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【特別企画】“Wで止まる”スタッドレス「BLIZZAK(ブリザック)」をミニバンで試す(後編)

「REVO GZ」は、“ブリザックでいちばん止まる”スタッドレスタイヤであった

平地はまだまだ秋の名残でも、峠を登ればそこは銀世界! “ブリザックでいちばん止まる。”スタッドレスタイヤ「REVO GZ」をFFヴェルファイアに装着し、安全快適高性能、驚愕の雪道グリップを感動体感!!

ブリザック REVO GZは夏タイヤではありませんでした(笑)

 ミニバン用エコタイヤ「ECOPIA PRV(エコピア ピーアールブイ)」からスタッドレスタイヤ「BLIZZAK REVO GZ(ブリザック レボ ジーゼット)」に履き替えた愛車「ヴェルファイア」。乗りやすさと低燃費が自慢の夏タイヤから冬用スタッドレスタイヤに履き替えたと言うのに、ドライでもウェットでも抜群の安定感で走行でき、おまけに純正装着夏タイヤよりも燃費までよかったというビックリ事実は前編で詳しく紹介したとおり。

 タイヤを触ると以前履いていたブリザック REVO 1よりもコンパウンドが硬く感じられたこともあり、「スタッドレスはグニャグニャで減りやすいほど雪道で効く」と長年信じ込んでいる筆者としてはドライ性能が素晴らしすぎるが故に本当に雪道で大丈夫なのか……という不安2割、期待8割を胸に秘めつつ信州は乗鞍高原までドライブしてきた。まずは挨拶代わりに、往路355kmを1分に圧縮したビデオをご覧あれ。

往復の一般道と高速道では高性能夏タイヤと何ら遜色ないドライ/ウェット性能を発揮し、ひとたび雪道に入ればシーンを問わずガツンと止まる!曲がる!登る! 想像の斜め上を行く性能に超感動!!
重量級ミニバン FFヴェルファイア + ブリザックREVO GZ さいたま市~乗鞍高原 往路355kmを1分で

●【特別企画】ミニバン用エコタイヤ「ECOPIA PRV」で京都にGO
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120726_548873.html

●【特別企画】“Wで止まる”スタッドレス「BLIZZAK(ブリザック)」をミニバンで試す(前編)
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20121212_578114.html

夏タイヤと遜色ないドライ/ウェット路面性能で快適長距離ドライブ

 前編では走り慣れた一般道/高速道/ちょっとした峠道をREVO GZで走ってみて、とてもスタッドレスタイヤとは思えないほどの安定性と快適性を実感した訳だが、今回の道のりも8割以上がドライ路面の一般道と高速道。往復711Kmというちょっとした長距離ドライブなので、タイヤがイマイチだと運転手も同乗者も「体の疲れ」という分かりやすい症状が現れてしまう。

 以前に乗っていた超重量級4WDミニバンに比べれば相当軽い愛車FFヴェルファイアだが、とはいえ「Lサイズ重量級ミニバン」であることに変わりはない。クルマの重量はタイヤ4本それぞれがハガキ1枚程度の面積で支えている訳で、クルマが重くなればなるほどタイヤへの負担も当然増える。寒くても硬くならない「しなやかさ」が求められるスタッドレスタイヤだが、柔らかいということは当然ドライ路面でのグニャグニャ感が出てきてしまう(はず)。愛車の標準タイヤサイズは215/60 R17 96Qなのだが、このサイズはREVO GZシリーズの中でも重量車向けに「しっかり感アップ」チューニングが施されているそうだ。

 加重指数(LI) 96=タイヤ1本あたりの負荷能力 710kg、レボ発泡ゴムGZや非対称トレッドパターンなどさまざまな技術のおかげで、防音デッドニングしまくりで標準よりもさらに重くなっている愛車でも、まるで夏タイヤと同じような感覚でドライブすることができるのは開発努力と技術の進歩さまさまだ。

中央自動車道経由ではなく、関越自動車道・上信越自動車道経由で乗鞍高原を目指す。駐車場で周囲のクルマを見ると、スタッドレス装着率はまだまだ低い印象。冬の高速道路は冬タイヤでね!
横川SA(サービスエリア)に立ち寄ったので、お約束の釜飯をモグモグ。ブリザック REVO GZも釜飯も様々な技術と愛情が込められていてカタチが丸いという、実は仲間だったのだ
天候に恵まれ、渋滞も特になく、絶好のドライブ日和。日本海側に向かって走ると雪国っぽい雲がだんだん増え、山の向こうは雪が降っているかな~、と期待が高まる
一気に進んで、安曇野の一般道。あらっ...-1度の表示だが、道路も周囲も雪がまったく見当たらないぞ。このまま雪がなかったら完全に企画倒れ、どうしよう……(汗)
ちなみにこちらは11カ月前の様子。油断していると一晩で景色が真っ黒から真っ白になることも珍しくないので、冬のドライブには冬タイヤが必需品ですぞ

トンネルを抜けて、山を登ると、そこは雪国だった!

