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写真で見る ホンダ「シビック TYPE R」(5代目)
(2015/10/28 11:30)
本田技研工業「シビック TYPE R」は、コンパクトなハッチバックスタイルを持つスポーツカー。いわゆる大衆車である「シビック」をベースに、専用エンジンやサスペンション、エアロパーツなどを装着することで、高いパフォーマンスを実現したモデルだ。
1997年に185PSを発生する1.6リッターVTECエンジン「B16B」を搭載した初代がデビュー。2001年には英国生産&2.0リッターに排気量アップした2代目へとチェンジ。3代目は日本市場向けのシビックからハッチバックボディーが消滅したことから、セダンボディーにチェンジ。エンジンは2代目同様「K20A」を搭載するが、最高出力は215PSから225PSにまで高められた。2009年にはハッチバックボディーを持つ英国生産の「CIVIC TYPE R EURO」も限定販売されている。
この秋、いよいよデビューを迎える新型シビック TYPE Rは、初代からのスピリットを受け継ぎ5ドアハッチバックボディーを採用。ボディーはもちろん、シビックそのものが日本仕様に存在しないため、CIVIC TYPE R EUROと同じく英国生産となる。
求めたのは「FF量産車最速」。ニュルブルクリンクをターゲットに最速ラップを刻むため、エンジンパワーは300PSオーバーに設定。そこでパワーユニットは直噴2.0リッターVTECエンジンに、TYPE R初となるターボチャージャーをドッキング。最高出力228kW(310PS)/6500rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/2500-4500rpmを発生するとともに、アルミ製ピストンや鍛造コンロッドによる軽量化、電動ウェイストゲートによるレスポンスの向上など、各部に渡る最適化が施されている。
組み合わされるトランスミッションは6速MT。シフトストロークは「NSX-R」と同等の40mmに設定するとともに、1速&2速をトリプルコーン、3速&4速をダブルコーンとすることで、クイックかつスムーズなフィーリングを実現している。駆動方式はもちろん2WD(FF)となる。
サスペンションはフロントがナックル部を独立させた「デュアルアクシス・ストラット」、リアはトーションビームを採用。ダンパーはストロークセンサーおよび加速度センサーなどからの情報を元に、4輪それぞれのダンパー減衰力をリアルタイムに調節する「アダプティブ・ダンパー・システム」を採用。ニュルブルクリンクのような起伏の多い路面でも、フラットな乗り味と高いタイヤ接地性を確保することが可能になった。
ボディーサイズは4390×1880×1460mm(全長×全幅×全高)。重量増を抑えながら剛性を高めるために、補強を最小限にとどめる一方、ピラーまわりなどに構造用接着剤を採用したのも新型シビック TYPE Rの特長。ロボットが使えない複雑な場所は専任スタッフが担当。日本流に言えば「匠」による手作業により、1台1台作り上げられていくわけだ。
こうして作り上げられた新型シビック TYPE Rがニュルブリンクで叩き出したタイムは7分50秒63。見事にFF量産車最速をマーク。0-100km/hは5.7秒、最高速も270km/hを達成するパフォーマンスを手に入れている。
量産車でありながらハンドメイドな部分が残る新型シビック TYPE R。428万円のプライスタグはかなりお買い得と言えそうだ。販売台数は全国限定で、ニュルのタイムにあやかった(?)750台と争奪戦必至の状況。販売方法は、まず専用Webサイトで2015年10月29日0時~11月23日23時59分まで商談の申し込みを受け付ける。限定台数を超えた場合は抽選となり、11月30日12時に当選番号を発表。その後、本人確認や販売店からの連絡の後、商談期間が2015年12月7日~2016年1月17日に設定されている。納車は2回に分けて行われ、第1期が2015年12月~2016年1月、第2期が2016年2月~2016年3月の予定となっている。