DIYでクルマいじり

NAOさんのDIYでクルマいじり

第17回:AVN-ZX02i のAR機能DS連携を試す!! さらにiPhone 5連携にも挑戦!

最近ちょっと流行のAR(Augmented Reality=拡張現実)技術を体験!iPhone 4/4Sを接続するだけでバーチャル拡張現実の世界を楽しめる

思った以上に便利で快適!AR機能とiPhone連携でイクラ丼を食べるぞ

 イクリプス(富士通テン)の9型大画面カーナビ「AVN-ZX02i」の素性を確かめるべく前回は1300kmほどの弾丸ドライブに出かけた訳だが、今回は未来をちょっと感じさせてくれる新機能を試してみたい。

 「クルマでDS」は前回ちょっと触ったし、iPhoneアプリの連携機能もなんとなく想像がつくのだが、「AR機能」というのは筆者初体験。そもそもARという言葉自体あまりなじみがないが、バーチャルリアリティがさらに進化したオーグメンテッドリアリティのことで、現実環境に情報を付加することで人間から見た現実世界を拡張……んー、まあ、1度使ってみれば分かるだろう(笑)。

ナビとスマホはライバルではなくてパートナーだということを実感させてくれるiPhone連携機能。iPhone 4または4Sに対応
「MENUボタン」「スマホボタン」の2タッチでスマホ連携画面に切り替わる。初めて使う際は、画面のQRコードから連携アプリを登録すると便利

 これらの機能を活用するためには、別途富士通テンから発売されているiPhone/iPod接続コード「IPC111」とAUX/Non-FADER/VIDEO OUT/VTR in用拡張コード「KW-1207」が必要だが、iPhone接続とビデオ入力ケーブルはAR活用に限らず持っていると便利なので常備したい。

 アプリの登録はApp Storeから検索してもよいが、ナビのスマートフォン連携画面に表示されるQRコードを読み込むのが楽だ。BTリモコン、スマホから目的地設定、ニュースリーダーにつぶやき機能と便利さ満点だが、筆者が気に入ったのは「どこCar」という停車位置まで徒歩誘導してくれる機能。なにしろ筆者は成田空港に駐車したら帰りに1時間は散歩を楽しめる駐車場活用のプロなので、こういったかゆいところに手が届く機能がありがたい。さて、それでは「AR機能」とやらの実力を見せてもらうかな。

●イクリプス iPhone連携アプリ一覧
http://www.fujitsu-ten.co.jp/eclipse/product/navi/app/index.html

●デンソー ナビコン
http://navicon.denso.co.jp/user/support/

目的地の検索設定、ニュース読み上げ、ナビリモコンなど便利な連携アプリが勢揃い。大きな駐車場でも愛車を見失わない「どこCar」は1度使ったら手放せないぞ
iPhoneがナビのリモコンに変身! 「smart nAVVi Link」はBluetooth接続なので、ミニバンの3列目からでも確実に操作できる
走る新聞斜め読み、「Carニュースリーダー」。さまざまなジャンルのニュースを合成音声で読み上げてくれる
iPhoneで検索した目的地をそのままカーナビに転送できる「NaviCon」。QRコードや連携アプリなど幅広い検索に対応しているのが便利
スマホ連携の設定は簡単。メニューからスマホ連携ボタンを選び、「接続」するだけですぐに利用できる
ARを含めたスマホ連携を多用する場合は、スマホ設置位置付近までDockコネクタを隠蔽配線するのが吉。通線工具を利用して適材適所にケーブルを引きだそう
日中は何かと忙しいのでクルマイジリは夜になるという方も多いはず。現場用の蛍光灯式投光器は本当に便利。ハロゲン式は発熱が凄いので車内での使用には適しません
9型大画面ナビ AVN-ZX02i AR機能「Driview」 走行中の様子 30秒

イクラ丼目的地セットOK、AR(拡張現実)機能を楽しみつつ新橋へGO

(左)ナビ画面を通常モードに戻すと、iPhone画面にAR情報が表示される。(右) 近くのユーザーがTwitDriveでつぶやいた情報も表示してくれる

 近場でよさげなどんぶり屋さんはないかと連携アプリで検索すると、以前北海道旅行で立ち寄ったことのあるお店の新橋支店を発見。1分もかからずササッと目的地を決めて設定する筆者に「もうちょっと調べたほうがいいんじゃないの?」とカミさんは若干心配しているがこれも何かの縁、さっそくARを試しつつイクラ丼ドライブに出発進行。