 上高地や乗鞍方面にドライブしたことのある方ならご存じだろうが、ふもとにある「道の駅 風穴の里」を過ぎたあたりから急激に降雪量が増え路面状況も厳しくなるため、この道の駅でチェーンを装着するクルマが多く見られる。今回は時期がちょっとだけ早かったせいか(12月初旬)道の駅周辺もまったく雪がない状態で、その代わりと言っては何だが野生の猿が斜面をやたら歩き回っていた。

 峠道を進み、東京電力の奈川渡ダム付近まで登ってようやくうっすらと雪景色が現れた。今シーズン初の雪道走行、筆者はわーいわーい!と子供のようにはしゃいでいるが、妻は昨シーズンのズルズルスリップ登れません体験(REVO 1を履き潰した後、安さに釣られて購入した某ブランド高速道路重視型スタッドレスタイヤの3シーズン目で大変苦労した件)が記憶に新しいらしく、「大丈夫なの?本当にチェーン巻かないの??」と心配顔。「大丈夫大丈夫」と笑顔で答えつつも、内心(本当に大丈夫かな……)と不安が残っていたのも事実。その後5分10分と進むにつれ景色は一変、アッという間に冬山銀世界と圧雪路面の峠道となった。

 REVO GZの感触を確かめつつ慎重に慎重に、そろーりそろーりとアクセル、ブレーキ、ステアリングを操作する……必要もないんじゃないかと思うほど自然に登り、自然に曲がり、自然に止まる。タイヤのグリップを全身で確かめつつ運転したこともあり、宿に着くまでTRC(トラクションコントロールシステム、滑りやすい路面での発進や加速時のスリップを防止)やVSC(車両安定制御システム、カーブや急ハンドル時の横滑りを緩和)が介入することもなく走破できた。よっぽど滑りにくい雪道なのかと思い試しにクルマを降りて歩いてみたのだが、この時期らしい降っては溶け、溶けては凍り、また降ってを繰り返した見事なミルフィーユ圧雪凍結路面で、昨シーズンの某スタッドレスだったら確実にチェーンが必要な状態だった。う~ん、REVO GZ、(当たり前だが)雪道でもスゴいタイヤだぜ!

●トヨタ トラクションコントロール(TRC)
http://www.toyota.co.jp/jpn/tech/safety/technology/technology_file/active/trc.html

●トヨタ 車両安定制御システム(VSC)
http://www.toyota.co.jp/jpn/tech/safety/technology/technology_file/active/vsc.html

●国民休暇村 乗鞍高原
http://www.qkamura.or.jp/norikura/

まあ、なんということでしょう。ほんの少しの標高差が、景色を一変させてしまいます。冬の魔術師 REVO GZが、匠ならではの素晴らしい雪道走行を(以下省略
よりよいタイヤテストのために、先ずは温泉へ。いや、よい仕事をするための体力回復ですから。仕事のためですよ、仕事の。ははは
信州の恵みをたっぷり堪能できる、冬の味覚会席。安心ドライブができたからこそ、よい雰囲気で楽しくおいしく食事を楽しめる。しみじみ

GOOD MORNING 信州!乗鞍高原は今年もパウダースノー!

