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フェルナンド・アロンソ、マルク・マルケスも登場した「Honda Racing Thanks Day 2015」リポート

「モータースポーツはホンダの原動力」。モータースポーツファンが楽しんだバイクとクルマの祭典

2015年12月6日開催

 本田技研工業は12月6日、ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)でファン感謝祭「Honda Racing Thanks Day 2015」を開催した。

 ツインリンクもてぎには2013-2014年MotoGP王者のマルク・マルケス選手、2005-2006年F1王者フェルナンド・アロンソ選手、9年もの間トライアル世界王者に君臨し続けたトニー・ボウ選手、インディ・カーシリーズを戦い続ける佐藤琢磨選手らホンダで世界で戦うトップドライバーや国内トップライダー、ドライバーが集結。今年戦い続けたマクラーレン ホンダ MP4-30(F1・展示のみ)や、レプソルホンダチームのRC213V(MotoGP)など世界最高峰のマシンや往年のマシン、最新モデルの「NSX」や「シビック TYPE R」などの走行や展示が行われ、2輪、4輪ともにモータースポーツの世界で戦い続けるホンダならではの華やかなイベントとなり、1万8500人(主催者発表)のファンが楽しんだ。

 また、2輪の「CBR250R Dream Cup DUNLOP杯 ビギナーチャンピオンシップ2015」(以下CBR250R Dream Cup)、4輪の「N-ONE OWNER’S CUP Rd.FINAL」といった市販車を使ったワンメイクレースのシーズン最終戦も行われた。

 イベントは8時より中央エントランス、グランドスタンドプラザ、そしてパドックにてさまざまな展示が開始され、ロードコースはN-ONE OWNER’S CUPの予選で幕を開けた。またオープニング早々に、スーパースピードウェイにゴールデンボンバーも登場した。

オープン早々にゴールデンボンバー登場

 午前中のスーパースピードウェイに登場したのは、スペシャルゲストのゴールデンボンバー。トークライブの後、「S660」を使った車庫入れ大会や、スクーターでの一本橋渡りを披露。その腕前はともかく、楽しそうな運転ぶりに会場は大いに盛り上がった。

ゴールデンボンバーのトークライブ
樽美酒研二さんのメイクにはホンダウイングが
S660を使った車庫入れ大会
一本橋渡り
ホンダのバイクとともに記念撮影
そのままバイクに乗ってスーパースピードウェイへ

市販車を使ったワンメイクレース「CBR250R Dream Cup」「N-ONE OWNER’S CUP Rd.FINAL」

 午前中にロードコースで行われたのが、2輪の「CBR250R Dream Cup」と4輪の「N-ONE OWNER’S CUP Rd.FINAL」という2つのワンメイクレースだ。「気楽に参加できる」がウリのワンメイクレースながら、どちらも2015年シリーズを戦い抜いた猛者たちの本気の争いとなった。2輪はNo.28 佐々木將旭選手、4輪はNo.999 福原順一選手が制した。

ぶっちぎりのトップを走行するダニ・ペドロサ選手(No.26)は当然賞典外。「CBR250R Dream Cup」を制したのはN0.28 佐々木選手
「N-ONE OWNER’S CUP Rd.FINAL」を制したのはNo.999の福原選手

さまざまなジャンルのライダー、ドライバーがその速さを競うカート大会

 ジャンル違いながらも、一度走り出せば世界トップクラスの負けず嫌いが顔が出てしまうカート大会がモビパークで行なわれ、会場は大いに盛り上がった。参加選手は2輪のマルク・マルケス、ダニ・ペドロサ、トニー・ボウ、藤波貴久、ハイメ・ブストの5選手。4輪は佐藤琢磨、松浦孝亮、オリバー・ターベイ、武藤英紀、ベルトラン・バゲットの5選手。

No.1 マルク・マルケス選手、後方からNo.2 ダニ・ペドロサ選手という2人のMotoGPライダーの争い
No.6 佐藤琢磨選手(インディカー・シリーズ)
勝利はNo.9 オリバー・ターベイ選手(SUPER GT)の手に
終始楽しそうに走るNo.3 トニー・ボウ選手(トライアル世界選手権)
No.4は藤波貴久選手(トライアル世界選手権)
優勝はオリバー・ターベイ選手で、以下佐藤琢磨選手、ベルトラン・バゲット選手が続いた

オープニングセレモニー

 さまざまな展示やレース、参加型イベントなどで盛り上がる「Honda Racing Thanks Day 2015」だが、オープニングセレモニーは日中に行われ、セレモニーには新型NSXに乗って登場した本田技研工業 八郷隆弘社長が挨拶を述べ、「モータースポーツはホンダの原動力」と語った。

ホンダの誇るトライアルライダーがメインスタンドから登場し、オープニングセレモニーが始まった
ステージに上がったドライバー、ライダー、そして往年の名ドライバー(チーム監督)たち
本田技研工業 八郷隆弘社長
2005-2006年F1王者フェルナンド・アロンソ選手
2013-2014年MotoGP王者マルク・マルケス選手
世界で戦い続けるホンダならではの豪華な組み合わせ