 いつもはセンターコンソールに転がしているiPhoneだが、今日はダッシュボード中央の一等地に鎮座。iPhone連携アプリ「Driview」を起動し、ナビのiPhone連携ボタンを押すとナビ画面の右半分に実写映像が映し出された。実写映像の上に誘導矢印やGPS精度情報、さらにドライブ中のつぶやきを共有できる「TwitDrive」のアイコンが重ねて表示されているのが新鮮な印象だ。まるで現実世界に情報表示が拡張されたかのような、文字どおり「拡張現実」の世界と言える。

アナログ時計とデジタル時計のように、左のナビ画面ではルート地図情報を論理的に理解し、右のAR/Driview画面では現実そのままの景色で直感的に進む方向を判断できる

 iPhoneカメラの映像はそのまま録画することができ、インカメラに切り替えれば車室内をナビ画面に表示することもできる。子供が小さい頃にこれがあったらよかったな~。直感的に案内してくれるDriview画面と、ときおり表示されるTwitDriveの情報でいつも以上に家族の会話が弾むなか、小一時間で目的地に到着。が、しかし!! 筆者、またしてもやらかしてしまったようだ。ネタでも何でもなくて素で3連発しているので、流石に反省する今日この頃。

●イクリプス iPhone連携機能 Driview
http://www.fujitsu-ten.co.jp/eclipse/product/navi/app/driview.html

●海鮮丼屋・小樽ポセイ丼
http://www.otaru-poseidon.jp/tenpo/shinbashi.html

高速を走っていると低い角度からの逆光でまぶしぃ~!という状況が長く続くことがあるが、どんな状況下でもAVN-ZX02iの画面はヴィヴィッドビューの効果でとても見やすい。これ、とっても大事です
がーん。まさかの、まさかの土曜・日曜・祝日休業。そう、ここは観光地小樽ではなくビジネス街新橋。カミさんの呆れっぷりが背中から漂っている。汗

そ、そう、奥さん、こういう時こそ「クルマでDS」ですよ!

 春が近づき気温も温かくなってきているためか、何故か筆者の毛穴からは冷たい汗が噴き出している気がする。そう、こういう寒い状況を一気に吹き飛ばせる(かも知れない)のが「クルマでDS」だ。

 ナビとニンテンドーDSの接続はiPhone連携同様に接続ボタンをタップするだけで簡単にできる。都道府県ごとにご当地キャラクターが登場し、DSの中に出てくるクルマに家族のMiiを「乗車」させるなど、小さい子供がいたらそれだけで大盛り上がり間違いなしの仕掛けは、さすが楽しさ最大級、エンタメナビを名乗るだけのことはある。孤独な弾丸ドライブの際にはよき話し相手にもなったくれたクルマでDSよ、この状況を打開して、どこかよい店に連れて行ってくれー!と心の中で叫びつつ、カミさんにクルマでDSの操作方法を説明し、新橋からほど近い築地場外市場を目的地に設定してもらった。

AVN-ZX02iには普通のDS用ゲームと同じパッケージに入った「クルマでDS」が同梱されている

 走り出して間もなく、徳川家康さんが近くにある東京タワーの観光案内を開始、終わったかと思ったら今度は築地場外市場の観光案内が始まった。ある程度の距離をドライブすると「ご当地クイズ」などさまざまな小ネタが展開されるのだが、今回はあまりにも近所だったためか観光案内が終わる前に目的地に到着してしまい、クイズのポイントは全員0点という結果だった。全員0点なのに何故か4人に順位がついていて、しかも目的地設定など各種操作を全部担当したママさんがビリという、またまたオイシイ展開になるあたりも見逃せない。