 まだ真っ暗な夜明け前、正面自動ドアを手動で開けてもらって早速愛車へ向かう。昨日の圧雪路面に新雪が降り積もった状態を走るならこの時間帯しかない。昨夜からの降雪量は10cm程度で乗鞍としては降っていないも同然の少なさだが、走ってみるには十分。1シーズンぶりにスノーカッター付き雪はねブラシを手に取り、クルマの雪を払う。

 筆者の出身地方面はベタついた重い雪が降るためクルマの雪はねも重労働なのだが、乗鞍はいつ来てもパウダースノー。この日の気温は-5度前後とスキーに最適なのはもちろんだが、まさに吹けば飛ぶような軽さなのでブラシでサッと払うだけでよい。

雪が降らない東京の冷え込みよりも、雪が降っていたほうが寒く感じない気がする。が、やっぱり寒い(笑)。新雪を踏んで歩くと雪が綿のようにフワッと飛ぶ軽さだ
じゃーん!これまた今シーズン初登場のアイスカッター付き雪はねブラシ。誰もいない駐車場でゴソゴソ写真を撮る筆者は相当怪しいはずだが、誰もいないので問題ない
綺麗な状態のまま凍ったガラス面に、パウダースノーが積もっている。そのため、ふわっ!と払うだけで綺麗に雪が吹っ飛んでくれる
ボンネットもふわっ!ふわっ!と雪を払い落とす。グリル部分に雪が詰まっているとオーバーヒートの原因になるので一応確認
無駄なアイドリングはやめましょう。だが、雪山でいきなり走り出すのも無理な話なので暖気をしつつ。左下のTRC作動表示灯はタイヤがスリップすると点滅する
いくら乗鞍のパウダースノーとは言え、暖かい車室内に入れば当然溶ける。溶けかかった雪がペダルに付き、踏み固めて、ツルッ!とならないように要注意
今シーズン初のクルマつらら。LED灯やディスチャージ灯は発熱が小さく雪が融けにくいので、筆者はハロゲンフォグランプ派だ

 はやる気持ちを抑えつつ、安全に十分配慮した上で雪道ドライブを開始。昨日踏み固められた圧雪路は完全に凍結し、その上に新雪がふわっと乗っている路面状況だが、走る、下る、止まる、曲がる、登る、とにかくすべての動作においてガツッ!とタイヤがグリップしていることを体感。ABSも何もないクルマで雪道を覚えた筆者にとってTRCやらVSCやらの制御介入は未だに少々違和感があるのだが、REVO GZの場合はタイヤ自体がしっかりとグリップしていることをステアリングから、アクセルから、ブレーキから体を通して感じ取ることができ、とにかく乗りやすいのだ。

 どんなに高性能な車両制御システムがあったとしても、物理的にタイヤの性能を超えた動作は不可能だ。これ以上進入スピードを上げたら、これ以上ステアリングを切り込んだらスリップするだろうなーという状況を(くどいようだが周囲の状況と安全を十二分に確認した上で)作り出してみても、一瞬VSCが介入してグイッ!とクルマを正しい走行ラインに戻せる氷上グリップは流石と言うしかない。前編で「夏タイヤ並みのドライ/ウェット性能があってライフも改善したのなら、雪道はダメなのでは……」と書いた不安は、1ミクロンのかけらもなく完全に解消。それどころか、重量級の、しかも雪道登坂には弱いとされているFFミニバンが水を得た魚のように雪道を走り回れ、ガツンと止まれるREVO GZ。実際に乗ってみないことには伝わりにくいとは思うが、登り、下り、坂道発進などをビデオで撮影したので合わせてご覧頂き、筆者感動の雪道グリップ性能を共有していただければ幸いだ。

ふもとから休暇村までの峠道はアチコチに「勾配 10%」の標識があり、FFミニバンには少々ツラい雪道登坂となっている
アスファルトの上に新雪がふわっと積もっただけでしょう、と見えるかも知れないが、白い雪の下に見えているのはカチカチのアイスバーン。慣れない人が歩けばすぐに転ぶレベルだ
氷の上に乗った雪は滑る。重いクルマは下りで止まりにくい。悪条件の見本のような峠の下りでも、安心してFF重量級ミニバンを走らせることができるREVO GZ
明け方 圧雪凍結路の上に新雪 峠道下り -5度 2分33秒(ギシギシ音は、三脚とシートがこすれている音です)
明け方 圧雪凍結×急カーブ×下り×バンプ -5度 11秒
明け方 圧雪凍結路 坂道発進 -5度 18秒
明け方 圧雪凍結路の上に新雪 坂道発進×2 -5度 56秒
明け方 圧雪凍結路の上に新雪 峠道登坂 -5度 3分18秒
圧雪凍結路に新雪が積もった下りの急カーブ、しかもジャンプ台のようなコブがある個所。ここでもREVO GZはガツン!とグリップしてくれた
別のスキー場へのアプローチ道路は、斜度表示はないが結構急な登り坂。ガリッ!と雪に食いついた後、何事もなく登っていけた
ダラダラと続く登り坂は途中何カ所か橋があることもあり、昼でも凍結しやすいポイント。重量級FFミニバンには非常にツラい登りだが……くりくりクリアー!
砕けた圧雪がボコボコ状態で凍っている、チェーンなしでは登れないタイヤも多そうな場面
圧雪凍結路かつキツい登りのヘアピンカーブで、FF重量級ミニバンがチェーンなしでグイグイ登るのは感動的!

