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トヨタ、“ハリアーネス”をキープしながら革新を遂げた新型「ハリアー」発表会

ハイブリッドはJC08モード燃費21.8km/Lを達成

マークXなどのCMにも出演する佐藤浩市氏がゲスト出演した新型「ハリアー」発表会
2013年11月13日開催

 トヨタ自動車は11月13日、3代目となる新型「ハリアー」の発表会を実施した。新型ハリアーの詳細については関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20131113_623328.html)を参照していただきたい。

トヨタ自動車 製品企画本部 チーフエンジニアの有元真人氏

 発表会で新型ハリアーの開発を担当したトヨタ自動車 製品企画本部 チーフエンジニアの有元真人氏は、「我々はこのクルマが持つハリアーらしさを“ハリアーネス”と呼んでいます。歴代モデルの“ハリアーネス”をまとめると、革新、先進、高級、お買い得という4点です。先進的で高級感もありながら、ちょっと背伸びをすれば手が届く値段で若者にも乗ってもらいたい。そんな思いでハリアーをさらなる次元に進化させることを狙い、新型を高級、進化、新規をキーワードに開発しています」と開発テーマについて紹介。また、「スタイルを見て、乗り込んで、エンジンを掛けて走らせて、すべてのシーンで満足してもらえるような、乗る人の感性に訴えるクルマを目指しています」と語っている。

トヨタ自動車 トヨタデザイン部 部長のサイモン・ハンフリーズ氏

 デザイン面の解説を担当したトヨタ自動車 トヨタデザイン部 部長のサイモン・ハンフリーズ氏は、初代ハリアーが乗用車的なデザインアプローチをSUVで初めて行い、現代に続くグローバルトレンドを確立したと説明し、初代、2代目で培ってきたデザインアイデンティティについて解説。その上で、革新を求める新型ハリアーでも“ハリアーネス”と呼ばれるアイデンティティの上に築かれるものではなければならないと心がけたと語り、さらにSUV市場が多様化するなかで、新型ハリアーはエレガンスとダイナミズムを象徴するポジションを獲得することを目指して開発を実施。フロントオーバーハングを伸ばしたことで、SUV市場で最もドラマチックな俯瞰ビューを生み出すアドバンテージになっていると表現している。

 内外装のディテールまで新型ハリアーのデザインについて解説したあと、最後のパートでそれまでの英語による解説から、なめらかな日本語での解説にスイッチ。ハリアーは人間と同じように裏と表のパーソナリティを持ち、シンプルでありながら高い質感のある外観、シートに座った瞬間にほっとしながらも驚きのある内装、プレミアムでありながらモダンで先進的なキャラクター、こうした相反する要素を組み合わせて成立させることが日本独特のオリジナリティだと考えていると語っている。

有元氏とサイモン氏の2人で新型ハリアーのアンベールを実施
英語と日本語を使い分けるデザイン解説を行い、新型ハリアーに与えられた相反要素が生み出す独自の世界観を体現してみせるサイモン氏

 発表会の終盤には、上級セダンの「マークX」、企業広告の「トヨタウン」などのテレビCMにも出演している俳優の佐藤浩市氏がゲストとして参加。新型ハリアーでドライブに出かけるとしたら、どこに、誰と行きたいかという質問を受け、佐藤氏は「アウトドア的なイメージがある一方で、こうして見ると非常に洗練されていて都会が似合うので、ボディーにイルミネーションが映える夜の街を走ってみたいですね」と回答。このほか、「今の若い人は少し違うかもしれませんが、僕らの世代にとってクルマはもう1人の自分のように擬人化できる存在なんです。自分がそうでありたいと思うクルマを持つというのは、男の子の夢だったんです。それが現在、満たされているかそうでないかは別として、男の子にとって自分がそうありたいもう1つの存在がクルマなんだと思います」とコメントした。

ゲストとして登場した佐藤浩市氏。新型ハリアーを「なんともいえずかっこいいクルマですね。素敵な内装でシートもデザインがすごく凝っていますよね」と表現
「クルマはもう1人の自分と言える存在」と語る佐藤氏
ステージ上で展示された新型ハリアー。ボディーカラーは新規開発色の「スパークリングブラックパールクリスタルシャイン」
ハイブリッドモデルはエンジン排気量を3.3リッターから2.5リッターに変更し、JC08モード燃費は車重が軽いGRANDで21.8km/L、それ以外のグレードは21.4km/Lとなる
上級グレードのPREMIUM “Advanced Package”とPREMIUMに装備される235/55 R18タイヤ。それ以外のグレードではタイヤサイズが225/65 R17となる
トヨタ車として初めて装備するステアリング制御付の「レーンディパーチャーアラート(LDA)」で活用されるカメラ。電動パワーステアリングの制御でドライバーが車線内を走り続けられるようアシストする
フロントグリル下のカメラは「パノラミックビューモニター」用。PREMIUM “Advanced Package”では後退時に進行方向の人や車両を検知して警告する「左右確認サポート」をトヨタ車で初採用
ライン状に配した3本のLEDで有機的な印象を演出する「LEDクリアランスランプ」を採用
インテリアのデザインは、メーターパネルやスタートスイッチ類の配色が一部変更になるものの、基本的にハイブリッドモデルとガソリンエンジンモデルで共通となる。本革巻きのステアリング、シフトノブを全車に標準装備。上級グレードのPREMIUM “Advanced Package”とPREMIUMはステアリングの上部が木目調仕上げとなる
メーターは全車オプティトロン式。2眼式の左側にハイブリッドモデルはハイブリッドシステムインジケーター、ガソリンエンジンモデルはタコメーターをレイアウトする
ゲート式のシフトレバーにはシーケンシャルシフトマチックを設定。ハイブリッドモデルは6速、ガソリンエンジンモデルは7速のマニュアルモードを利用できる
フロントドアのトリムにはハリアーのロゴマークがエンボス加工で施されている
ドアトリムなどに設定されるウッドパネルは、写真の「エボニーストライプ」のほかに「ウッド&メタル」を用意する
リアシートの座面下側にダクトを設定。ハイブリッドモデルの駆動用バッテリーを冷却するための吸気口で、コストを抑えるため全車共通となっている。ガソリンエンジンモデルでは特に用途はないとのこと。吸気口の上にあるのはシートバックのリクライニングと前倒しするためのレバー
シートカラーはブラックとアイボリーの2色をラインアップ
本革シートはGRAND以外のグレードにオプション設定。本革シートの運転席&助手席は「快適温熱シート」となる
定員乗車状態のラゲッジルーム容量は456L。停止位置メモリー機能付きのパワーバックドアはPREMIUM “Advanced Package”とPREMIUMに標準装備
リアシートは助手席側が大きい6:4分割可倒式。左右別にリクライニングも可能。フルラゲッジ状態の容量は992Lとなる
トヨタ純正用品の「Styling Package Ver.3」装着車
LEDイルミネーション付きのメッキグリルは6万5100円、シルバー塗装のロアグリルは2万3100円。さらに「Styling Package Ver.1」用のフロントスポイラー(3万9900円)も装着している
メッキドアミラーカバーは1万2600円
リアシートにはまるごと水洗いできるペットシートカバー(1万8900円)を設置。ジッパーによる写真のセパレートモードのほか、広げてリアシート全体をペットエリアにすることも可能
まるごと水洗い可能で消臭機能も備えるペットフロアマットは1万500円
停車中のクルマのタイヤで固定するリードフックは1万3650円。タイヤサイズに合わせて大きさを調整して利用する

(編集部:佐久間 秀)