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クラリオン、「VICS WIDE(ビックス ワイド)」対応の5機種を含む2015年モデル発表会

UWVGA(1024×480ピクセル)ディスプレイの“スーパーワイドナビ”登場

フラグシップモデルとなる「MAX775W」をアピールするクラリオン 取締役社長兼COO 川本英利氏
2015年4月23日開催

2015年5月中旬から順次発売

オープンプライス

 クラリオンは4月23日、カーナビゲーション、カーオーディオの新製品発表会を都内で開催した。新製品となる2015年モデルはカーナビゲーションが7機種、カーオーディオが2機種の計9モデル。

 価格はすべてオープンプライス。店頭予想価格は「MAX775W」が12万8000円、「MAX675W」「NX715」が10万8000円、「NX615」「NX615W」が9万9800円、「NX505」「NX515」が6万9800円、「CZ215」が1万5000円、「CX315」が2万円。

モデル型名店頭予想価格発売日
Smart Accessリンク スーパーワイド7.7型 UWVGA 地上デジタルTV /DVD/SD 200mm AVナビゲーションMAX775W12万8000円(税別)6月上旬
Smart Accessリンク スーパーワイド7.7型 UWVGA 地上デジタルTV /DVD/SD 200mm AVナビゲーションMAX675W10万8000円(税別)6月上旬
Smart Accessリンク ワイド7型 VGA 地上デジタルTV /DVD/SD AVナビゲーションNX71510万8000円(税別)6月下旬
Smart Accessリンク ワイド7型 VGA 地上デジタルTV /DVD/SD AVナビゲーションNX6159万9800円(税別)6月下旬
Smart Accessリンク ワイド7型 VGA 地上デジタルTV /DVD/SD 200mm AVナビゲーションNX615W9万9800円(税別)6月下旬
モデル型名店頭予想価格発売日
ワイド7型 VGA地上デジタルTV/DVD AVライトナビゲーションNX5056万9800円(税別)6月下旬
Smart Accessリンク ワイド6.2型 VGA ワンセグ/DVD/SD AVライトナビゲーションNX5156万9800円(税別)6月下旬
モデル型名店頭予想価格発売日
USBスロット搭載 CD/MP3/WMAレシーバーCZ2151万5000円(税別)5月中旬
2DIN Bluetooth CD/USB/MP3/WMAレシーバーCX3152万円(税別)7月上旬

「MAX775W」「MAX675W」は幅200mmのワイド2DINに対応したモデルで、7.7型のUWVGA(1024×480ピクセル)ディスプレイを搭載する。同パネルのアスペクト比は20:9で、シネマサイズの映画などを黒帯なしのフル画面で再生することが可能。表示サイズは8型のWVGA(800×480ピクセル)ディスプレイよりわずかに大きくなる。もちろん、地図表示でも左右をワイドに見ることができるなど、ワイド化によるメリットは大きい。一般的なワイド2DINモデルがハードキーの追加などにスペースを使っているのに対し、画面サイズの大型化は新しいアプローチで魅力的と言える。

「NX715」「NX615」は2DINサイズに対応したモデルで、ディスプレイは7型WVGAを搭載。「NX615W」はNX615のワイド2DIN版で、7型ディスプレイの左右にハードキーを追加したモデルとなる。

 この5モデルは地図にゼンリン製データ(16GB)を採用。クラリオン独自のクラウド情報ネットワークサービス「Smart Access」をはじめ、音声検索機能の「Intelligent VOICE(インテリジェント・ボイス)」、Bluetooth内蔵、この4月23日から提供される「VICS WIDE」対応、FM放送の周波数でAM放送を行う「ワイドFM」対応など、基本的な部分は共通。“7”系モデルはWi-Fiも内蔵する。

「NX505」「NX515」は、同社が“SDライトナビゲーション”と呼ぶベーシックモデル。昭文社製の地図データ(8GB)を採用。NX505は7型WVGA、NX515は6.2型WVGAディスプレイを搭載している。

 カーオーディオは、1DIN CDレシーバー「CZ215」と2DIN CDレシーバー「CX315」の2機種。CZ215は音質を重視したモデルで、7バンドパラメトリックイコライザーによる「車両タイプ別チューニング」や「Intelligent Tune(インテリジェント・チューン)」を搭載。CX315はBluetoothを搭載し、ポータブルオーディオデバイスなどを利用したストリーミング再生やハンズフリー通話に対応する。

800ピクセルを1024ピクセルに拡大した“スーパーワイドナビ”