本当に怖いのは圧雪凍結路がちょっと溶けかかった路面。でも強力グリップ!

 真っ暗明け方に行った雪遊びじゃなくて走行テストは、本当に筆者の度肝を抜くブリザック REVO GZの感動性能を体感することができた。なにしろ、重量級ミニバン、それも凍結路登坂が苦手とされているFF車がチェーンなしでグイグイ登る、曲がる、止まるという、知らない人には「ふ~ん」かも知れないが、その実態を知っている人にとっては「ま、まじで!!」というグリップ力、トラクション性能を発揮してくれたのだから。

 昨シーズン、スリップしまくり、チェーン脱着しまくりで筆者は疲れ、家族は不安を感じつつの雪道ドライブを多数経験しただけに、この感動は言葉では言い尽くせないものがある。ドライ/ウェットだけではなく、凍結路面でも自分のイメージしたとおりにクルマを操ることができ、リニアなグリップ感がステアリングを通じて感じられるので運転が楽なのだ。この興奮をとにかく誰かに伝えたくて仕方がないが、まだ外は真っ暗、妻も寝ているので朝5時の温泉につかりつつ一人でニヤニヤ。ニヤニヤ。ふふふ(笑)。

青い空、白い雪、雄大な北アルプス。あ~、最高!!!!
パウダースノーは降らなくても風で飛んできて吹き溜まりを作る。子供が小さい頃は、足跡を付けて大喜びしていたものだ(笑)
いつも新車状態を心がけている車室内だが、吹雪いている日はどうしようもない。ドアを開けた瞬間にぶわっ!
明け方に暖房全開で走り回り、暖かくなったフロントガラスに雪が積もって溶け、駐車中に再び凍った状態。こうなると暖房やフロントガラス熱線で溶かすのは時間が掛かって難しい
この時の外気温は-4度。このフロントガラスと同じ状態が、路面でも起きていると考えれば分かりやすい。いかにも滑りそう……
こちらは昨シーズン、外気温-8度だった時のフロントガラス。雪の結晶が見事に花を咲かせ、とても美しい
ガリガリ君状態の氷は、スノーカッターでガリガリ取るのが一番。間違ってもお湯を掛けたりしてはいけないのだ。(温度差で窓が割れます!)
REVO GZのような気持ちよさで、ガリガリサクサクと氷を剥がし取る。このとき、ボディーに傷を付けないよう注意が必要だ

登るっ!登れるよ!重量級FFミニバンでも、REVO GZなら雪道が登れるよ!!

 のんびり朝食を取り、先ほどのREVO GZの素晴らしさを妻に力説し、一通り満足したところで昼の部を開始。地域にもよるが、雪道が一番滑りやすいのは「積もって凍った雪が融けている」状態。濡れた氷が滑りやすいのは言うまでもないことだろう。北海道や東北でイヤと言うほど雪道に慣れている人でも、比較的暖かい関東のスキー場に向かう際に思わぬヒヤリハット体験をしてしまうのはこのためだ。しっかり路面が凍った状態での高性能は今朝十分理解できたので、いよいよ最難関の「ちょっと溶けた圧雪凍結路」を走ってみることにしよう。

 前編にも書いたが、筆者は1台を除きずーっとFF車を乗り継いできた。実家は豪雪地帯ではないが海沿いの積雪地域なので地吹雪や凍結が多いのだが、FFで走れないような場所は4WDで入ってもヒドい目に遭うというポリシーの元(笑)、FF車を好んで乗ってきた。その後初めてミニバンに乗るに当たり、重いしデカいし重心高いし雪道走行前提なのにFRは有り得ないな~と思いデフロック付き4WDを選んだのだが、抜群の走破性と引き替えにガソリンタンクに穴が空いているような極悪燃費と戦うハメになり、現愛車では再びFFを選んだ。

