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クラリオン、Googleの音声認識エンジンを利用可能なエントリーナビ「NX514」

「人気のラーメン屋」などで目的地を検索可能

2DIN一体型のNX514。ディスプレイが6.2型となるためワイド2DINモデルのようなロータリーボリュームが備わる
2014年6月25日発表

 クラリオンは6月25日、都内においてプレス向けの新商品説明会を実施した。今回発表されたのはカーナビ「NX514」のほか、路線バスやトラック向けのカメラシステムなど。

 2014年モデルとして発表されたNX514はGoogleの音声認識技術を活用し、あいまいな情報で検索ができる自然対話型音声認識「Intelligent VOICE(インテリジェントボイス)」に対応、快適、安全、便利なドライブの実現を目指したもの。同社では5月に「NX714」「NX714W」「NX614」「NX614W」「NX404」の計5機種を2014年モデルとして発表しており、今回のモデルはNX714、NX614のエッセンスを受け継いたベーシックモデルという位置づけになる。ただ、地図データはゼンリンではなく昭文社の道路地図帳「スーパーマップル」をベースに2014年春版地図データを収録し、ナビエンジンとしてマップルナビ5を搭載している。

 ディスプレイは6.2型で、NX404の上位機種という見方もできる。地図もSDカードではなくマイクロSDカードとなり、容量もNX404と同じ8GBだ。ただし、地デジチューナーはフルセグではなくワンセグのみ対応と、若干スペックダウンとなる面も。その一方で、NX714、NX614に搭載されているIntelligent VOICEと、クラリオン独自のクラウド情報ネットワークサービス「Smart Access」に対応している。

Intelligent VOICEのデータはBluetoothを利用してスマートフォンなどと接続。Android、iPhoneと有線接続することでSmart Accessアプリも利用可能で、カラオケやオーディオブック再生アプリが新たに登場している
6月28日開通の圏央道を使ったルート探索もできた。ただし、料金などのデータは未収録という
Intelligent VOICEによる音声検索は実用的で便利といえるレベルに
地図データは左隅下に。メディアはマイクロSDカード

 説明会の冒頭、取締役社長兼COO 川本英氏は今後「車両情報システムプロバイダー」を目指すと語り、「2020年はターゲットの年になる。オリンピックの開催もあり、各自動車メーカーや政府がいろいろな形で交通社会を再整備され、一部では自動運転もスタートする。そういった中でつながる領域の市場拡大、そして安心、安全にユーザーにいろいろな情報を提供できる仕組みの構築、このふたつを中心に今後も成長を続けていく」と述べた。

取締役社長兼COO 川本英氏。画像認識技術や繋がる仕組みを利用してクルマの安全と優しさ、愉しさを実現したいと語った
2020年を見据えて2つの領域を中心に成長を目指す
SmartAccessを使うことで上がっている膨大な情報の中から、本当に必要な情報だけをお客様に提供できる
北米や欧州においては死亡事故、巻き込み事故等が多発していることから法令でカメラを使って安全を確保することが決まっており、カメラで見るだけではなくセンシングを行うことで、より高度な安心安全なシステムを展開していく
数々のソリューションを繋ぐことによってクルマの安全と愉しさを実現

 次いで登壇した常務取締役 マーケティング&セールス本部長 欧州地域担当 大町秀雄氏は同社の現状について「市販の市場規模は2013年度で195万台、その中で約15万台を販売しており約8%のシェアを獲得。ディーラーオプション(DOP)も市場規模は同じく195万台ながら、販売台数は24万台と12%のシェアを獲得している。DOPはさらに増えていくと予想される」と分析、注力していくと述べた。

成長分野の強化を目指した組織体制の改革や市場動向を語った常務取締役 マーケティング&セールス本部長 欧州地域担当 大町秀雄氏
新組織体制
トラックの販売台数と路線・観光バスの保有台数
CV(Commercial Vehicle)事業の売上比率。観光バスのシェアはなんと99%を占める
市販、DOPナビのシェアは合計で約10%

 マーケティング&セールス本部 アフターマーケット・CV 担当本部長 松岡義久氏は、同社市販ナビの特長はワイド2DINモデルのラインアップ、それに安心安全の2本が柱だと説明。特に後者についてはナビを見たり触ったりしなくても操作できるようにするのが中期的な安全安心の目標であり、その一環として今年は「ずっとナビを見なくでもカンタンに検索できることを究極まで追い求めよう」というのを基本コンセプトとしていると語った。

 具体的には「従来は住所検索時など東京都、千代田区、三番町のようにずっとナビとにらめっこしていなければ入力できなかった。そこで“さ”のひと文字を入れただけでも候補を表示するようにしたり、都道府県名や都市名を入れずに“台場”だけで検索できるようにするなど、お客様を煩わせずに安全、安心に集中できるように検索の総合力を上げた」と述べた。さらにGoogleと提携して音声検索を実現しているが、新たに意図理解のロジックをサーバーに導入。ユーザーが何を考えているかをサーバー側で理解、先回りして次の質問を投げかけることで、手と目を使わなくても目的地設定が可能になった。

 こうした取り組みについて「サーバー型クラウドの強みは車載器をイジらなくても、サーバー側が進化すればどんどん機能がアップすること。今年の秋から来年にかけてどんどんパワーアップしていく。車載器そのものを買い換えなくてもサーバー側が進化することで、どんどん機能が進化していくのがクラウドの強み。今後、1年から1年半の目標は画面を見なくても何とか操作ができるようにすること。お客様の安全安心を確保しようという構想のもと、いろいろなパワーアップを計画している」と語った。

マーケティング&セールス本部 アフターマーケット・CV 担当本部長 松岡義久氏
CV事業向けにはAndroidを核として多彩な外部インターフェイスを追加できるシステムを展開
CV向けの安全対策としてカメラの展開を強化
バス事業向けもAndroidを核に
市販ナビはワイド2DIN向けのラインアップを強化
2014年モデルは総合検索力重視が基本コンセプト
名称一文字でも候補から検索できたり町名からでも住所検索できたりと素早く簡単に検索可能
音声認識には新たに意図理解のロジックを追加
自然対話による目的地検索の例
音声認識はサーバー型のためナビを買い換えなくても機能が進化
iPhone、Android向けアプリも新規追加が行われている
CV向けAndroid端末
CV向けアラウンドビューモニターといえる“サラウンドアイ”
最大4カメラを使って映像表示ができる

(安田 剛)