クラリオン 取締役社長兼COO 川本英利氏

 発表会の冒頭、壇上に立ったクラリオン 取締役社長兼COO 川本英利氏は、新商品および今後の展開などに関するスピーチを行った。「ここ2~3年、自動車業界はコネクテッドカー、自動運転などすべてのクルマがいろいろな形で情報と繋がって、それによってより豊かで安全な自動車社会を作っていこうという方向に舵を切っています。そんななか、私たちは豊かな交通社会を少しでもサポートできるように、2年前から“Smart Access”というサーバーを使って、いろんな情報をより安全に運転される方、あるいはクルマをお使いになる方に提供して参りました」と前置き。

 新商品は「“Smart Access”を発展させ、1年ほど前から使っていただいております“Intelligent VOICE”、音によって声によって安全にいろいろな情報をみなさまに提供させていただくサービスもさらに充実しております」とした。また、今後についてはクラリオンが得意とする画像認識や画像処理の技術を活用し、自車の周囲を上から見た映像で再現する“SurroundEye”のアフターマーケット向け市販化、自動車メーカーと協力して自動駐車システムを製品化するなど、多くのプロジェクトが進行中であると語った。

2015年モデル。右下はCV(コマーシャルビークル)向け端末
Smart Accessによりドライバーに情報を提供
汎用のSurroundEyeを発売予定
自動車メーカーのライン装着向けの安全装備
自動駐車システムも開発中
クラリオン 常務取締役 セールス&マーケティング本部 本部長 大町秀雄氏

 次いで、クラリオン 常務取締役 セールス&マーケティング本部 本部長の大町秀雄氏が新商品の概要を説明。まず、国内の市場動向については2013年をピークとして右肩下がりの状況が続くと予想し、そのなかで事業を続けていくためには「クラリオンらしさのある商品を出すこと」が重要であるとの認識を示した。そこで2015年モデルは3つのシリーズで展開し、「さまざまなバリエーションでさまざまなお客様に選択していただけるようなラインアップとした」と解説。

 フラグシップとなる“スーパーワイドナビ”のMAX775WとMAX675Wは「200mmワイドをいかに有効に、最大限に活用するか」を追求し、7.7型ディスプレイを搭載。単に7型を横に広げたのではなく、800ピクセルを1024ピクセルに拡大することで、今まで表示できなかった部分を表示できるようにした」と紹介。これに合わせて「新たな地図を用意した」という。

 ボリュームゾーンとなるNXシリーズは「スピーディな3D地図スクロール」「地図の無料更新」「音声による操作」「最上位モデルにはWi-Fi機能を搭載してスマホと連携」などを搭載。180mm、200mmシリーズとも視認性に優れたフラットな形状にしているとした。

日本国内の市場動向
2015年モデルは3つのシリーズで展開
フラグシップの愛称は、ワイドなシネマ画面を採用した“スーパーワイドナビ”
ワイド2DINの200mm幅を最大限に活用
“黒帯”なくシネマ画面が楽しめる
横の解像度は従来の800ピクセルから1024ピクセルに拡大
地図をより広く表示
ボリュームゾーンにはNXシリーズを投入
フラットなデザインを採用

 機能面では、2013年度からサービスを提供しているIntelligent VOICEに触れ、「目的地の検索、メールの作成&送信、電話の発信などが音声で操作可能」で、「上位モデルは3年間無料のサービスを提供する」ことをアピール。スマホでアプリをダウンロードすることで車種別の本格的なチューニングが楽しめる「Intelligent Tune App」については「今まではプロショップでやっていたものがスマホでカンタンにできる」ようになり、「音にコダワるクラリオンの、ある意味で1つの集大成」であり、「車室内を感動の空間に変えることが可能」であるとした。また、「VICS WIDE」と「ワイドFM」といった新しいサービスにいち早く対応したこともあわせて紹介した。

 ベーシックモデルとなるSDライトナビゲーションシリーズは、“快適ナビNX505”と“軽快ナビNX515”の2モデル。コストパフォーマンスと機能性を両立したカーナビで、前者は「マップルナビ6」「Siri Eyes Free」などを採用するほか、メニュー画面とボタン照明の連動などにより快適さをサポート。後者は「昭文社のマップルガイドを約30冊ぶん収録」「観光ガイドからスマホ連携まで使って楽しい機能満載のナビゲーション」であるとした。

 オーディオに関しては、CZ215には独自の音響テクノロジーを、CX315にはBluetoothを搭載。「ともにセンターにボリュームを配置し、使い勝手がよく見た目のいいインターフェイスを採用している」と説明した。