橋や高架道路などは通常道路に比べて温度が下がって凍結しやすいポイント。できるだけクルマを安定させてから進入するようにしたい
走り始めてまもなく、スリップ脱輪救助中の場面に遭遇。う~ん、気をつけよう
うっすら黒く見えるところは氷が顔を出している部分。それ以外は氷の上に雪が乗っている状態。いずれにしても滑りやすいが、朝一番なので路面は綺麗な状態だ
ABSの普及により、信号手前など皆がブレーキングするポイントは砕かれた圧雪が散らばっている状態に。昔ならツンツルテンに磨き上げられていたポイントだ
下り勾配10%の圧雪凍結路。ABSが効きっぱなしになったり、クルマがアウトに膨らんでしまうような恐怖感を微塵も感じさせることなく、しっかりと安定走行できた
朝 圧雪凍結路の上に新雪 下り -4度~-3度 6分
昼 圧雪路+圧雪粉々 登坂 -2度 8分(4分あたりから、さらに過酷な状態)
昼 圧雪凍結路の上に新雪 登坂 TRC/VSC 強制OFF -3度 2分35秒
外気温が-2度まで上がり(笑)、通行車両も増えたことで圧雪が粉々に砕けたような状態。フロントウインドウにも溶けかかった雪がへばり付いて凍り始める
ラムネをばらまいた上を走るような状態だが、粉々の圧雪をしっかり掻き出して、その下の凍結路面をガッチリとらえて登坂するREVO GZはスゴい!
溶けたり凍ったり散らかったり、圧雪が柔らかくなり重量級FF車にはシビアな路面。TRCが時折動作するものの、タイヤと路面の状況が手に取るように感じられる
試しにTRCとVSCを強制OFFにして登ってみる。燃費の面では相当無駄が出るが、タイヤはガッチリグリップし、ステアリングのフィードバックもバッチリ、楽しい~!

 正直、昨シーズンの雪道では、FFヴェルファイアを選んだことを深く後悔した瞬間が何度かあった。以前乗っていたウインダムも重量級FF車なので同じような感覚で走れるかと思ったのだが、とにかく雪道登坂がまったくダメダメだったのだ。4WDからFFに乗り換えたということもあり、その時はまさか「タイヤが原因」だとは思いもよらなかった。確かに高速重視お値打ちスタッドレスの3シーズン目なのでグリップ低下は仕方がないが、それにしてもこのダメっぷりは重量級FFミニバンだからに違いない。あーぁ、デフロックできなくてもいいからやっぱり4WDにしておけばよかったなー、しおしお……と思いつつチェーン脱着を繰り返していた。

 ところが、だ。ブリザック REVO GZを履いたFFヴェルファイアは、ガッチリ凍った明け方だけでなく、ちょっと路面が緩んで走りにくくなる日中でもまるで生まれ変わったかのように抜群の安定感で走行することができたのだ。FFでこの走破性なら、デフロック4WDに履かせたら乗鞍岳の山頂まで登れてしまうのではないかと思うほどのグリップ感。思わず「うおぉぉ!登る!」「ガッチリ止まる!!」と叫んでしまい、ビデオを撮り直すために登ったり下ったり何度も走り回ったのはここだけの内緒話だ(笑)。

あ、交差点だ。ギュッ(停車) あ、赤信号だ。ギュッ(停車) 一度止まってみただけでも、REVO GZの圧倒的な氷上グリップ性能は体感できる
ちょっと走っただけでも、車体後部には雪がべったりと貼り付く。LEDテールランプは発熱が期待できないため、灯火類がちゃんと見えるよう定期的にチェックする必要がある
新雪が積もっている部分をゆっくり走ると、REVO GZのパターンがどのように雪を噛んでいるのかが分かる
リアタイヤには写真のような雪と氷の塊がくっつきがち。事故の元なので気がついたら蹴り落としておきたい

盤石の安心感! ブリザック REVO GZに惚れまくり!!

