DIYでクルマいじり
NAOさんのDIYでクルマいじり
第21回:「ヴィッツ」に「レグノ GR-XT」で「のっけ丼」、1300kmの旅。騒音計の比較測定動画掲載
(2013/11/14 11:15)
ヴィッツくん、まさかのパンク!これはもうレグノを履くしかない!
デジタルノイズキャンセリング静音化にあっさり失敗し、結局いつもどおりニードルフェルトなどでお手軽バランス静音化施工を行った我が家の「ヴィッツ」くん。手間と苦労の分だけ確実に快適性がアップしたのだが、軽量化のためか最小限の密閉状態となっているタイヤハウスやシンプルなバルクヘッドを通して侵入してくるロードノイズはどうしても気になってしまうレベル。もちろん今後もこつこつと工夫を重ねていくのだが、せっかく、じゃなくて不運にもパンクしてしまったのだからこの機会を逃す手はない(笑)。と、言うわけで、静音タイヤの最高峰ブリヂストン REGNO(レグノ) GR-XTに履き替えるぞ!
いつかはレグノ、男は黙ってタイヤ館
筆者が愛車「ヴェルファイア」に乗り換えてしばらく苦しんでいた「思った通りに曲がらない、交差点が苦痛、なんだか運転が嫌になってきた……」という切実な悩みがタイヤを交換することで一発解決したという以前のビックリ体験記事はお読みいただけただろうか。その昔はポテンザ RE71を何本も履き潰し、セダンに乗っていた頃もレグノ以外は眼中になく、たまたま純正装着タイヤに恵まれていた筆者は苦労知らずの幸せものだった。
しかししかし、いつまでも幸運が続かないのは世の常、現愛車のヴェルファイアでそれを思い知らされ、そして解決できた喜びも知ることができた。ヴィッツの場合は乗っていて特にバランスがわるいとか乗りにくいといった印象はまったくないのだが、やはりヴェルファイアのエコピアと比べてしまうと「あー、コロテー(転がり抵抗)が大きいのかな」、思ったより燃費も伸びないし、ゴツゴツしているしノイジーだし……と欲が出てきていたのも事実。パンクしたのも何かの縁、ここは一発、天下のレグノさまに履き替えてみよう!
まる~いタイヤを、「ど真ん中」に取り付ける
タイヤの形は?と聞かれて四角と答える人は余程のあまのじゃくだろうが、同じ円でもどのぐらい真円に近づけられるかというのはタイヤにとって非常に重要な問題だ。レグノのトレッド面を見てみると、実にきめ細かいデザインでタイヤが造形されていることが見て取れる。素晴らしいタイヤを素晴らしいホイールに組み付けたのだから、クルマにも最高の状態で取り付けたいのは当然のこと。タイヤ館では「B-SYSTEM センタリングマシン」を使いタイヤホイールをブルブル振動させながらホイールナットを締め付けることで、車軸の中心に固定するサービスを実施している。特に高速ドライブなどでは有効性を体感できることだろう。
●ブリヂストン センターフィット
http://www.taiyakan.co.jp/expert-t/#center
よ~し、カミさんを誘って、早速ドライブに出発!!
「なにしろレグノですからね、きっとご満足いただけると思いますよ」「ですよね~、うひひ、ありがとうございます!」。
過去の愛車でレグノシリーズを履いてその性能を体感しているだけに、筆者の興奮が隠しきれないのは当然というもの。とはいえ、パーツを極めて公平に評価できるであろうレビュアー、ようするにクルマにまったく詳しくないカミさんに最初から「これは凄いんだ凄いんだ」という先入観を与えてしまってはつまらない。あくまで「パンクの関係で丸ごと交換した」という体で説明し、いつもどおり買い物などで乗ってもらう。
「!? なんだか……クルマが軽くなったような、乗り心地も……??これは違うね、うん。」 これまで筆者があっちをいじり、こっちを変えて、いろいろ改善しても「う~ん……ごめんね、よく分からないかも……」といった反応だったカミさんが、史上初めて「明らかな変化」を口にしたという我が家的には大ニュース。ヴィッツはいつも乗っている自分の愛車ということもあり、かなりハッキリと体感できたようで筆者としてもうれしい限り。
「じゃ、ちょっとドライブに行こうよ!」「どこへ?」「とりあえず青森とか」「は?」と言うわけで、出発進行~!!
