特別企画

【特別企画】NAOさんのNEXCO東日本「ウインタードライビングスクール in Naeba」を体験してみた

篠塚建次郎氏のデモランをフルHD映像で収録。読者へのメッセージビデオ掲載

NEXCO東日本 ウインタードライビングスクール in Naeba

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は冬シーズンになると積極的にウインタードライビングスクールを開催している。すでに今シーズンは、北海道で開催され、先週1月19日には新潟県の苗場スキー場でも開催。さらに今週末の1月26日、27日には「雪道体験ドライブレッスン」が上信越自動車道 佐久平PA(パーキングエリア)直結の「佐久スキーガーデン パラダ」で開催される。

 本記事は、本誌人気連載「NAOさんのDIYでクルマいじり」でおなじみのNAOさんに、苗場スキー場でのドライビングレッスンを体験してもらったものだ。北海道の模様は別途記事として掲載してあるので、あわせてお楽しみいただければと思う。

●NEXCO東日本、北海道札幌市で「スノードライビングスクール」開催
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20121221_579928.html

●NEXCO東日本、無料の「雪道体験ドライブレッスン」を1月26日~27日開催
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130122_584538.html

篠塚建次郎さんに会えるなんて……

雪道ドライブ大好きな筆者がウインタードライビングスクールに潜入!ブリザックREVO GZでバッチリ冬仕様になっている愛車ヴェルファイアを苗場に持ち込み、パリダカでお馴染みの篠塚建次郎さん(写真)から直々にレクチャーを受けたリポートをお届けする

 今回筆者が参加したのはNEXCO東日本が1月19日に主催したウインタードライビングスクールだ。苗場プリンスホテル/苗場スキー場の駐車場に150×90mという広大な特設会場が用意され、ラリードライバーの篠塚建次郎さんの講演会と同乗走行直接指導が受けられるという往年のファンとしては涙ものの嬉しい企画。参加資格は普通免許所有者で、抽選などにより午前の部20名+午後の部40名が参加。参加者は関東地方と地元の方が多かったが、なかには香川県からはるばる参加した方もいて、雪道はまったく初めてという女性を含め幅広いドライバー層が集まっていたのが印象的だった。

 NEXCO東日本は「雪道の事故”ゼロ”を目指して」をテーマに定期的にドライビングスクールを開催しているが、雪道の事故率は夏の約2倍にもおよぶそうなので、こうした地道な活動が少しでもユーザーの意識向上に役立ち事故が減ることを願いたい。

講演会場の苗場プリンスホテル。超有名どころだが筆者は初めて訪ねたので、すっかりお上りさん状態
雪国ならではの心地よい爽やかな朝。明け方まで雪が降り続けたため、どの車も雪だるま状態
だが、ご覧のとおり路面に雪はほとんどない。結構な勢いで雪が降るのだが、それ以上の勢いで融雪用の地下水がジャバジャバと流されている
さすがは人気ホテル、建物も駐車場もビックスケールで用意されているが当日は満室/満車状態だった
豪雪地にしては珍しく、夏タイヤ+チェーンの組み合わせもよく見かける。除雪インフラが素晴らしい関越道と新潟県ならではの組み合わせと言えるだろう
筆者愛車のタイヤは、頼れる相棒、お気に入りのブリザック REVO GZ。安心して運転できる信頼感は本当に頼もしい
まるで絵はがきのような美しさ。スキーもしたいが、シノケン先生と会えると思うとワクワクが止まらない!

シノケン先生登場!雪道走行の基本を分かりやすくレクチャー

 午前の部でのみ開催される篠塚建次郎さんの講演会は定員40名程度と案内されていたが、受付時刻になると広い会場はあっと言う間に満席になり、補助席を入れても足りず立ち見がでる盛況ぶり。まずはスクリーンに篠塚さんの紹介ビデオが映し出されたのだが、これがまた、ファンにはたまらない映像なのだ。詳しくはキリがないので割愛するが、ご存じないという方は是非篠塚さんのパリダカ時代などをWebで検索してみてほしい。その後「雪道研究員 マンモシ博士」と「マナーアップ係長見習い マナーティ」、雪道研究員のお姉さんが登場して雪道の安全走行をアピール(詳しくはWebで、http://manmoshi.driveplaza.com/)、そして篠塚さんが登場し講演会が始まった。

