CES2014
ルーカス・ディ・グラッシのドライブで、Formula Eがラスベガスを走行
走行動画を掲載。クアルコムの無線技術を用いてライブストリーミングも視野に
(2014/1/8 13:18)
Formula E Holdingsは1月6日(現地時間)、米国ネバダ州ラスベガスで開催している世界最大級の家電関連見本市「2014 International CES」の会場において、デビューイベントを行った。
Formula Eは、電動フォーミュラカーを利用して2014年9月から世界10都市、10チーム20台で開催されるレースシリーズ。すでに2013年9月にドイツ・ベルリンで開催された家電見本市「IFA」や、同11月に東京で開催された「東京モーターショー」でも披露されているが、今回が「初の公式」デビューイベントになるという。
イベントには、Formula Eシリーズでテクニカルパートナーとなっている半導体会社クアルコムのPaul E. Jacobs CEOが挨拶を行った。Jacobs氏は「スマートフォンの次はクルマが究極のモバイルになる」とコメント。
クアルコムは、スマートフォンのチップセットで圧倒的なシェアを誇る一方で、電気自動車向けワイヤレス給電システム「Halo」の開発をしている。Haloは専用の充電パッドの上にクルマを停車させると、ワイヤレスで充電ができるもので、すでにロンドンなどで実証実験を行っている。Formula EでHaloを採用したいとし、さらに将来的にはサーキット上に充電パッドを埋め込み、その上をレースカーが走り、充電しながらレースを行いたいようだ。
そのほか、クアルコムの無線技術を用い、テレメトリーデータのやりとり、レースのライブストリーミング、ソーシャルとの連携なども視野に入れているという。
デビューイベントで、Formula E HoldingsのCEOであるAlejandro Agag氏は「さまざまな困難があったが、ようやく夢が現実のものになった」と9月の開幕に向けて喜びをあらわにした。
Formula Eマシンは、ダラーラがシャシー開発を担当し、マクラーレン製のモーター、ウィリアムズ製のバッテリーが搭載されるなど「F1チームの技術協力があって、マシンは完成した」(Alejandro Agag氏)という。
記者会見の前日となる5日には、元F1ドライバーで開発ドライバーのルーカス・ディ・グラッシ氏による運転で、ラスベガスの街をデモ走行し、その映像も公開された。また、記者会見後には会場の駐車場でもデモ走行を実施。低速での走行で、スピンターンなども見せたが、まるで大きなラジオコントロールカーが走っているような音がした。
Formula Eシリーズには日本からも鈴木亜久里氏が率いるSUPER AGURIも参戦予定。他にインディのアンドレッティレーシングや俳優のレオナルド・ディカプリオも参戦する。日本でのレース開催は行われないが、テレビ朝日系で放映が予定されている。