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横浜ゴムが「ニコニコ超会議3」に出展し、「グッドスマイル初音ミクZ4」を展示
インパクトレンチを使ったタイヤ交換体験などを実施。4月27日まで開催
(2014/4/26 21:20)
- 2014年4月26日~27日開催
横浜ゴムは4月26日~27日に幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開催中の「ニコニコ超会議3」(当日一般入場券2000円)に、タイヤメーカーとしては初めて出展した。ニコニコ超会議は、動画配信サービス「ニコニコ動画」に関連することをテーマとしたイベントとして2012年に初開催され、2014年で3回目を迎えた人気のイベントだ。ニコニコ動画は10代~20代の若年層のユーザーに支持されており、来場者もそうした若年層のユーザーが中心になっている。そうしたこともあり、若いユーザーにアピールしたい企業からも注目を集めており、さまざまな企業や団体が自社ブースを構えて展示を行っている。
横浜ゴムは、日本で最も人気のある自動車レース「SUPER GT」において「グッドスマイル初音ミクZ4」にタイヤを供給しているが、そのグッドスマイル初音ミクZ4に描かれている「初音ミク」は、ニコニコ動画で圧倒的な支持を集めるボーカロイド(メロディーと歌詞を入力することで歌を歌うソフトウェアやそのキャラクターのこと)であることがつながりとなって、今回の出展を決めたのだ。このため、同社ブースにはグッドスマイル初音ミクZ4のほか、グッドスマイルレーシングのレースクイーンやメカニックなども駆けつけてイベントを盛り上げた。
ニコニコ超会議3には安倍総理も登場
ニコニコ超会議3は、4月26日~27日の2日間にわたり幕張メッセで開催されている。幕張メッセに行ったことがある人ならよく知っているように、ホールが1~8までの8つあるが、このニコニコ超会議3は、すべてを使って行われる大規模なイベントになっている。
ニコニコ動画は、Googleが運営するYouTubeなどと同じように、インターネットを利用してストリーミング配信する動画配信サービスだが、日本の企業が運営していることもあり、日本のユーザーの使い勝手にかなり配慮したものとなっている。例えば、視聴中のユーザーが動画にコメントを入れられる機能などはほかの動画配信にはないサービスとしてユーザーから支持されている。ニコニコ動画の生配信システムを利用してライブで動画を積極的に配信するユーザーは“生主”や“生放送主”と呼ばれて多数の視聴者を集めるなど、若者の文化の1つとして定着した感がある。
ニコニコ超会議は、そうしたニコニコ動画に関連したさまざまな出し物が企画されている。近年ニコニコ動画は、選挙時に党首討論や候補者討論などに力を入れたコンテンツを作っていることもあり、自民党、民主党、公明党といった主要政党がブースを出しており、自民党に至っては、党首であり現役総理大臣である安倍晋三首相がステージに登場するなどの力の入れようで、各党とも若者の支持を獲得するための手段と考えていることがうかがえる。同じことは企業にも言え、ホール1~3には各企業のブースが用意されており、企業はニコニコ動画の主要ユーザー層である若年層に対するアピールに余念がない。
横浜ゴムの出展ももちろん若者へのアピールといった流れで考えることができるが、それだけとも言えない面もある。というのも、近年のSUPER GTにはいわゆる“痛車(イタシャ)”と呼ばれる、スポンサーとして人気の萌えキャラクターを展開する企業が付き、車体にそのキャラクターが描かれている例が少なくない。その先鞭をつけたのjは、グッドスマイルレーシングが走らせる4号車 グッドスマイル初音ミクZ4だ。2011年のGT300クラスのチャンピオンでもあり、2014年の開幕戦の勝者でもある同チームは、今やSUPER GTシリーズ、とくにGT300クラスでは中心チームになっている感がある。
グッドスマイル初音ミクZ4号
横浜ゴムのブースでは、若いユーザーに対してアピールするよう工夫されていた。通常、タイヤメーカーが展示会に出展するとなると、“環境”や“性能”などタイヤを実際に購入しようとするユーザーに訴えるキーワードが目立つよう展示される。今回はそのターゲットが若年層ということもあり、もう少し柔らかい表現が目についた。
例えばスポーツラジアルタイヤである「ネオバ」の紹介では「萌車だって痛車だって、かっこういいスポーツカーだって、華麗に走りたい! そんな勇者たちにお勧めのタイヤ。おまいらのハートを挑発するタイヤだぜ…(`*w*´)キリッ」っと書かれており、ニコニコ動画などで一般的に使われる言葉での紹介文が書かれていた。筆者もさまざまなイベントでタイヤメーカーなどのブースを訪れているが、ここまでくだけた文章で書かれていた紹介文は初めてだ。
しかし、“郷には入れば郷に従え”の諺を出すまでもなく、アピールする相手がニコニコ動画などに慣れ親しんでいる若いユーザーである以上、こうした工夫を加えるのはむしろ当然だろう。横浜ゴムの関係者によれば、こうした表現は横浜ゴムの若い社員が考えたそうで、印刷されたパネルの上に、「ネオバだってニュータイプだろうに」(アニメ「機動戦士ガンダム」の主人公の有名なセリフをもじったもの)という手書きのポップが追加されるなど、手作り感を大事にしているニコニコ超会議の流儀に従ったものになっていた。実際来場していたユーザーも、普段の自動車関連の展示会とは異なり、かなり若い人が多かったのが印象的だった。
来場者を対象にしたイベントとしては、小型のタイヤをタイヤ(横浜ゴムのハイエンドシリーズとなるネオバ)に入れると、グッドスマイル初音ミクZ4のポスターが貰えるゲーム、グッドスマイル初音ミクZ4の実車(昨年まで実際に利用されていたZ4号、2011年のチャンピオンカーそのものだ)を利用したタイヤ交換を体験できるタイヤ交換体験会、グッドスマイル初音ミクZ4を応援するグッドスマイルレーシングのレースクイーンによる撮影会なども開催されていた。
特にタイヤ交換体験会は、実際にグッドスマイル初音ミクZ4号を現場でオペレーションしているRSファインのメカニックが登場し、実演してから、来場者がホンモノのインパクトレンチとタイヤ・ホイールを利用してSUPER GTのタイヤ交換を体験。貴重な経験とあって人気を集めていた。
ニコニコ超会議3は、4月27日も引き続き開催される。横浜ゴムでは同様のプログラムを4月27日も行う予定だという。もしニコニコ超会議3に行く機会があれば、ぜひともホール2にある同社ブースを訪れて、SUPER GTのタイヤ交換体験などにチャレンジしてみるのもありだろう。