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ロールス・ロイス、創業110周年を祝した公開イベント「アイコン・ツアー」開催

3モデルの車両展示や職人の技術を披露して培ってきたブランド力を披露

「ゴースト Vスペシフィケーション」
2014年5月16日開催

 ロールス・ロイス・モーター・カーズは5月16日、都内で同社のブランドについて紹介するイベント「アイコン・ツアー」を開催した。日本のロールス・ロイスとしては初めてとなる公開イベントで、ブランドデザインや「ビスポーク工房」のクラフトマンシップなどについて解説した。

 今回のイベントは、ロールス・ロイスの創業110周年を祝したもの。日本では以前は輸入元となっていたコーンズ・モータースとのパートナーシップ50周年でもある。

 会場には限定仕様車「ゴースト Vスペシフィケーション」をはじめ、ファントム、レイスといったモデルラインアップや基本骨格であるアルミフレームなどを展示。さらに「ビスポークラウンジ」としてイギリスからペインティング、インテリア・レザー担当の2名の職人が来日。ペイントや刺繍の技を紹介するとともに、「ピクニックセット」をはじめとするロールス・ロイスの職人たちが手がけたアクセサリーが展示された。

 公開セッションに先駆けて報道向けに行われた内覧会では、ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋担当ゼネラル・マネージャーのダン・バルマー氏があいさつに立ち、「ロールス・ロイスの名前というのは、クラフトマンシップ、スタイル、洗練性において最高級であることを象徴的に表している。“最高級車のメーカー”としてのステータスを持ち続けるため、手作業によるクラフトマンシップ、卓越した品質、エンジニアリングの洗練度を追求していかなければならないと考えている」とブランドの特徴を説明した。

 バルマー氏はまた、日本におけるロールス・ロイスのビジネスが好調であることをアピール。「2003年に再スタートを切って以降、最高水準の売上を達成することができた。2014年以降も健全かつ持続的な成長を遂げていきたいと考えている」と述べ、今回のイベントについても「アイコンツアーは新しい投資の一部」と説明した。

ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋担当ゼネラル・マネージャーのダン・バルマー氏
ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋 北部地域 広報マネージャーのローズマリー・ミッチェル氏

3台のロールス・ロイスを展示

 会場には「ファントム」「ゴースト」「レイス」というロールス・ロイスが現在ラインアップしている3台が展示された。

 なかでもゴーストの展示車両は限定モデル「ゴースト Vスペシフィケーション」で、V型12気筒 6.6リッターエンジンの最高出力を31PS高めたもの。5色の限定色やVスペシフィケーションのモチーフのコーチライン、21インチホイールなどが特徴となっている。

 また、2ドアクーペのレイスは、ドアヒンジが車両後方側にあることが特徴。インテリアには「ビスポークオプション」となる「スターライト・ヘッドライナー」を選択可能。会場に置かれた展示車にも装備されており、1340本の光ファイバーを職人が手作業でルーフライナーに編み込み、車内で“星のきらめく夜空”を演出する。

 フラグシップモデルのファントム シリーズIIはアルミフレームでボディーを構成。会場にはアルミフレームのシャシーも展示された。

「ゴースト Vスペシフィケーション」
“V12エンジンを示している”というVスペシフィケーションのコーチライン
21インチサイズのタイヤ&ホイール
ロールス・ロイス車の特徴でもあるコーチドアを備える
レザーやウッドのインテリアは職人の手によって作られている
2ドアクーペのレイス
リアビューはクーペらしい流麗なデザイン
後方ヒンジドアの2ドアがレイスの特徴
ドアは厚みがあり、レザーやクロームパーツがふんだんに使われている
1340本の光ファイバーを職人が手作業でルーフライナーに編み込んだ「スターライト・ヘッドライナー」の展示用見本
クリア層の厚みや平滑性もほかの量産車にはない仕上がりのペイント
ファントム シリーズII
フラグシップモデルらしくフロントグリルも威厳あふれるものとなっており、ボンネットマスコットの「スピリット・オブ・エクスタシー」ももちろん装着される
21インチのホイールとタイヤ。超扁平タイヤというわけでもないので、直径が非常に大きい
観音開きでコーチドアが開く
インテリアはメタル、ウッド、レザーのどれもが高い技術で仕上げられていると分かる
中央にアームレストを備え、2人掛けとなるリアシート
アルミフレームのボディーシェルも展示された
ゴーストに搭載される6.6リッター V型12気筒エンジン。Vスペシフィケーションでは最高出力が570PSから601PSに高められる

3名のスタッフがイギリスから来日して熟練の技を披露

左からロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋担当ゼネラル・マネージャーのダン・バルマー氏、ペインティング担当職人のマーク・コート氏、インテリア・レザー装飾担当職人のハナ・クリア氏、ビスポーク製造および品質管理担当ゼネラルマネージャーのウルス・メーナー氏

 このイベントに合わせ、イギリス・グッドウッドから3名が来日し、会場内の“ビスポークラウンジ”と称したコーナーで、特注サービスとなる「ビスポーク」の解説や、熟練の技を披露した。「ビスポーク」の製造および品質管理担当ゼネラルマネージャーのウルス・メーナー氏がビスポークオプションについての詳細を説明。車両の内外装だけでなく、「ピクニックセット」をはじめとするアクセサリー類までロールス・ロイスの職人が手がけていることを紹介した。

 ペインティング担当職人のマーク・コート氏は、2000台以上のロールス・ロイスのコーチラインをペイントしてきたベテラン職人。会場では筆を使ってパーツにペイントする実演を行った。また、ゴーストとレイスのインテリア・レザー装飾担当職人のハナ・クリア氏は、ビスポークでのレザーの刺繍などを紹介した。

“ビスポークラウンジ”に展示された、ロールス・ロイスの職人が手がけたアクセサリー類
有名なオプションである「ピクニックセット」も展示
ビスポークの製造および品質管理担当ゼネラルマネージャーのウルス・メーナー氏から、インテリアのビスポークオプションやアクセサリーが熟練した職人によって仕上げられていることが説明された
ペインティング担当職人のマーク・コート氏はコーチラインを数多く描いてきた職人。ペイントの実演を行った
インテリア・レザー装飾担当職人のハナ・クリア氏はロールス・ロイス車に使われるレザーや刺繍について説明。ビスポークオプションの刺繍による装飾について説明した

日本のあとは香港、韓国でも「アイコン・ツアー」を開催

 開催された「アイコン・ツアー」は、その名のとおり巡回展示。最初はシンガポールで4月に開催されており、2番目が今回の東京での展示となっている。その後の予定として、香港と韓国・ソウルでも開催する予定とのこと。

公開セッションでは、ステージでパフォーマンスも披露される
アイコン・ツアーの会場は東京・六本木のザ クラシカ東京
会場に隣接する麻布迎賓館にもロールス・ロイス ゴーストを展示した

(正田拓也)