●イクリプス クルマでDS
http://www.fujitsu-ten.co.jp/eclipse/product/navi/ds/index.html

「へ~、Miiを乗せるんだ、面白いね~……」。いいぞ、クルマでDS。さっきのダメージを確実に和らげてくれている
「築地」「寿司」などのキーワードを手書きで入れると、パッと検索候補が表示される。手元でペン操作できるため、かなり操作しやすい印象
カーナビからDSに周辺地図を転送できるので、クルマを降りた後でもいろいろ遊ぶことができる。親はiPhone、子供はDSといった使い分けもできてGOOD
走行中はちゃんとスピードメーターが動作して、クルマの絵も走り出す。ぷっぷ~!
1問もクイズに解答していないのだが、ゴールしたのでとりあえず順位が表示された。全員0点なのに1位から4位まで順位が付くとは、これいかに(笑)
ご当地キャラクターは、土地柄にあわせたお国言葉で話しかけてくる。微妙なボケっぷりは、往年のエージェント「日向エリ」さんを彷彿とさせる
こちら、AVN9904HDに搭載されていたバージョンの「日向エリ」さん。我が家ではいまでも現役で稼働中
クルマでDSの目的地設定が完了すると、自動的にカーナビにも目的地設定が反映される。DSルートで設定後、ナビ側5ルートや出入口変更などの詳細設定も可能
ちょっと油断していると、突然始まる観光案内。内容はかなりシッカリしていて、はとバスツアーに参加しているような感覚で楽しめる
「エコ運転評価」は常にGOODを心掛けている。エンジン停止、ACCのみONにしていても「アイドリング状態」と判断されてしまうのはご愛敬か

築地場外市場に到着、海の幸を堪能! 「どこCar」で迷っても安心

 観光案内を楽しんでいると、アッと言う間に築地場外市場に到着。最寄りの駐車場にクルマを停め、iPhoneのケーブルを外せば連携アプリ「どこCar」が自動起動。現在地をタップ1発で登録しておけば広い駐車場でも安心だ。

 それにしても、築地場外市場はいつ行っても大盛況! どのお店も美味しそうで目移りしてしまうが、お値段と盛り具合はお店によって結構バラバラだったりするので自分と相性のよいお店を探すのもまた楽しみの1つ。イクラー(イクリプスカーナビユーザーのこと)がイクラ丼を食べるという当初の目的を忘れて、ウニや中落ちの入った海鮮丼をつい頼んでしまったのはここだけの秘密だ。

 丼食べて満足満足、観光客向けの高い魚は華麗にスルーしつつ何点かお土産を買って帰宅の準備。ここでiPhone連携アプリ「どこCar」が大活躍!全く土地勘のない場所を歩いて観光する時や、超巨大平面駐車場にクルマを停めたときなどは涙がでるほど重宝するに違いない。iPhone画面に表示されるAR情報を見ながら、スムーズに駐車場まで戻ることができた。

●イクリプス iPhone連携機能 どこCar
http://www.fujitsu-ten.co.jp/eclipse/product/navi/app/dococar.html

●築地場外市場
http://www.tsukiji.or.jp/

走行中は「Driview」、降りたら「どこCar」自動起動、iPhone連携とAR機能はドライバーの強い味方と言える
iPhone連携アプリ「どこCar」の現在地登録画面。現在地はGPSで測位してくれるので、駐車したらタップするだけでOK
待望の海鮮丼♪ 小ぶりに見えるが深さがあって具もたっぷり、おいしゅうございました
築地の賑わいと、「どこCar」AR機能の素晴らしさを両方実感できる、海鮮丼のような写真の例
クルマまでの残り距離をメートル(m)表示するとともに、常に矢印がクルマの方向を向いてくれるので安心して寄り道迷子になれる。AR表示と地図表示を切り替えられるのも便利
JR大宮駅ビル屋上の広い駐車場で「どこCar」を試してみたところ。駐車位置が目視では見えなくても、iPhone上のARにはバッチリ表示されている
まだまだ対応している駐車場は少ないが、駐車場によっては1台1台の車室まで正確にナビゲーションしてもらえるところもある。トイレやエレベーターまで案内してくれて、本当に親切

そもそも非対応(動作保証対象外)だけど、iPhone5との連携にチャレンジ!

 AVN-ZX02iのスマホ連携機能は発売当時最新だったiPhone 4/4Sに対応するよう開発されている。これは至極当然のことなのだが、問題は皆さんご存じの通りその後iPhone 5が発売され、さらに困ったことに長年使われてきた30ピンのApple Dockコネクタが廃止され、8ピンのLightningコネクタへと置き換わってしまったのだ。

 ただ単にコネクタ形状が変わっただけなら簡単なのだが、アナログ映像音声出力が付加されていたDockコネクタとは異なり、Lightningコネクタは「フルデジタル」仕様になっている。HDMI出力ケーブル、VGA出力ケーブル、その他もろもろ、すべて「変換ケーブル側にチップが内蔵」されており、シリアル通信で受けた信号を変換コネクタ側が必要な情報に変換して出力するという合理的なような、不便なような、そういう仕様なのだ。

