後方に設置された「エア・ブリーザー」など、BMW初装備のアイテムを積極的に投入。車内の居住性やユーティリティを向上させるために大柄になったボディでも、3シリーズらしい軽快な運動性能をキープしている。
また、全モデルにツイン・スクロール・ターボチャージャー、高精度ダイレクト・インジェクション・システム、ダブルVANOS、バルブトロニックなどを組み合わせる「BMWツインパワ ー・ターボ・エンジン」を搭載。これに多段変速で高効率な8速AT、燃料の無駄遣いを抑える「エンジン・オート・スタート/ストップ」、燃費のいい走りをサポートする「ECO PROモード」、使ったエネルギーを回収する「ブレーキエネルギー回生システム」などを採用。全モデルがエコカー減税の対象モデルとなっており、320iと328iが取得税・重量税の免税(100%減税)対象、335iが同50%減税の対象となっている。
BMWで初採用となった「アクティブ・リヤ・スポイラー」。車速に応じて自動的に展開・格納されることで、状況に応じた最適なダウンフォースを確保。高速走行時の走行安定性、ロードホールディング性を高めている 展開状態のアクティブ・リヤ・スポイラー。停車中などでも運転席側のドアトリムに装着するスイッチを押せば、展開・格納を任意で切り替え可能 フロント側のホイールハウス内に流れ込む空気を直後のサイドパネルに設置されたダクトから放出する「エア・ブリーザー」。タイヤ周辺で発生する乱気流を抑えて空気抵抗を低減する ラゲッジルームの展開パターン。通常時でも3シリーズ ツーリングを25L上まわる520Lの容量で、後席シートバッグをすべて前方に倒すと1600Lという広大なユーティリティスペースが現れる ラゲッジルームの両サイドにはシートバックをワンタッチでリリースするレバーを装備。シートバックは角度を8度から27度まで15段階でリクライニング可能。シートバック位置を最大まで立てた場合、ラゲッジルームの容量が33L増えるという ワイドな開口部を持つリヤゲートにはリヤ・シェルフも装着可能。ゲートは電動開閉式で、ゲート内側と運転席に操作ボタンを配置する ラゲッジフロアの下にも収納スペースを用意。リヤ・シェルフを2分割して収納できるほか、ストレージ・パッケージ(328iと335iに標準、320iはオプション設定)装着車ではフロアボードにダンパーを備え、手軽に利用できる ラゲッジフロアの両サイドにはレールが設置され、移動式フックが用意される ラゲッジ照明はLEDの間接照明を設置。さらに格納式フックやアクセサリー電源なども内蔵する 335i グランツーリスモ Sportのリヤシート。3シリーズ ツーリングからレッグスペースが70mm拡大し、広々とくつろげるリヤシート空間となっている Sportグレードではファブリックシートが標準装備となるが、撮影した車両ではオプション設定のダコタ・レザーのシートをオプション装着していた。レッドのステッチが力強さを演出している 8速スポーツオートマチックトランスミッション車のステアリングにはシフト・パドルを装備 インパネ中央の8.8インチ ワイド・コントロール・ディスプレイにはナビやパーキング・アシスト、リヤビューカメラの映像など多彩な情報を表示可能 ステップトロニック付きの8速ATには「ECO PROモード」も備えるドライビング・パフォーマンス・コントロールを採用。iDriveコントローラーも全車に装着する 335i グランツーリスモに搭載されるN55B30A型エンジン。直列6気筒DOHC 3リッターツインパワー・ターボで、225kW(306ps)/5800rpm・400Nm(40.8kgm)/1200-5000rpmの出力を誇る 19インチのランフラットタイヤを装着。タイヤサイズはフロントが225/45R19、リヤが255/40R19となる 上側がボディー同色、下側がピアノブラックのツートーンになるドアミラー。内側には「レーン・チェンジ・ウォーニング」の警告用インジケーターを備える 内装にレッドのアクセントを採用するのはSportのみ 335i グランツーリスモ Sportのドアシルプレート。Modern、Luxuryもそれぞれのロゴが刻まれる 複雑なラインと面構成が特徴的な3シリーズ グランツーリスモのリヤまわり クローム仕上げのエキゾースト・テールパイプ。Sportではブラッククロームを使用する アラン・ハリス社長は発表会で、2003年からの10年でBMWのモデル数が2倍に増えたことを紹介。「これはプレミアムカーに乗っているお客様のライフスタイルが多様化していることを反映しています。さまざまな価値観で生活を楽しみ、クルマにも新しい価値観を求めています。そんなお客様のニーズを満たすため、BMWは新しいセグメントを開拓し続けてきました。この3シリーズ グランツーリスモも、BMWが歩んできた成功の道を先に進める新しいチャプターになるのです」と語った 「通常、このクラスのモデルでは、エレガントなデザインとスポーティな走りという要素と、ゆとりある室内空間や実用性は相反する部分です。しかし、3シリーズ グランツーリスモではこれらの要素をみごとに両立させています」とコメントする、ビー・エム・ダブリューで3シリーズのプロダクトマネージャーを務める金田雅志氏 数多くのBMW市販モデルのデザイン開発を担当してきた永島譲二デザイナー 製品発表会には、BMW本社から永島譲二デザイナーが来日してデザインプレゼンテーションも実施した。プレゼンテーションは、永島氏が各部を指し示す形式で進行した。
「この部分には強い光とはっきりした影、そしてここに豊かな曲面が見えるかと思います。私たちデザイナーは、面というものを非常に気にしているのです」 「ピラーは軽さを出すために、実際の太さよりボディカラーを乗せる部分を細くして、グリーンハウスを細く見せようとしているのです」 「ダッシュボードやセンターコンソールは3シリーズのセダンと共通。これはドライビングプレジャーで同じような方向性を見ているからです」 【お詫びと訂正】記事初出時、335iのエンジン形式を誤って記載していました。お詫びして訂正させていただきます。