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Googleが「Android Auto」を発表。搭載自動車は今年の末までに出荷予定

「Open Automotive Alliance」に日本メーカーを含む新メンバー29社が参加

公開された「Android Auto」ロゴ
2014年7月上旬発売

オープンプライス

 Googleは6月25日(現地時間、日本時間6月26日)に、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開発者向けの会議「Google I/O 2014」を開催。同社が提供するモバイル向けOSであるAndroidの最新情報などを公開した。

 このなかで、Google Androidエンジニアリング課長 パトリック・ブレディ氏は自動車向けのソリューションの説明を行い、同社とそのパートナーが1月に結成を明らかにしたAndroidを利用した車載システムを開発する業界団体「Open Automotive Alliance(OAA)」での成果の1つとして、「Android Auto(アンドロイドオート)」と呼ばれる機能を開発したことを明らかにした。

 また、同時にOAAに29のメーカー・ブランドの新メンバーが加わったことも明らかにされた。そのなかには自動車メーカーとして日産自動車(インフィニティブランドを含む)、マツダ、三菱自動車工業、スズキ、スバル(富士重工業)の5社が含まれていたほか、カーナビメーカーとしてアルパイン、富士通テン、パナソニック、パイオニアの4社、さらには半導体メーカーのルネサスといった日本の企業も含まれている。

 GoogleはAndroid Autoの今年後半の出荷を目指しており、ブレディ氏は「今年の終わりまでにAndroid Autoを搭載した自動車が出荷されるだろう」という見通しを明らかにした。

車載情報システムとUSBケーブルなどで接続して、センターコンソールから操作を可能にするAndroid Auto

Androidスマートフォンと車載情報システムをケーブルで接続

 今回、GoogleがGoogle I/Oで発表したAndroid Autoは、Googleが提供しているAndroid OSを採用したスマートフォンを車載情報システムに接続する仕組みだ。現在、そうした仕組みでは、業界団体で規定されている「MirrorLink」、Appleが自社のスマートフォンであるiPhone向けに提供すると発表している「CarPlay」があるが、Android Autoもそれらとほぼ同じ仕組みだとみられている。実際にデモでは、USBケーブルを利用して車載情報システムに接続して、スマートフォン内の情報を車載情報システム側のディスプレイに表示したり、タッチ操作したりするなど、MirrorLinkやCarPlayとほぼ同じ機能が紹介された。

 これまではAndroidのスマートフォンを車載情報システムと接続する仕組みとしてMirrorLinkが使われてきたが、Googleからほぼ同じ機能であるAndroid Autoが発表されたことで、今後はMirrorLinkからAndroid Autoに置き換えられていく可能性が高くなってきた。

車載情報システム側にAndroid Autoの緑色のアイコンが表示されている
画面にAndroidの画面が表示され、上部には「Android Auto connection is completed(Android Autoの接続が完了)」というメッセージが表示される。画面に表示されているのはAndroid 4.1以降でサポートされている「Google Now」と呼ばれるカード型の情報

 こうした仕組みの場合、スマートフォン側のアプリケーションでも自動車向けの対応が必要になるが、Googleはそうしたアプリケーションの開発者向けキット「Android Auto SDK」を公開することを明らかにした。ブレディ氏は「このSDKにはオーディオ向けアプリケーションを開発するための情報や、メッセージングアプリを音声で操作するAPIなどが用意されている」と述べ、同社のオーディオアプリケーション「Google Play Music」で音楽を再生する様子や、メールソフトを音声操作して着信したメールを読み上げさせ、そのメールに対して音声入力で返信する様子などを公開した。また、Googleの地図ソフトである「Google Maps」の機能も実装されており、それを利用してナビゲーション機能を使うシーンも紹介している。

Google Autoに対応したアプリケーションは車載情報システム側からタッチで操作できる
Google Mapsの機能も用意されている
カーナビ機能も利用できる

新たに29のメーカー・ブランドがOAAに加盟

 このほかにブレディ氏は、同社と自動車メーカーなどが設立した業界団体のOpen Automotive Allianceに、新しい企業が加わったことを明らかにした。Open Automotive Allianceは1月に設立された業界団体で、同社のほかに、NVIDIAのような半導体メーカー、本田技研工業など自動車メーカーなどが加盟して、自動車におけるAndroidの利用促進を目指している。

 今回発表されたのは、以下の29のメーカー・ブランドがOpen Automotive Allianceに加わったことだ。

OAA新規参加メーカー・ブランド
Alpine Bentley Clarion CloudCar Delphi FIAT Chrysler Ford Freescale FUJITSU TEN HARMAN Infiniti JVCKENWOOD LG Maserati Mazda Mitsubishi Nissan Panasonic Parrot Pioneer Renault Renesas SEAT Skoda Subaru Suzuki Symphony Teleca Volkswagen Volvo

29のメーカー・ブランドが新たにOpen Automotive Allianceに加盟

 注目されるのは多数の日本企業が含まれていることで、日産自動車(インフィニティブランドを含む)、マツダ、三菱自動車工業、スバル(富士重工業)、スズキという自動車メーカー5社が含まれるほか、カーナビメーカーとしてアルパイン、富士通テン、パナソニック、パイオニアの4社、半導体メーカーのルネサスが新たにメンバーとして加わったことになる。また、世界的な自動車メーカーのフォルクスワーゲンとフォードが加わったことも大きなニュースと言えるだろう。

 ブレディ氏は「すでにいくつかの企業とAndroid Autoの搭載に関する契約を済ませている。今年の末までには搭載した自動車が市場に出荷される予定だ」と述べ、今年の末までにはAndroid Autoを搭載した自動車が市場に出荷される見通しであることを明らかにした。

(笠原一輝)