 ABSなど安全装備についての説明や、「シートベルトを必ず締める」「運転に集中する」「確認を怠らない」「心に余裕を持って運転する」という安全運転の基本かつ極意を篠塚さんならではの体験談を交えて語ってくれた。一般道にしろパリダカにしろ、経験を積んで知識を身につけることで慌てずに対応でき、心に余裕をもって安全運転ができるという言葉は大変説得力があった。

究極のドラテクは安全運転だという真理。急いで事故ってしまっては、遅くなるばかりか大変なものを失うことになる。マンがいち、モシかしてを心に、マナーを守って走りましょう!
講演会開始前に上映された篠塚建次郎さんの紹介ビデオ。オッサンホイホイ、往年のファンにはたまらない映像が気分を盛り上げてくれる
篠塚さんらしい穏やかな語り口で、安全確実なドライビング理論を分かりやすく解説してくれた
NEXCO東日本 篠塚建次郎氏 講演会(ダイジェスト)

体験走行レクチャースタート!

 講演会場からバスまたは自家用車でドライビングスクール特設会場へ移動すると、想像以上に広いコースに皆驚かされた。150×90mのコースは「完璧」と言うにふさわしい圧雪路面が整えられており、発進・加速・ブレーキング、コーナリング、スラローム、それぞれの体験用にパイロンが並べられている。流れの説明、諸注意などを一通り聞いた後、早速レクチャーが開始された。

 腕に覚えのある人、全く初心者の人、さまざまな体験者がいる訳だが、まずは係員が同乗して基本的なレクチャーとコース説明をしてくれる。その後、いよいよ篠塚さんが助手席に乗っての同乗走行レクチャーとなる。レクチャー内容は参加者それぞれに合わせて丁寧に行われていたが、筆者は自分の番がきたらちゃんと対応できるかどうかで頭がいっぱい(笑)。皆順番に愛車またはNEXCO東日本が用意したFFコンパクトカーに乗り、各セッションを楽しんでいた。

想像以上に広々とした特設コース。安全かつ合法的に思いっきり雪道走行実験ができるこうした機会は、本当にありがたいと思う
マンモシ博士とマナーティ、雪道研究員のお姉さんはドライビングスクールにも登場。皆に楽しくイジられていた(笑)
「冬の高速道路は私達が守っています」。イベント運営中に無理言ってすみません、カッチョよかったので思わずパチリ!
発進、加速、ブレーキング。まさに基本中の基本だが、改めて広い雪道で体験してみると得られる経験は非常に多い
ガードレールにキスする心配も、他車に迷惑を掛ける心配もなく、思いっきり試してみることができる
篠塚建次郎氏が同乗しての体験走行。参加者が楽しくレッスンを受けていた
日常生活でパイロンスラロームをする機会はなかなかないが、車の挙動と限界を体感することはイザと言うときに必ず役立つはず
体験走行後、篠塚さんは一人一人に丁寧にレクチャーしていたのが印象的だった

ついに筆者の順番が来ましたよー!!ドキドキワクワク!!

筆者の走行。篠塚建次郎氏用にカメラをセットし、コメントをもらいながら走行しています。感激~

 折に触れて雪道ドライブ大好き人間を自称している筆者ではあるが、改めて運転をチェックしてもらう、しかも、あのシノケンさんに同乗していただくとなれば緊張するのも無理はない。(思わず正面撮影用カメラの録画ボタンを「ダブルクリック」してしまい、あとで確認したら録画されておらずバックアップ用で回していたスマホ撮影の動画で急場をしのいだことはここだけの秘密だ)。

 「急」の付かないアクセル、ブレーキ、ステアリングの操作、適切なドライビングポジション、メリハリを付けた荷重移動でタイヤをしっかりグリップさせるなど雪道安全走行のポイントはいろいろある訳だが、筆者が先生からどのようなコメントをいただいたかは是非動画を合わせて見ていただきたい。

まずは発進・加速・ブレーキング。TRCが動作するため段付き加速になっているが、アクセルはハーフ一定で踏み込み、ブレーキは床が抜けるぐらい踏み込んでみた
先生の「スピンしても構わないですから」とのお言葉に甘えて(笑)、それなりに横Gが掛かるスピードで旋回。ブリザック REVO GZが強烈にグリップ!
TRC以上VSC未満のオイシイ領域を使ってスラロームした……つもり(笑)。パイロンぎりぎりを攻めてゴール!これはクセになる楽しさだぞ
緊張しまくりの筆者ではあったが、いただいたコメントにすっかり有頂天(笑)。これからも安全走行を心掛けます!

