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クラリオン、Googleの音声認識エンジンを利用可能なエントリーナビ「NX514」
「人気のラーメン屋」などで目的地を検索可能
(2014/6/26 00:00)
クラリオンは6月25日、都内においてプレス向けの新商品説明会を実施した。今回発表されたのはカーナビ「NX514」のほか、路線バスやトラック向けのカメラシステムなど。
2014年モデルとして発表されたNX514はGoogleの音声認識技術を活用し、あいまいな情報で検索ができる自然対話型音声認識「Intelligent VOICE(インテリジェントボイス)」に対応、快適、安全、便利なドライブの実現を目指したもの。同社では5月に「NX714」「NX714W」「NX614」「NX614W」「NX404」の計5機種を2014年モデルとして発表しており、今回のモデルはNX714、NX614のエッセンスを受け継いたベーシックモデルという位置づけになる。ただ、地図データはゼンリンではなく昭文社の道路地図帳「スーパーマップル」をベースに2014年春版地図データを収録し、ナビエンジンとしてマップルナビ5を搭載している。
ディスプレイは6.2型で、NX404の上位機種という見方もできる。地図もSDカードではなくマイクロSDカードとなり、容量もNX404と同じ8GBだ。ただし、地デジチューナーはフルセグではなくワンセグのみ対応と、若干スペックダウンとなる面も。その一方で、NX714、NX614に搭載されているIntelligent VOICEと、クラリオン独自のクラウド情報ネットワークサービス「Smart Access」に対応している。
説明会の冒頭、取締役社長兼COO 川本英氏は今後「車両情報システムプロバイダー」を目指すと語り、「2020年はターゲットの年になる。オリンピックの開催もあり、各自動車メーカーや政府がいろいろな形で交通社会を再整備され、一部では自動運転もスタートする。そういった中でつながる領域の市場拡大、そして安心、安全にユーザーにいろいろな情報を提供できる仕組みの構築、このふたつを中心に今後も成長を続けていく」と述べた。
次いで登壇した常務取締役 マーケティング&セールス本部長 欧州地域担当 大町秀雄氏は同社の現状について「市販の市場規模は2013年度で195万台、その中で約15万台を販売しており約8%のシェアを獲得。ディーラーオプション(DOP)も市場規模は同じく195万台ながら、販売台数は24万台と12%のシェアを獲得している。DOPはさらに増えていくと予想される」と分析、注力していくと述べた。
マーケティング&セールス本部 アフターマーケット・CV 担当本部長 松岡義久氏は、同社市販ナビの特長はワイド2DINモデルのラインアップ、それに安心安全の2本が柱だと説明。特に後者についてはナビを見たり触ったりしなくても操作できるようにするのが中期的な安全安心の目標であり、その一環として今年は「ずっとナビを見なくでもカンタンに検索できることを究極まで追い求めよう」というのを基本コンセプトとしていると語った。
具体的には「従来は住所検索時など東京都、千代田区、三番町のようにずっとナビとにらめっこしていなければ入力できなかった。そこで“さ”のひと文字を入れただけでも候補を表示するようにしたり、都道府県名や都市名を入れずに“台場”だけで検索できるようにするなど、お客様を煩わせずに安全、安心に集中できるように検索の総合力を上げた」と述べた。さらにGoogleと提携して音声検索を実現しているが、新たに意図理解のロジックをサーバーに導入。ユーザーが何を考えているかをサーバー側で理解、先回りして次の質問を投げかけることで、手と目を使わなくても目的地設定が可能になった。
こうした取り組みについて「サーバー型クラウドの強みは車載器をイジらなくても、サーバー側が進化すればどんどん機能がアップすること。今年の秋から来年にかけてどんどんパワーアップしていく。車載器そのものを買い換えなくてもサーバー側が進化することで、どんどん機能が進化していくのがクラウドの強み。今後、1年から1年半の目標は画面を見なくても何とか操作ができるようにすること。お客様の安全安心を確保しようという構想のもと、いろいろなパワーアップを計画している」と語った。