 ミニバンは室内が広く家族みんなが快適にドライブを楽しむことができる。室内が広いということはクルマ自体も当然大きく重くなってしまう。長距離ドライブともなれば家族全員の荷物が積み込まれ、重心バランスは後ろへ後ろへとシフトする。そして筆者の愛車は思うところあって敢えて選んだFF仕様。昨シーズンはタイヤがヘロヘロということもありどこに行くにも金属チェーンのお世話になっていた。金属チェーンは強力なグリップ力を発揮するものの、乗り心地は当然ガタガタ、制限速度すら出すことができず移動に時間が掛かり、ステアリングがブレまくって運転手が疲れるのはもちろん同乗者への負担も大きい。当分雪道方面へのお出かけは控えようかなとも思っていたのだが、それは完全撤回することにする(笑)。

 ブリザック REVO GZは、筆者が期待する、セダン+REVO 1で楽しんでいたような安心安全快適雪道走行を、重量級FFミニバンでも可能にしてくれた。しかも、ドライ/ウェット路面でも1級の性能を持っているので、ライフを考えてしょっちゅう夏タイヤとの脱着を繰り返して腰が痛くなるということもなさそうだ。

外気温-1度、路面は圧雪+シャーベット、傾斜10%の下りカーブ。千鳥足の標識が表す通り、実に滑りやすい路面だが安定して走行することができた
これからどんどん凍っていくであろう大きな池。あと1カ月もすればスケートリンクになっているかも
さらに下ると外気温0度、完全シャーベットの路面が現れた。夜にはまたカチカチに凍って、その上に雪が積もって……
往路はまったく雪がなかったダム湖の周辺も一晩で雪化粧。一晩でドカッと降ることも珍しくないので、常に心の準備が大切だ。カウルに溜まった雪もこまめに取り除こう

 いやはや、夏は思いどおりにならないハンドリングに「ヴェルファイアの走行性能はこんなものか……」とあきらめていたのがエコピア PRVに履き替えて激変し、あまりの雪道登坂性能のわるさに「FFヴェルファイアの走破性はこんなものか……」と後悔していたのがブリザック REVO GZへの履き替えて激変し、本当に目から鱗とはこのことだ。純正装着夏タイヤの性能がお粗末すぎたのは是非ともトヨタに改善を望みたいところだが、ヘボいスタッドレスタイヤを自己責任で履いた上にクルマが原因だと思い込んで文句タラタラだったことは愛車ヴェルファイアくんに深くお詫びしなくては。

 雪道ドライブが安心快適だったことで、帰路も大いに盛り上がりつつ寄り道をドライブ楽しめた。

お茶だけでなく、いろいろなお菓子や和スイーツが楽しめる「胡蝶庵」で1枚パチリ。抹茶生大福が妻のお気に入り
広い店内には喫茶軽食スペースもあるのだが、混んでいて写真撮影はできず。筆者はお茶を、妻は和スイーツ類を大人買い(笑)

●お茶元みはら 胡蝶庵
http://www.mihara-net.com/

何を隠そう、筆者は無類の蕎麦好き。信州に来たら、やっぱり蕎麦を食べなくちゃ。今回は「旬の香り 新そば」の張り紙に誘われてこの店へ
うまい、うますぎる!せっかくなので、蕎麦の味わいがより楽しめる田舎蕎麦を頂いた。うまい新蕎麦、至福の時間

●手打ち蕎麦 うちぼり
http://www.ja-azm.iijan.or.jp/tourist/map/2010/04/post-201.php

ちょっと来ないうちに、長野道 豊科ICが安曇野ICになっていた
帰路も長野自動車道、上信越自動車道、関越自動車道のルートを快調に走行。山脈を越えると一気に青空が広がっていた。気持ちいいぞ~!
ブリザック初の「エコ対応」スタッドレスタイヤとなるREVO GZは、スタッドレスタイヤなのに低燃費。往路燃費は355.1km走って満タン法 11.8km/L、復路は11.5km/Lと純正装着夏タイヤよりも低燃費でビックリ! 雪の峠道何度も往復し、撮影を含めたトータル走行距離は711.2km、トータル燃費 9.9km/Lだった

 クルマの評価をガラッと変え、安心快適ドライブで家族を笑顔にする力を持っているタイヤ。素晴らしいタイヤは、安心と、安全と、快適と、みんなの笑顔というかけがえのない価値を実現してくれる。

 重量級ミニバン仕様のエコ対応スタッドレスタイヤ ブリザック REVO GZに出会えて、本当によかったと思う筆者であった。大大大、大満足満足!!

高性能スタッドレスタイヤは、クルマの走行性能のみならず、家族との楽しい時間も演出してくれる。走る、登る、下る、曲がる、止まるを安心して任せられる信頼感は、ドライバーの心の余裕にも大きく寄与する。ブリザック REVO GZに感謝!!

(NAO)