シノケン先生のデモンストレーション走行は圧巻!

 全員の体験走行が終わると、篠塚さんのデモンストレーション走行の準備が始まった。明らかに一般車とは違う野太い音を奏でるラリー仕様のランサーエボリューションVIは、競技仕様そのままとのこと。吸気制限でパワーこそ300馬力と最近では驚かない数字だが、どこから踏んでもトルクが出るセッティングとターボラグを抑え込むミスファイアリングシステム搭載で、まあ、とにかく速そうだ(笑)。筆者は当然ビデオカメラを肩に担ぐのだが、いやはや、速い、ほんとに速い!4WDだし、きっと凄いデフだし、タイヤもやたらゴツい特別仕様だということはもちろん理解しているのだが、脳内での理解を超えた雪上の速さが目の前にあった。

なんと言ったらよいのだろうか、とにかく速い!(笑)。先ほどまで自分たちが走っていた場所だけに、余計に驚かされる
4WDだからとか、デフが効いているからとか、そういう言葉だけではなかなか理解できないこの雪上トラクション性能。凄い
じゃんけんに勝利した4人を順番に乗せて、くるくるくるくる……大サービス状態(笑)。筆者もじゃんけんに勝ちたかったよ~
雪上安全走行について熱心にレクチャーを受けていた参加者一同も、このキレた走りっぷりにはビックリ(笑)。本当に楽しい時間だった
篠塚建次郎氏デモンストレーション走行 ラリー仕様ランエボVI

篠塚建次郎氏から、Car Watch読者の皆さんへメッセージ

 雪道をまったく知らなければ当然雪道走行が怖いだろうし、雪道での走る・止まる・曲がるを理解しないドライバーが高性能車でかっ飛ばす光景もまた恐ろしい。今年は都内でも10年に1度の大雪が降り交通が大混乱したのは皆さん記憶に新しいことと思う。

 筆者はたまたま雪国生まれの雪国育ちだったのでクルマ雑誌やビデオで得た知識を日々の雪道走行で嫌でも実践することになった訳だが、非降雪地域の皆さんはこうしたドライビングスクールを活用するのが非常に有効だろう。雪道走行について、篠塚さんからCar Watch読者の皆さんへメッセージをいただいた。ご覧いただければと思う。

篠塚建次郎氏からCar Watch読者へのメッセージ

おまけ

 おまけとして、苗場までのドライブ道中を紹介する。初苗場のため、カーナビだよりで取材先である苗場スキー場に行ってみた。

首都高から苗場まではおおよそ200kmの道のり。関越道 月夜野IC(インターチェンジ)から一般道で行く予定だったが、カーナビの表示に誘われて湯沢IC経由に変更
関越トンネルを過ぎたあたりから景色がガラッと変わる。全員強制的にPAで冬タイヤチェックを受けるのは少々面倒だが、安全のためには当然の作業か
それなりに雪が降り続けているのに路面はビチャビチャという不思議な景色が目立ち始める。豪雪地帯の証、消雪パイプが活躍しているが、消雪区間を過ぎれば雪がモリモリ
一晩中除雪車が走り回っているが、ほんの数十分で凍結圧雪路の上に雪が降り積もる。豪雪地帯なんだなぁ、と実感する瞬間
気合いが入りすぎて真夜中に到着(笑)。まさに除雪作業の真っ最中で、新雪ブカブカでの走行を楽しむ?ことができた
谷川編集長から聞いた有名店、「ちゃんこ谷川」に立ち寄ってみた。が、ちょうど昼休み時間だったので記念撮影のみ
アーケードの上にこんなに雪が積もっているのに、道路は完璧に融雪されている。逆に考えると、この消雪設備が無かったら街の機能は麻痺してしまうのかもしれない
あっちもこっちも、除雪車とトラックがフル稼働。パーキングエリアには箱トラックに積もった雪を下ろすための設備もあるぞ
昼食は赤城高原SAで上州豚のとんかつをいただいた。天気に恵まれて景色も最高!とんかつうまうま

NAO