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ヤマハ、34年ぶりの新型漁船「DY-48I-0A」
2025年4月9日 06:45
- 2025年4月8日 発表
ヤマハ発動機は4月8日、34年ぶりにフルモデルチェンジした新モデルの漁船「DY-48I-0A」を2025年7月に発売すると発表した。DY-48I-0Aは、ロングセラーモデル「DY-48G-0A」の後継モデルとして登場。北海道道北エリアを仕向け地として、主にタコ漁を中心とする漁船となる。価格は艇体のみで3498万円。
新モデルのDY-48I-0Aでは、"SMART FISHERMAN"をコンセプトに、近年注目される漁業経営の効率化・低コスト化・省労力化を目指す"スマート水産"の促進を目指した。
新設計の船型により、航走姿勢を最適化し、造波抵抗を抑えることで燃費性能を向上。また、航走時・静止時の安定性、凌波性、保針性、旋回性のすべてを高レベルで実現させたという。さらに、デッキ幅拡大による作業スペースの拡大と、デッキ上の凹凸を排除したフラッシュデッキハッチを一部採用し、作業性を向上。イケス用冷却設備の設置スペースを確保することで漁獲物の高付加価値化を図った。
デザインは、ブリッジ(操船室)や船体の新設計に伴い、ヤマハ漁船のアイコンである「波切りマーク」を新作。伝統を継承しつつ、よりモダンでスポーティーな印象に進化させた。これらにより、燃料経済性や漁労時の快適性・効率性などが向上し、スマート水産のための船体プラットフォームとして持続可能な漁業経営を支援する。
DY-48I-0Aの開発背景として、ヤマハ発動機では、1970年に国内初となる量産型FRP漁船「DW-40」を発売して以来、日本の津々浦々で営まれる漁業、その漁法や環境に合わせた漁船を開発し、沿岸漁業従事者のニーズに対応してきた。新たに発売するDY-48I-0Aも、こうした地域に密着した市場の声に耳を傾けながら開発。
これまで、主に宗谷岬を中心とする北海道道北エリアでのミズダコ漁向けの漁船としては、DY-48G-0Aがその高い凌波性や保針性、旋回性で評価を受け、絶大な人気を博していたといい、新開発したDY-48I-0Aでは、DY-48G-0Aで評価が高かった要素を維持しつつ、さらに燃費経済性、横安定性やデッキの作業性、漁獲物の鮮度維持力を高めたとしている。