うん、乗りやすい! 高速でもなんか安心、しかもとっても静か
買い物に送迎にヴィッツでちょこちょこ走っているカミさんだが、高速道路を走る機会は皆無に近い。遠出するときは筆者の運転でヴェルファイアを使うため必要性がないというのもあるが、数少ない高速走行をした際に、緊張して手に汗を握った記憶も影響しているようだ。
とはいえ、今回はある程度運転してもらって感想を聞かないことには始まらない。「だーいじょうぶだから、交代交代!」となかば強引に運転席に押し込んで出発進行。案ずるより産むが易しとはこのことか。一般道を走った時点でハンドリングのよさ、コロテーの小ささを感じられ、高速走行では直進性、応答性、静粛性などに驚いていた。これだけよいタイヤとホイールに変えたのだから体感できて当然といえば当然だが(笑)。筆者としてはひとまず安心。多少SAのトイレが混んでいるぐらいで目立った渋滞もなく、ヴィッツくんは順調に東北自動車道を北上する。
80km/h~100km/hで東北道を巡航していると、以前のタイヤとの音質の違いに驚かされる。絶対的なノイズレベルももちろん低減されているのだが、ロードノイズの音質チューニングが秀逸。騒音計がはじき出す数値以上に、快適な室内空間に仕上がっていることを実感できた。
せっかくだから、ワインディングロードも楽しもう
菅生PA(パーキングエリア)で仙台名物の牛タン定食としらす丼に舌鼓を打った余韻を楽しみながら、絶好のドライブ日和の東北道をさらに北上。途中休憩をはさみつつ十和田IC(インターチェンジ)で高速を降り、一路十和田湖へ。十和田湖名物のヒメマス定食の味が忘れられないが、時刻はすでに夕方過ぎ。記憶が確かならば暗くなる前にレストランやドライブインは閉店してしまうはず、安全第一で十和田湖を目指す。
十和田湖へ向かう途中、発荷峠を越えるちょっとしたワインディングロードがあるのだが、レグノ効果で右へ左へ気持ちよく思いどおりのラインを走行することができる。ヴェルファイアの純正装着タイヤからエコピアに履き替えたときもそうだったのだが、「思いどおりに、想像したとおりのライン」で走ってくれるのは本当に快適だ。走りは快適なのだが、お腹がだいぶすいてきた(笑)。ダメ元であちこち回るもやっぱり閉店、真っ暗な十和田湖に別れを告げて一般道で青森市街を目指す。
そのルートは、まさかの八甲田山越えの峠道!ヒメマス定食は食べられず、もはや早くホテルに到着して休みたいモードのカミさんには申し訳ないのだが、夜の笠松峠を久々に堪能することができた(笑)。峠道を走ること約1時間、青森市街に入る頃にはガソリン残量メーターが点滅モード(0.5目盛り)となった。渋滞と峠道をクリアしたにもかかわらず燃費は約17km/L。連載第19回目で実値測定した際は約14km/Lだったことを考えると、レグノ GR-XTの低燃費性能がいかに優れているかが分かる。と、いうわけで無事に青森に到着、宿泊先ホテルに併設されている三十三間堂というお店で青森の海の幸を堪能した。
●青森ワシントンホテル
http://washington-hotels.jp/aomori/
●三十三間堂
http://washington-hotels.jp/aomori/restaurant/shop/WH23.html
豪雨ときどき雨!名物「のっけ丼」を食べて観光するぞ
レグノさま快適ドライブの楽しい夢を見つつスッキリ目覚め、さあいよいよ「古川市場 のっけ丼」を食べに行くぞ!と大雨にも負けず張り切って出発!青森駅、青森IC、市場、観光施設が1個所に集約されているため、クルマで移動するにも歩いて遊ぶにもとても便利。5分ほどで市場付近の駐車場に到着、さっそくチケットを買って市場をうろうろ、おいしい丼と味噌汁に舌鼓を打った。最高の朝ご飯の次は、「ねぶたの家 ワ・ラッセ」で大迫力のねぶたを堪能。8月の祭り本番はもちろん大迫力だが、大型ねぶた5台などを目の前でじっくり見学するのもまた大迫力だった。
●青森魚菜センター 古川市場 のっけ丼
http://www.aomori-ichiba.com/nokkedon/
●青森県観光物産館アスパム
http://www.aomori-kanko.or.jp/
●青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸
http://www7.ocn.ne.jp/~hakkouda/hakkoudamarutop.html
