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尾道自動車道の吉舎IC~三次東JCT・IC間が3月30日開通
松江市~尾道市間の移動時間が15分短縮
(2014/4/2 00:00)
広島県の東側を南北に走る尾道自動車道の未開通区間の一部が3月30日15時に開通した。開通区間は広島県三次市四拾貫町の三次東(みよしひがし)JCT(ジャンクション)・IC(インターチェンジ)から、同吉舎町にある吉舎(きさ)ICの10.3km。この開通に先立って開通式典が開催された。
吉舎ICからほど近い三次市立吉舎中学校の体育館が会場となり、広島県知事 湯崎秀彦氏をはじめ、三次市長 増田和俊氏や地元選出の国会議員、商工会議所の会頭などから祝辞が述べられた。
開通式典の終了後は、吉舎IC内に設けられた特設会場でテープカットとくす玉の開披、吉舎中学校 吹奏楽部による演奏、地元のトラック協会や消防団による開通記念パレードなどの祝賀行事が行われた。IC内での式典は国土交通省職員が記念ゲートを通過する車両を見送り、三次東ICまでパレード走行を行って終了した。
山陰・山陽間の移動時間短縮を担う流通道路
中国自動車道の三次東JCTを挟み、北に向かう松江自動車道はすでに全線開通して山陰自動車道まで通行が可能となっているが、今回の開通区間は反対の南側。山陽自動車道の尾道JCT方面に伸びていく路線だ。現状、県南部では尾道JCTから世羅ICまでが通行可能となっており、この日開通した吉舎ICから世羅ICまでの20.4kmは2014年度中の開通予定となっている。
この尾道道の全区間が結ばれると、日本海側の島根県松江市から瀬戸内海側の広島県尾道市までの所要時間が大幅に短縮される。この一連の整備による効果として、尾道道沿線に工業・産業団地の分譲が進んで新たな雇用が創出されており、現在でも企業の誘致が決定しているという。また、広島空港へのアクセスが向上することにより、三次エリアの電子機器工場に運搬される精密部品の輸送時間短縮も実現される。
このほか、一般ユーザーにとっても山陰・山陽間の移動時間の大幅短縮が期待できることは大きな魅力だろう。2013年に全線開通している松江道の影響で、三次エリアの観光農園や近隣ワイナリーでは団体観光客の来園が増加しているとのこと。さらに尾道市を中心として周辺地域の観光アピールにも積極的に取り組んでいる様子が伺えた。松江~尾道から福山市間を繋ぐ高速バス路線も新設され、南北の移動をはじめ、四国・関西圏からの観光客が行き交う経路としてさらなる盛り上がりが期待されている。