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冬の青森空港で活躍する、青森空港除雪隊「ホワイトインパルス」

福士隊長おすすめ!!「ホワイトインパルスカレー」も食べてきた

青森空港除雪隊「ホワイトインパルス」

 青森の空の玄関「青森空港」が積雪量日本一の空港であるというのは、JALの記事で紹介したとおり。航空機についてはJALエンジニアリングのスタッフ&ディアイシングカーによって冬の安全が守られているが、滑走路については青森空港が組織する青森空港除雪隊「ホワイトインパルス」によって冬の安全が守られている。

 そのホワイトインパルスについて、福士隊長、青森空港管理事務所 中村主幹、同 石澤主査にお話をうかがった。

左から青森空港管理事務所 中村主幹、ホワイトインパルス 福士隊長、青森空港管理事務所 石澤主査

 青森空港は特別降雪地帯にあり、雪の多い年では累計降雪量が10mを超えるときもあるとのこと。雪の多い青森空港では、スタッドレスタイヤなどが用意されない航空機のために除雪を行う必要があり、その除雪面積は約55万m2と、東京ドーム12個分におよぶという。

 除雪は、スノープラウ、スノースイーパー、プラウ付きスイーパーなどで隊列を組んで行い、最後列のロータリー車で雪を飛ばすほか、灯火類などは人力で除雪している。

スノープラウ
ロータリー車
プラウ付きスイーパー
青森空港除雪隊ホワイトインパルス【青森空港公式】
青森空港除雪隊ホワイトインパルスVer.2【公式】

 青森空港除雪隊を「ホワイトインパルス」と命名したのは2年前からで、そのネーミングセンスのよさからか人気が爆発。テレビなどでもたびたび取り上げられるようになったという。名前のもとは、航空自衛隊のアクロバットチーム 第11飛行隊「ブルーインパルス」で、左下がりの隊列(レフトエシュロン隊形)を組んで作業することから名付けたとのことだ。

航空自衛隊のアクロバットチーム 第11飛行隊「ブルーインパルス」

 そして、このホワイトインパルスの人気にあやかるように登場したのが、青森空港のレストラン「ロイヤルカフェ」で食すことのできる「ホワイトインパルスカレー」(1080円)。“隊長福士さんおすすめ”とメニューに書かれたこのカレーは、ご飯を積雪に見立て、ホワイトのルーがかかったシーフードカレーになる。これをスコップ形状のスプーンですくいながら(除雪しながら)食べるという趣向だ。中村主幹によると、こちらも評判となり、今シーズンからは滑走路の絵柄が入ったお皿を使っているとのこと。つまり、ご飯を食べると(除雪すると)滑走路が現れるのだ。

 食べてみることにした。

楽しすぎるホワイトインパルスカレー

ホワイトインパルスカレー 普通盛り

 ロイヤルカフェでホワイトインパルスカレーを注文すると、確かに白いルーのシーフードカレーが運ばれてきた。ご飯はかまぼこ状に成形され、雪のカタマリというか半分に切ったクルマのサイレンサー(タイコ)に見える。正直、美味しそうかといわれると微妙なところだが、食べてみなくては始まらない。

スコップ形状のスプーン

 この食べる作業が実に楽しい。スコップ形状スプーンで雪を掘る、ではなくご飯をすくうのがおもしろすぎ。味はちょっと辛めと書いてあったが、見た目どおりのマイルドな感じだった。そして、食べているお皿からは、滑走路が登場してくる。06-24と滑走路方向が描かれ、食べる際に思わず向きを合わせたくなるほどだ。食べている最中の写真も撮ってみたが、ホワイトカレーの食べかけ写真は、まったく美味しそうではなかったので、使用前のお皿とスプーンをお借りした。

お皿には滑走路の絵柄が描かれている

 メニューとしては大盛も存在し、その際はご飯が増える。つまり、より積雪量が多くなり、より多くの回数、スコップを使えるわけだ。自分の作業可能量に合わせて選んでほしい。青森空港のホワイトインパルスカレーは、同じ青森の名物「のっけ丼」並のインパクトがあった。青森空港に立ち寄った際は、必食のメニューだ。

奥が普通盛り、手前が大盛り。ご飯の量(積雪)が異なる。具の量はそれほど変わらない感じ

(編集部:谷川 潔)