最新のマシンから往年の名車まで一堂に揃ったピットガレージ

 ピットには、かつてマン島TTレースに挑戦したレーシングマシンや第1期と呼ばれる1960年代のF1マシンに加え、2015年シーズンを戦った最新のMotoGPマシンであるRC213V、F1マシンのマクラーレン・ホンダ MP4-30までが揃い、その多くがファンの前で走行。

 第1期ホンダF1の実質的な最終モデルとなるRA301に佐藤琢磨選手、第2期からはV12エンジンを搭載したマクラーレン・ホンダ MP4/6にフェルナンド・アロンソ選手と、豪華な顔ぶれでのデモンストレーションランなどもあり、この豪華な内容は長年世界のトップグループでしのぎを削って今もなお挑戦を続けるホンダならではのラインアップだ。

マクラーレン・ホンダ MP4-30とフェルナンド・アロンソ選手、ジェンソン・バトン選手のサイン
2015年のマクラーレン・ホンダ MP4-30に搭載されたパワーユニット ホンダ RA615H
第3期ホンダF1最後のマシンとなるRA108(No.16)はジェンソン・バトン選手がドライブした
第1期のRA301。その奥には第2期のマクラーレン・ホンダ MP4/6が展示された
N360は1967年デビュー、RA301は1968年シリーズを戦ったマシン。ほぼ同期だ
歴代NSX
歴代シビックから3台を展示
最新のシビック TYPE RとNSX。展示されたNSXはHマーク付きの左ハンドル
グランドスタンドプラザにはWTCC(世界ツーリングカー選手権)に参戦したシビック TYPE R
RC213V-Sや2輪レーシングマシンの展示
手前からRC143(1961年)、NSR500(1985年)、NSR500(1984年)
J・サーティースのRA301は佐藤琢磨選手がドライブ
ゲルハルト・ベルガー選手のマクラーレン・ホンダ MP4/6はフェルナンド・アロンソ選手がドライブ
新型NSXは佐藤琢磨選手、NSX CONCEPT-GTにはフェルナンド・アロンソ選手
フェルナンド・アロンソ選手はN-ONEのエキシビジョンレースにも参戦
レプソル ホンダチームの2台、RC213Vが発進する

 市販車、国内レースマシンの走行も充実していた。ホンダが参戦するSUPER GTやスーパーフォーミュラのマシンなども多数走行し、中でもSUPER GT GT300に参戦してきたハイブリッドマシン「CR-Z GT」はこの日がラストランとなった。量産車も歴代シビック、歴代NSX、そして各々の最新モデルが展示され、コースでのパレードランも行なった。

スーパーフォーミュラからスタートして、途中SUPER GTにバトンタッチしてレースをするスペシャルレースはレース終盤まで熱い戦いを繰り広げ、フィニッシュはコース幅を一杯に使った5ワイドの隊列でホームストレートを駆け抜けた。なおスーパーフォーミュラでは今回がブリヂストンタイヤによる最後の走行となった
CR-Z GTのラストラン。マシンはARTAで高木真一選手が走行を担当した
N360~N-ONEパレードラン
歴代シビックによるパレードラン
歴代NSXによるパレードラン。赤いマシンはチーム国光のル・マン24時間レース出場車
1960年代~最新と、幅広いマシンを一堂に走行させるための準備や走行後のメンテナンスは大変なのだ

参加して楽しむ多数のプログラム

 見て聞いて楽しむプログラムのほか、レーシングマシンのタイヤ交換チャレンジやコクピット体験、原付スクーターの体験試乗会、サイン会など参加型プログラムも多数行なわれた。また、フィナーレのスペシャルランの後はスーパースピードウェイを解放。当日参加した多くのマシンを間近に楽しむことができた。

レーシングマシンのタイヤ交換チャレンジ
レース中のピットの雰囲気を味わえるモニター
F1(RA108)のコクピット体験はレーシングスーツも用意され本格的だ
人気のRC213Vのフルバンクを体験しながら撮影できるコーナー

ホンダコレクションホール

 イベント開催中、ホンダコレクションホールも通常営業され、充実した通常展示や企画展、ASIMOショーなどが行なわれていたので、この機会に見学した人も多いだろう。また、イベントとは直接関係はないものの、当日は「モデラーGP」と呼ばれるバイク模型コンテストも行なわれていて、こちらも充実していたので、そのほんの一部を紹介しよう。

WGP/MotoGPの人気は高く、その大半がレーシングマシンであった。また今でも漫画「バリバリ伝説」の人気は高く、写真の巨摩郡の赤いNSRなどまるで走っているかのようなホイールの作りは秀逸
1/2の巨大セミスクラッチモデルからフルスクラッチのエンジン単体などもあり、アオシマ(青島文化教材社)は12月3日に発売されたばかりのHonda CB400 FOURも展示していた

フィナーレ

MotoGPマシンでピットを飛び出していったのはなんとフェルナンド・アロンソ選手。この後、NSX CONCEPT-GTをドライブするマルク・マルケス選手とステージ上でヘルメット交換。ホンダならではの光景だ
参加車両が続々と登場するフィナーレ。この後スーパースピードウェイが来場者に解放され、マシンを間近に見ることができた

「Honda Racing Thanks Day 2015」フォトギャラリー

(高橋 学)