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大阪・関西万博の「大屋根リング」を歩いてみた そこにあるのは「空」だった

2025年4月13日〜10月13日 開催
大阪・関西万博会場のシンボルとなる建築物「大屋根リング」を歩いてみた

 大阪の夢洲で2025年4月13日〜10月13日の184日間の日程で開催される、大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)が、4月13日開幕した。大阪・関西万博会場のシンボルとなる建築物「大屋根リング」は、「多様でありながら、ひとつ」という会場デザインの理念を表したものという。

 4月9日に公開された「メディアデー」において、2025年日本国際博覧会 会場デザインプロデューサーの藤本壮介氏が「大屋根リング」について解説するメディアツアーに参加することができた。藤本氏の解説とともに、大屋根リングを歩いてみた。

2025年日本国際博覧会 会場デザインプロデューサーの藤本壮介氏

 実際に「大屋根リング」に登ってまわりを見渡すと、「目の前の障害物がなくなって、そこにあるのは空だけ」という体験をすることができる。

大屋根リングの外側を高くすることで、丸く切り取られた空が登場する
写真ではなかなか伝わらないかと思われるが、「大屋根リング」に登ってまわりを見渡すと「目の前のものがなくなって、そこにあるのは空だけ」といった体験ができる

 これについて、藤本氏は「実はですね、最初にこの夢洲に他のプロデューサーの方々とみんなで来たとっきに、まだ平らな埋め立て地で、何も建っていない場所でした。空がものすごく大きく、ものすごく美しかったんですね。それを見た時に、どこにどんなパビリオン、どんな会場設営をしたとしても、この空には敵わない。であれば、空そのものを、今回の万博の象徴、シンボルにできないかなと考えました」と明かした。

 これには視覚的な仕組みがあり、藤本氏は「大屋根リングのエッジを立ち上げることによって、空が丸く切り取られているのが分かると思います。あたかも、もう1つの地球のように頭上に空が浮かび出て、この1つの空を来場した皆さまが共に見上げることによって、多様な文化、さまざまなバックグラウンドがあるけれども、1つの何かを共有しているんだという体験になるのではないか」と考えたという。

 そして、大阪・関西万博に対して、藤本氏は「未来の姿として、多様性がわれわれの努力によってつながることができる。この不安定な世界情勢の中でも、われわれは希望を持つことができるんだと、世界が共によりよい未来を作っていく、希望を持つことができるんだということをぜひ体感してもらいたい」との思いを話していた。

大屋根リングの内側と外側で傾斜がつけられている。写真の左から大屋根リングの内側、外側。
こちらは左が外側、右が内側。日本の神社仏閣などの建築に使用されてきた伝統的な貫(ぬき)接合に、現代の工法を加えて建築。会場の主動線として円滑な交通空間であると同時に、雨風、日差しなどを遮る快適な滞留空間として利用される
大屋根リングの芝生に入れるエリアも用意され、ゴロゴロと寝転がることもできるという
この日の取材は、フューチャーライフゾーンにある空飛ぶクルマの取材がメインであった
普段の運動不足がたたったか、往復の歩きがつらいので、会場内をルート走行するEVバス「e Mover」を利用して、フェスティバルステーションに用意されたプレスルームに向けて移動した
e Moverの利用料金は1回400円、1日1000円
EVバス「e Mover」を利用することで障害物のないエリアで大屋根リングの姿を見ることもできる
鉄道でアクセスできる「夢洲駅」から一番近い「東ゲート」付近に、ミャクミャクがお出迎え
会場のパーソナルモビリティとしてダイハツ工業が開発した電動カート「e-SNEAKER」の貸し出しサービスも用意される