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テレビ朝日がFIA Formula E選手権の放送権を獲得、全戦生中継

「独創的な番組作りでFormula Eを応援してほしい」と佐藤琢磨選手

Formula Eのレース車両と並んで佐藤琢磨選手(写真左)、早河洋社長(写真右)が記念撮影
2013年11月29日開催

 テレビ朝日は11月29日、同社社屋において記者会見を開催。電通が持つ「FIA Formula E選手権」の放送権を獲得したと明らかにした。この会見の中で、同社を含むテレビ朝日系の放送局を統合して誕生する「テレビ朝日ホールディングス」が持つ地上波、BS、CSのいずれかにおいて、FIA Formula E選手権の全戦で行われる公式練習、予選、決勝の各セッションを放送すると発表している。

 会見には同社代表取締役社長 早河洋氏、先日の東京モーターショーでFormula Eの開発ドライバーに就任することが発表された佐藤琢磨選手が出席し、それぞれのFormula Eに対する期待を語った。

テレビ朝日ホールディングスによる“三波一体編成”の目玉コンテンツとしてのFormula E中継

 今回、テレビ朝日から発表されたのは、Formula Eの全レースにおいて、同社および、同社を含むテレビ朝日系の放送局(ビーエス朝日、シーエス・ワンテン)が合流して2014年4月1日にスタートするテレビ朝日ホールディングスのいずれかの放送波を通じてフルカバーされるということだ。なお、Formula Eの概要に関しては別記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/event_repo/2013tokyo/20131120_624466.html)が詳しいのでそちらをご参照頂きたい。

テレビ朝日 代表取締役社長 早河洋氏

 テレビ朝日 代表取締役社長 早河洋氏は「テレビ朝日ホールディングスとなることで、地上波/BS/CSの3波が一体となってコンテンツを展開していく。合流に際して社員たちとさまざまな議論をしている中で、Formula Eというのがあると担当部長から紹介され、彼が非常に熱く語るので“そんなに面白いなら権利を買ってやってみようじゃないか”ということになった」と述べ、Formula Eの中継を2014年4月からスタートする新体制の目玉コンテンツの1つにしていきたいと意気込みを語った。

 さらに早河氏は「Formula Eの特徴は、モーターで動くので排出ガスがなく、大都市の真ん中で一般の方の目に触れるところを走るというのがポイントだと考えている。さらにはSNSと連動してお気に入りのドライバーのオーバーテイクシステムの利用回数を増やしたり、ゲームでバーチャル参加できるという点でも次世代モータースポーツの中心になっていくと考えており、放送権を獲得することになった」と述べ、テレビ朝日として、Formula Eが排出ガスのないクリーンなレースである点、SNSとの連携やバーチャルゲームの機能などを評価して放送権を手に入れたと説明した。

基本的には全戦生中継の予定だが、どの放送波で放送されるか現時点では未定

Formula E開発ドライバー 佐藤琢磨選手

 記者会見にはゲストとして、先日の東京モーターショーでFormula Eの開発ドライバーに就任することが発表された佐藤琢磨選手が登壇し、テレビ朝日ホールディングスによるFormula E放送への期待をコメントした。

 佐藤選手による説明は先日の東京モーターショーの内容とほぼ同じだったが、質疑応答ではFormula Eの魅力について質問され、「スポーツ観戦はライブであることが重要。時差の問題はあるが、録画とそうでないかの差は大きく、テレビ朝日さんが全戦で生中継してくれると聞いて非常に期待している。今回のFormula Eではオーバーテイクボタンの利用回数を増やすため、SNSを通じた投票でファンもレースに参加できる。このため、勝利を目指すために、ファンに対してより迫力ある追い越しを見せるといったエンターテイメント性を重視するドライバーも増えると考えている。ぜひテレビ朝日さんには独創的な番組作りでそれを応援してほしい」と語り、テレビ朝日が全戦生中継する予定であることを明らかにした。

 これを受ける形で、テレビ朝日の関係者が「来年の4月からスタートする“三波一体運用体制”のなかで、基本的には全戦ライブでカバーしていきたい。ただ、詳細に関しては2014年の9月まで時間があるのでそれまで戦略を練って、放送体制に関しては直前に発表していきたい。また、SNSとの連携をどうするかは、Formula Eホールディングスでも詰め切れていないので、それを詰めていくプロセスにはテレビ朝日も参加して決めていきたい」と説明。地上波、BS、CSの3種類のどの放送波になるかまだ明確ではないものの、基本的に全戦生中継されると明言している。

早河社長と佐藤選手によるアンベールが行われた
発表会終了後には2人によるフォトセッションを実施
Formula Eのレーシングカーとなる「SRE-01E」

(笠原一輝)