MAX&NXシリーズにはIntelligent VOICEを搭載
スマホアプリで音場をチューニングできる「Intelligent Tune App」を採用
「VICS WIDE」と「ワイドFM(FM補完放送)」にいち早く対応
ベーシックモデルはSDライトナビゲーション
NX505は“快適ナビ”
NX515は“軽快ナビ”
オーディオの新製品は2機種
CV向けの業務用Android端末
カーナビに加えてIP無線システムを搭載
パソコンで設定したルートを、USBメモリで端末にコピーして利用できる
安全運転解析サービスも用意

クラリオン 2015年モデル

MAX775W
ディスプレイパネルを開けたところ
MAX675W。MAX775Wとの違いはWi-Fiの有無、地図の無料更新期間(3年/1年)など
メニューボタンを押したときの表示。アイコンの並び替えやアプリの追加が可能
目的地/ルートメニュー
オーディオメニュー
メニュー画面下部中央のボタンで表示できるSmart Accessメニュー
地図表示。地図の色合いはスマホユーザーが違和感のないように調整したそうだ
地図表示メニュー
3D表示。市街地図レベルでは建物をリアルに表示する
2画面表示
地図とレストランなどのスポットを同時表示するピクチャービュー
羽田空港を検索してみた。濁点の有無でキチンと結果が変わる
“はねだ”だけだと候補が521件
絞り込みはジャンルごと。空港なので“交通機関”を選択
問題なく検索できた
スポットを選ぶとサブメニューが表示される
周辺駐車場を選べばこの通り。ゼンリンデータなので駐車場入口にキチンと案内してくれる
Intelligent VOICEの起動は本体右下の青い「<」ボタン
クラウド型なので解析に少し時間が掛かる
“レストラン”の検索結果
“1番目”などと発話すると詳細が表示される
そのまま電話を掛けることもできる
“VICS WIDE”の表示例。これは50mm以上の雨が降っている場所をグレーで表示している
文字情報も受信可能。このほか、一般道でのFM多重放送による渋滞回避やプローブ情報の受信なども可能
「Intelligent Tune App」も実車で試すことができた。まず“音響設定”のメニューを選択
ナビ側のアプリを起動するとこの画面が表示される
“OK”を押すとスマホ側での操作待ち状態になる
スマホと同期した状態
“開始”を押すと測定用のピンクノイズが出力される。測定したい場所にスマホのマイクを持っていきスタート。ノイズの出力時間は10秒ほどなので乗ったままでOK
測定結果の表示。取材時はすでにチューニングが済んでいたため、取材しながら測定した“補正後”の方がばらついた結果になってしまっている。実際は逆に補正後が“補正前”のようにフラットなカーブになる。効果はてきめんで、ノーマルでベールが掛かったような状態から一転してクリアなサウンドが楽しめるようになる
“補正後”の状態をベースに、イコライザーを利用して調節することも可能。グラフの点がある部分をドラッグすればレベルを変えることが可能だ
マイクによる差を考慮してマイク設定も可能
NX715。MAX775Wの2DINサイズ版といった位置づけ
Wi-Fiを使うことでスマホの表示内容をミラーリングできる
NX615。こちらはMAX675Wの2DINサイズ版
NX615W。NX615のワイド版
NX505
NX515。このモデルだけひとまわり小さい6.2型ディスプレイになる
2DINサイズのCDレシーバー、CX315
CX315はBluetoothを内蔵しているので、スマホと接続して音楽のストリーミング再生が可能
1DINサイズのCDレシーバー、CZ215
「セダン」「ミニバン」など、タイプ別にチューニングされた音場を簡単に選択できる“車両タイプ別チューニング”を搭載
7バンドグラフィックイコライザーも搭載。ボリュームとボタンを使って簡単に設定可能だ
“SurroundEye”は実物はなく、映像のみでの紹介。2016年度内を目指し、後付け可能な汎用品の開発が進められている
CV向けのAndroid端末。マイクとソフトバンク回線を使った通信モジュールが付く。Android端末ながら専用アプリしか動かず、バッテリーも非搭載
IP無線を備えており、カーナビに加えて別途無線機を積む必要がなくなる
パソコンと連携することで配車状況なども確認可能
こちらはIP無線機
ミニバンなどでの使用を想定したワイヤレスカメラも開発中。送信機やアンテナはもっと小型化する予定とのこと

(安田 剛)