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61号車 SUBARU BRZがポール・トゥ・ウィンで今季初優勝
2014 SUPER GT第5戦「FUJI GT 300km RACE」GT300クラス決勝リポート
(2014/8/14 18:35)
- 2014年8月10日決勝開催
8月10日、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で2014 AUTOBACS SUPER GT 第5戦「FUJI GT 300km RACE」の決勝レースが開催された。ポールポジションからスタートした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人)が悪天候をものともせず、1度もトップの座を譲ることなく優勝を飾った。
台風11号が西日本を通過し、決勝の行われた日曜日は朝からときおり豪雨に見舞われレース開催も危ぶまれたが、幸いスタート時点では雨は小康状態となり、セーフティーカー先導で定刻どおりにレースはスタートした。
2周のセーフティーカーランを終え、3周目からバトルが始まった。最初の1コーナーはポールポジションの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太)がトップをキープ。予選2位の31号車 OGT Panasonic PRIUS(嵯峨宏紀)がアウトから並びかけたが止まりきれずオーバーラン。すぐにコースに戻り2位をキープした。
61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTは序盤から快調に飛ばし、2位との差を6周目に11秒、8周目に19秒と広げ他車を圧倒する速さを見せた。この頃から雨足が強くなりあっと言う間に大粒の雨が叩きつけるように降りだした。10周目にセーフティーカーが導入され、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTは20秒近いマージンを失ってしまった。セーフティーカーランで天候の回復を待ったが豪雨がおさまることはなく16周目に赤旗が振られレースは中断した。
この時点の順位はトップが61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT、2位は3号車 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹)、3位は55号車 ARTA CR-Z GT(高木真一)、4位は31号車 OGT Panasonic PRIUS。5位は7号車 Studie BMW Z4(荒聖治)、6位は10号車 GAINER Rn-SPORTS SLS(山内英輝)となった。予選3位からスタートした0号車 MUGEN CR-Z GT(中山友貴)は5周目の13コーナーでコースアウトし18位に後退した。
約30分後、天候が回復したためセーフティーカー先導でレースは再開。2周のセーフティーカーランを終え19周目からバトルが再開された。61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTはリスタート後も後続を寄せ付けず20周目に4秒、25周目に16秒の差を付け独走状態に持ち込んだ。
SUPER GTは2人のドライバーで争われる。ドライバー交代が義務付けられ、1人のドライバーが走行できるのは決勝周回の2/3までとなっている。もう1人のドライバーには最低周回数は規定されていない。今回のレースは66周で争われるので1人のドライバーが走行できる最大周回数は44周となる。この44周はGT500クラスもGT300クラスも同じとなる。GT500クラスは66周を走りきることを想定し22周以降でドライバー交代が可能となる。一方GT300クラスは周回数が少なくなるので、仮に62周でチェッカーを受けるとすれば18周以降でドライバー交代が可能となる。
セーフティーカーラン中の18周目に21号車 Audi R8 LMS ultra(リチャード・ライアン)、リスタートした19周目に86号車 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3(細川慎弥)がピットイン、ドライバー交代を行った。
リスタート後にポジションを上げたのは11号車 GAINER DIXCEL SLS(ビヨン・ビルドハイム)。ドライバーズラインキング2位、ウェイトハンデ74kgを積み予選は19位に沈んだが、レース序盤から一気に順位を上げセーフティーカーが入るまでに10位まで浮上していた。
リスタートすると、19周目に9位、20周目に7位、そこから毎周1つずつポジションを上げ24周目に3位。26周目には2位まで浮上した。この時点でトップとの差は19秒。38周でルーティーンのピットインをするまで2位の座をキープしたが61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTとの差は40秒まで広がっていた。
ピットインを終えた11号車 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸)がコースに戻ると事実上の4位に後退した。61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTに次ぐ事実上の2位は19周目にピットインした86号車 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3(山西康司)、事実上の3位は32周目にピットインした4号車 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝)。どちらも早めのピットインでラップタイムを上げポジションを上げてきた。
特に86号車 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3は序盤で9位から16位まで後退し、リスタートと同時に早めのピットインを慣行。見かけ上の最後尾に落ちたが30周目あたりからトップの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTを上回るペースで周回。2位以下の上位陣との差を縮めていった。上位陣がピットインすると事実上の2位に浮上していた。
11号車 GAINER DIXCEL SLSもピットアウト後はペースを回復し41周目に4号車 グッドスマイル 初音ミク Z4をパス、44周目に86号車 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3を抜き2位にポジションを回復した。
61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTは1人のドライバーが走行できる最大周回数である44周でピットイン。1度もトップの座を譲ることなくコースに復帰した。アウトラップが終わった45周目のギャップは2位の11号車 GAINER DIXCEL SLSが23秒、3位の86号車 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3が24秒、4位の4号車 グッドスマイル 初音ミク Z4が26秒。2位以下は混戦だが、トップの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人)の独走態勢は続いていた。
残り9周で大粒の雨が落ち始めサーキットは豪雨に見舞われた。残り8周、コースは危険な状態となりセーフティーカーが導入された。これでレース序盤と同様に61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTは20秒ほどのマージンを再び失った。雨が止みレースが再開されれば残り数周のスプリントバトルとなる。
雨はその後も降り続き、セーフティーカー先導のままチェッカーをむかえた。終始レースをリードした。61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTはライバルを寄せ付けない走りで今期初優勝。ミシュランタイヤはGT500とGT300の2クラスでダブル優勝。2位は11号車 GAINER DIXCEL SLS、3位は86号車 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3、4位は4号車 グッドスマイル 初音ミク Z4となった。終わってみれば難しいコースコンディションながらGT500もGT300もリタイヤするマシンはなく全車チェッカーを受けた。
GT300クラスの結果
1位 61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人)
2位 11号車 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)
3位 86号車 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3(細川慎弥/山西康司)
4位 4号車 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝/片岡龍也)
5位 60号車 TWS LM corsa BMW Z4(飯田章/吉本大樹)
6位 31号車 OGT Panasonic PRIUS(新田守男/嵯峨宏紀)
7位 7号車 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒聖治)
8位 65号車 LEON SLS(黒澤治樹/黒澤翼)
9位 33号車 PUMA KRH PORSCHE(都筑晶裕/峰尾恭輔)
10位 3号車 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ルーカス・オルドネス)
ドライバーズポイントは2位に入った11号車 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)がトップに立ち、4位となった4号車 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝/片岡龍也)が4ポイント差の2位。優勝した61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人)が3位に浮上した。
GT300クラスのランキング
1位 11号車 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム) 52
2位 4号車 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝/片岡龍也) 48
3位 61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人) 35
4位 7号車 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒聖治) 30
5位 65号車 LEON SLS(黒澤治樹) 28
6位 55号車 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志) 25
7位 86号車 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3(細川慎弥/山西康司) 25
8位 3号車 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ルーカス・オルドネス) 25
9位 65号車 LEON SLS(黒澤翼) 22
10位 88号車 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/青木孝行) 20
SUPER GT 第6戦は、8月30日~31日に鈴鹿サーキットでシリーズ最長の1000kmレースが行われる。