●青森市文化観光交流施設 ねぶたの家 ワ・ラッセ
http://www.nebuta.or.jp/warasse/
SAで無料リンゴ狩り体験 & 豪雨の高速道路も堪能
食べて、遊んで、クルマも快適、本当に幸せな気分に浸りつつ帰路につく。東北道に入り走り出したとたんに雨が強くなり、もしかして通行止めになるのでは……と心配になるほどの豪雨もしばしば。いや~、まいったね~、あはは、などと走りながらごくごく普通に走行していることに気がついたのはしばらく走った後のこと。このときステアリングを握っていたのは筆者なのだが、ここまでの大雨、しかも車重が普段乗っているヴェルファイアの半分以下のヴィッツであれば、当然フラフラ感やハイドロまでは行かないまでも浮いている感を覚えるはず。なのだが、まったくそのような兆候はなく、豪雨の様子をテレビで見ながら自分は乾燥路を走っているような錯覚を覚えるほど自然な走行感覚だった。エコ性能を追求すればするほどウエット性能が厳しくなるのがセオリーだと聞くが、そこはレグノ先生、非常に高い次元で性能を両立させていることがよく分かった。
津軽SAで休憩をとると、「りんご園」の看板を発見。どこにも係員もいなければゲートもないので売店まで話を聞きに行くと、なんと、「食べられる実がなっているようなら、自由に食べてください」とのこと。こりゃビックリ、そもそもリンゴ狩り体験も始めてなのだが、もぎたてのリンゴがこんなにおいしいとは。再び雨の高速ドライブを続け、今回のドライブ最終ランチは岩手山SAでとることに。じぇじぇじぇ~が流行っていたなと思い出しつつ、盛岡じゃじゃ麺と本当に丼が巨大な大盛り味噌ラーメンを。仙台を過ぎてからは天候も回復し、渋滞もなく無事帰宅。いつもより多めの峠道ルートを含む往復約1300kmを走行し、トータル燃費はやはり17km/Lちょい。特に燃費走行を心がけた訳でもなく、2名乗車+機材+機材の電源を取りっぱなし、エアコンも入れっぱなしの実用燃費なので大満足の結果だった。
レグノ ヴィッツ vs. ノーマルヴィッツ vs. 静音化ヴェルファイア(参考用) 走行騒音比較
前回でも述べたが、走行環境を完全に一致させることは不可能であるためあくまで参考値であること、静音化はバランスがなによりも大切であり、数値だけで絶対的な評価はできないことなど、諸条件についてご理解いただければ幸いだ。身のまわりの環境音測定レベルなど詳しくは前回に注釈記載してあるので、ぜひご一読いただきたい。参考結果は以下のとおり。
●装着タイヤ
ヴィッツ(レグノ):ブリヂストン レグノ GR-XT 175/65 R15 + ブリヂストン製アルミホイール
ヴィッツ(ノーマル):純正装着タイヤ 165/70 R14 + 純正スチールホイール + 純正キャップ
静音化ヴェルファイア(参考):ブリヂストン エコピア PRV 215/65R17 + 純正アルミホイール
ヴィッツ+レグノ GR-XT
ヴィッツ+純正タイヤ
静音化ヴェルファイア+ブリヂストン エコピア PRV
ますますドライブが楽しくなる、素晴らしいレグノに感謝!
騒音計で測定したdB数値(A特性)でもはっきりと結果に差が出たが、仮に騒音デシベルが同一だったとしてもレグノのほうが静かに感じられると思う。これはブリヂストンのWebサイトに詳しく詳しく仕組みが書かれているのでぜひ見てもらいたいのだが、ロードノイズを「心地よい音」にチューニングすることで、より気になりにくい音質にしているのだ。心地よい音質になった上に、実際の騒音レベルがかなり下がっているのだから、快適にならない訳がない。
解説を読むと、その快適性を実現するためにレグノ GR-XTサイレント・テクノロジーに代表されるさまざまな技術が投入されており、ノイズ吸収シートなど物理的なパーツも普通のタイヤに比べて増えている。パーツが増えている上に、今回は1インチアップもしているので、タイヤとホイールの重量自体は増えているのだろうなと思い体重計で測定してみると……あれま、むしろレグノ GR-XT +ECO FORME CRS111のほうが、純正タイヤ+純正ホイールより軽いではないか。
抜群の静粛性、快適なハンドリング、実測で2割以上の燃費向上、そしてカッチョいいデザイン。かくしてカミさんのヴィッツくんは、またまた快適度を増したのであった。クルマをもっと快適にしたい方、タイヤは本当に重要ですよ~!