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ブリヂストン、大阪に関西最大のタイヤリサイクルセンターを開設
バンダグ・リトレッド大阪ファクトリーと廃タイヤ中間処理工場を1個所に集約
(2013/7/17 00:00)
ブリヂストンは7月16日、大阪市住之江区に「ブリヂストン タイヤリサイクルセンター大阪」を開設するとともに、開所式を開催した。
ブリヂストン タイヤリサイクルセンター大阪は、バンダグ・リトレッド大阪ファクトリー(BRF大阪)と、廃タイヤ中間処理工場(大阪サービス)を1個所に集約し、自家用車のみならず大型トラック・バスなどで使われるすべての使用済みタイヤを回収し、リサイクルまたはリユースすることを目的に作られた。すでに千葉県市原市に開設している「バンダグ・リトレッド千葉ファクトリー」と並び、東西の大型拠点として最大限環境に配慮した工場となる。BRF大阪は17名の、大阪サービスは13名の従業員が務める。総敷地面積は7101m2(BRF大阪が3849m2、大阪サービスが3252m2)。
ブリヂストンは2007年にリトレッドタイヤ業者である米バンダグ社を買収しており、以降バンダグのシステム(摩耗したタイヤの表面を張り替えることで、再生利用可能なタイヤを製造する)を使ってタイヤ再生・販売の国内拠点を拡大している。
一口に使用済みタイヤと言っても、リトレッドタイヤとして再生できるものと、リトレッド加工ができないタイヤ(廃タイヤ)がある。そのため、BRF大阪はトラック・バス用タイヤのリトレッド工場として、大阪サービスはリトレッド加工できない廃タイヤの収集運搬および破砕処理・破砕品の販売を行っている。BRF大阪は2009年5月に設立されたBRF大阪(泉佐野市)と、同年10月に設立されたBRF兵庫(加東市)を統合したもので、この統合を機に生産に使う加硫缶を2缶から3缶に増強している。
ちなみに摩耗したタイヤの再生方法には、トレッド面をフラットにした台タイヤにあらかじめトレッド面が成型された加硫済みのゴムを貼り付けるプレキュア方式(コールド)と、台タイヤにフラットなゴムを貼り付け金型で加硫してパターンを成型するリ・モールド式(ホット)がある。BRF大阪では、台タイヤを傷めにくく、多品種少量生産に向いているプレキュア方式を採用し、132本/直の生産能力があると言う。
環境に対する取り組みの起点として、他社を凌駕していくための将来に向けた布石
開所式には、ブリヂストンタイヤジャパン 代表取締役社長 清水実氏、ブリヂストン 代表取締役 COO 西海和久氏、住之江区長 高橋秀樹氏らが出席。
清水氏は、ブリヂストン タイヤリサイクルセンター大阪がリトレッド工場と廃タイヤ中間処理工場の2つからなることを紹介するとともに、「センターブリヂストン タイヤリサイクルセンター大阪の大きな狙いは、環境活動への取り組みの強化と、省資源のリサイクル。センターはそれを具現化したもの。加硫缶は3缶に増強してBRF千葉と同様の生産能力を誇り、東西の流通の大型拠点に位置づけられる」と紹介。
また、西海氏はブリヂストングループが環境中期目標として掲げている、2005年比で2020年までにCO2排出量をモノづくりの分野で35%低減(売上高あたり)させること、タイヤの転がり抵抗を25%低減することなどに触れ、「モビリティに携わる企業としてCO2排出量を削減し、低炭素社会の実現を目指して日々取り組みを行っている。国内タイヤ事業においても、これまで低燃費タイヤの代表ブランドである『エコピア』など低燃費タイヤの開発、あるいはタイヤが摩耗したあと、まだまだタイヤが使えるではないかというタイヤの母体であるケース耐久性の高さという我々の強みである技術力の高さを活かしながら、新品タイヤとリトレッドタイヤの最適な組み合わせを提案するソリューションビジネス『エコバリューパック』の拡大を進め、省資源化、あるいはCO2削減を推進してきた」と説明。
そしてブリヂストン タイヤリサイクルセンター大阪の開設については、「タイヤの生産から使用段階、廃棄に至るまでの資源巡回の活動を強化するため、従来から一歩進んだ取り組みの柱になると考えている。同時に、住之江という地域における環境への貢献を実現する新しいビジネスモデルとして、弊社グループも大きく期待している事業。当リサイクルセンターは、ブリヂストングループにおける環境に対する取り組みの起点として、他社を凌駕していくための将来に向けた布石」と述べた。