ニュース

マクラーレン・ホンダ MP4/4などが走った「Honda Racing THANKS DAY 2014」

2014年11月23日開催

ツインリンクもてぎで開催された「Honda Racing THANKS DAY 2014」

 ホンダ(本田技研工業)は11月23日、ホンダファン向けのイベント「Honda Racing THANKS DAY 2014」を、ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で開催した。

 当日はロードコース東&西(つまりフルコース)およびピットガレージに加え、スーパースピードウェイまでを使用し、SUPER GT参戦車両によるスペシャルレース、N-ONEを利用したワンメイクレース「N-ONE OWNER'S CUP」の最終戦、ホンダコレクションホールの保存車両である「マクラーレン・ホンダ MP4/4」「マクラーレン・ホンダ MP4/6」のデモ走行などを実施。参加ドライバーもインディカー・シリーズ参戦中の佐藤琢磨選手をはじめSUPER GT参戦中のドライバーや監督、ロードレースやトライアル参戦中のライダーなど、豪華で多彩な顔ぶれが一堂に会した。

ロードコースプログラム

 イベントの中心となったのはやはりサーキット。開場直後の8時5分にスタートしたN-ONE OWNER'S CUP予選を皮切りに分刻みでプログラムが進行していった。

オープニングセレモニーでは監督と選手が全員集合して集まった観客に挨拶
4輪からはSUPER GTドライバーや監督、2輪からはロードレースやモトクロスのライダーなどホンダならではの豪華なメンバーが集結

 午前中の目玉となったのはマクラーレン・ホンダ MP4/4、マクラーレン・ホンダ MP4/6のデモランだ。佐藤琢磨選手、塚越広大選手がそれぞれのステアリングを握り、V6ターボ&V12エンジンが甲高いサウンドを響かせてスタンド前を通過すると、詰めかけたファンからは大きな声援が上がっていた。

 SUPER GTスペシャルレースの予選を経て、午後に入って最初のプログラムはN-ONEのレーススタディモデルを使った「エキシビジョンレース スペシャル」。名前のとおりエキシビションとあってドライバーはグリッド順に高橋国光監督、中嶋悟監督、金石勝智監督、HRCアドバイザーの伊藤真一選手、金石年弘選手、松浦孝亮選手、小暮卓史選手、佐藤琢磨選手、山本尚貴選手、中嶋大祐選手の10名。微妙に力関係が出そうなメンバーだったが、結果は好スタートを切った佐藤琢磨選手が優勝、2位に金石勝智監督、3位が金石年弘選手となった。

 午後の目玉はフルコースを使ったSUPER GTスペシャルレースの決勝。GT500車両5台、GT300車両2台の計7台で争われる「ガチンコ」対決。周回数が8周と短くタイヤ交換もないもののドライバー交代が義務づけられるなど、本戦さながらの様相……、だったものの18号車 Weider Modulo DOME Racingの山本尚貴選手は交代ドライバーがおらずエア交代を強いられたり、GT300勢は同時ピットインでそれぞれ相手のピットに「間違って」ストップしたりと、別の意味で「ガチンコ」的な対決に。途中、17号車 KEIHIN REAL RACINGがトラブルにより戦列を離れるアクシデントがあったものの、その後は大きな混乱もなく優勝は100号車 Team Kunimitsuが手にした。

MP4/4、MP4/6のピット前には常に多くのファンが陣取っていた
MP4/4のフロントサスペンションまわり
フロントブレーキ
リアサスペンションまわり
エンジンまわり
1.5リッターV6ターボのRA168E
タービンはIHI製
タイヤはグッドイヤーを履く
MP4/6に搭載される3.5リッターV12のRA121E
MP4/4のドライバーは佐藤琢磨選手
MP4/6は塚越広大選手がステアリングを握った
午前と午後の2回走行枠が用意されていた
SUPER GTマシン7台によるスペシャルレースを実施。成績には関係のないレースだが関係者はさすがに本気
8号車 ARTA NSX CONCEPT-GT
17号車 KEIHIN NSX CONCEPT-GT
18号車 Weider Modulo CONCEPT-GT
32号車 Epson NSX CONCEPT-GT
100号車 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT
0号車 MUGEN CR-Z GT
55号車 ARTA CR-Z GT
決勝レース前のARTAピット。緊張感が高まる
こちらはエプソンピット
レース直前とはいえ本戦ではないためか監督には笑顔も
8周と短いレースながらもオーバーテイクあり、ドライバー交代あり、となかなか白熱した展開に
決勝順位は100号車、32号車、18号車、8号車、55号車、0号車の順。17号車はトラブルでリタイア
N-ONE OWNER'S CUP用スタディモデルを使用したエキシビジョンレースも。14号車は佐藤琢磨選手がドライブ
グリッドには高橋国光監督、中嶋悟監督と監督勢から並ぶ
クルマがイコールコンディションと言うこともあって白熱した争いに
2週目に入ると佐藤琢磨選手がトップに立つ
そのまま引き離してトップでゴール
現役レーサーに混じってレースを繰り広げた監督達も楽しそうだった
レース結果はこのとおり
N-ONE OWNER'S CUPの最終戦の舞台にもなった
30台あまりが参加したレースはさすがに本気の走り
優勝は岸野選手。表彰式のプレゼンターは佐藤琢磨選手が務めた
マン島TTレースに出場したチーム無限の電動バイク「神田 参」も走行
フィナーレ前にはスーパーフォーミュラ、SF14も走行。ドライバーは山本尚貴選手
RC213Vとランデブー走行。RC213のライダーは秋吉耕祐選手
ゴール後はドーナツターンでアピール
「秋吉選手が格好よかったので何かやらなきゃと思って」とドーナツターンの理由を語る山本選手

イベント盛りだくさんだったピットガレージ

 普段のレース時はなかなか立ち入ることができないピットガレージも、この日ばかりは見学可能。カウルを外して整備中のMP4/4、MP4/6を間近に見ることができたほか、先着順で2013年のスーパーフォーミュラチャンピオンマシンなどのコックピット体験、SUPER GTのピットクルー体験といった体験型イベントを随所で実施していた。また、抽選ではあったもののKEIHIN、EPSON、RAYBRIGのHSV-010やCR-Zに同乗、中嶋悟監督や佐藤琢磨選手などプロドライバーが運転するマシンで、西コースを2周体験走行できるなんて豪華なイベントも。

 そのほか、ピットガレージ裏に設けられたステージでは、各カテゴリーのドライバーによるトークショーを随時実施。中嶋悟監督と佐藤琢磨選手によるF1トークショーをはじめ、SUPER GT参戦中のHonda Racingドライバートークショー、ロードレースやトライアルライダーによるトークショーなど、4輪ファンのみならず2輪ファンにも楽しめる内容となっていた。

抽選だったものの大人気だった同乗走行
中嶋悟監督もドライバーに
同乗は西コース2周と短めながらストレートではかなりスピードが出ており抽選をくぐり抜けた参加者は一様に満足げな表情だった
ピット裏に設けられたステージではトークショーを実施。佐藤琢磨選手と中嶋悟監督はF1をテーマにしたもので、「最初のレースは緊張していてスタートしたのを覚えてない(中嶋監督)」なんて裏話も
SUPER GTドライバーによるトークショー
ドライバーは「仲がわるいですから」なんていいつつも終始笑いに包まれていた
SF13のコクピット体験。小学生以下の子供達にはレーシングスーツを着られる特典も
実車を使ってタイヤ交換やジャッキ、ドライバーなどを体験できるピットクルー体験
スーパーフォーミュラのタイヤ交換体験は小中学生限定だった
コクピット体験はHSZ-10 GT、CR-Z GTなどで開催。こちらも常に希望者の列が絶えなかった
コースでのプログラム終了後に行われるライダー・ドライバーサイン会は抽選。こちらも抽選開始時刻には長い列ができていた

スーパースピードウェイエリアではコース上でイベントを実施

 オーバルコースとなるスーパースピードウェイエリアでは、グランドスタンド周辺のコースを解放。Nシリーズをはじめとした現行ホンダ車のほか、発表されたばかりの新型レジェンド、来年発売とされるS660のコンセプトモデル、多くの2輪などの展示を実施していた。さらに一部モデルはオーバルコースで試乗することが可能となっており、バンク部分を走行することができることも相まって人気を集めていた。

 また、スタンド前にはトライアル用の特設コースが設けられており、トライアルデモンストレーター&選手によるショーを実施。華麗なマシン捌きと軽いトークで観客を楽しませていた。

スーパースピードウェイのコース上にはホンダ各車を展示していたが、なかでも注目を集めていたのがS660コンセプト。こちらはモーターショーに展示されていたのと同じ車両とのこと
発表されたばかりの新型レジェンドも
最新のホンダ車に試乗できるコーナーも用意された。人気はCR-Zの無限モデルとのこと
特設コースで行われたトライアルバイクショー。メインのロードコースから離れた場所での開催だったが多くの観客を集めていた

 Honda Racing THANKS DAYはシーズンオフ前恒例のイベントとなっているが、ピットで間近にマシンを見られるなどレースファンにはまたとない機会。そのほか同乗や体験型プログラムなども充実しておりファミリーでも楽しめる内容となっている。来年はF1復帰初年度になることもあり、もっと楽しめる内容になることは間違いなし。ぜひ足を運んでほしい。

フィナーレはパレードラン
コース上に揃ってブリッピング
フィナーレ後はパルクフェルメウォークを実施。並んだマシンを間近で見ることができた

(安田 剛)