 将来を見据えたインフラ整備なのだとは思うが、これまで周辺機器を買い込んできたユーザーとしてはなかなか辛いものがある。そして、iPhoneのアナログ映像出力信号を活用しているAVN-ZX02iのAR機能は残念ながらiPhone 5では使用できないことになってしまう訳だが、できないと言われると挑戦したくなるのが人情というもの(笑)。正式対応はメーカーさんの開発を待つとして、勢いだけの素人ユーザーレベルでどこまで活用できるかチャレンジしてみたのでご笑納願いたい。

DockコネクタからLightningコネクタに変わり、先ず困ったのが充電ケーブル。それなりの年月を掛けて、いつでもどこでも充電できる体制を整えたのが一気にパー……
VGA出力ケーブルも世代交代。4400円と結構なお値段だが、内部でシリアル-マルチスキャン対応アナログVGA変換していることを考えれば良心的なのかも
Lightning-Dsub 15変換アダプタに、Lightning-USBとDsub 15ケーブルを取り付けたところ。これでAR機能もバッチリと思ったのだが……
アナログRGB出力をそのままAVN-ZX02iに入力することはできないため、ダウンスキャンコンバータでNTSCコンポジット映像信号に変換する。1台持っていると何かと便利
と、言うわけで、またまたインパネばらし(笑)。何度も何度も分解しているせいか、アルミスパッタリングパネルの爪が少々甘くなってきたのが気がかり
AVN-ZX02iに取り付けたKW-1207マルチAVケーブルのビデオ入力に、ダウンスキャンコンバータのコンポジット出力を接続する。最近つなぎ替えが多いので、パッシブセレクタを噛ませることにした
ビデオ対応iPhone/iPod接続コード IPC111のUSBコネクタに、iPhone 5用のLightning-USBコネクタを接続。この段階でどこまで認識できるか興味深い
おやっ?一発で認識!、AVN-ZX02iとiPhone 5のUSBペアリングは拍子抜けするほど簡単に成功。もしかして楽勝?(笑)
まあ、そんな訳はないですよね……。アナログVGA出力アダプタを噛ませた途端にまったく認識せず。映像を2系統出力させないための仕掛けがあるようだ
電流不足かと思い、試しにセルフパワーUSB 2.0ハブを噛ませてみたが変化なし

AVN-ZX02i × iPhone 5連携 改造なしで使える機能は? そして……

 iPhone 5のLightningコネクタと従来のDockコネクタにアナログ系統の互換性がまったくないことはよーーく分かった。一先ず、Bluetooth経由でどこまで活用できるか試してみたいと思う。Bluetooth接続の場合、「iPhone 5だったら明確に拒否」といったプログラムがされていない限りは、おそらく動くはずだという淡い期待をもちつつ各種設定をしてみたのだが、幸いなことにBluetoothオーディオ、ハンズフリー通話、電話帳連携などは特に問題なく動作することを確認できた。

Bluetoothでの「連携機器登録」は、拍子抜けするほど簡単に一発クリア。デバイス名も正しく認識され、ハンズフリー、オーディオ、スマホ連携が「使用可能」と表示された
試しにBTオーディオを再生してみる。ネゴシエーション失敗、音飛びなどのトラブルも一切なく、ごくごく普通にAVN-ZX02iとiPhone 5が接続できた
続いてハンズフリー通話。ご覧のとおり、こちらも問題なく動作できている。117だけでなく、友人と通常の通話を試してみたが問題は発生しなかった
電話帳転送、ワンタッチダイヤルなどの挙動も異常なし。少なくともBluetoothオーディオとBluetoothハンズフリーについてはiPhone 5でも安心して活用できそうだ

 とはいえ、動作保証対象外であることに変わりはないため、使っている最中にデータが吹っ飛ぶなどの事態も想定できる。挑戦される方はくれぐれもバックアップに留意されたし。また、VGA変換ケーブルのコネクタ部分はモールド仕上げ(樹脂で完全に固めた状態)ではないものの、ホットボンドのようなものでガッチリ接着されているため残念ながらある程度破壊しながら分解するしかないようだ。根気よく接着部分をカッターなどでチビチビ剥離することも不可能ではないだろうが、間違ってズバッと指を切ったりしないようくれぐれも注意してほしい。

 AVN-ZX02iとiPhone 5間においてBluetooth経由での接続・動作に特に問題がないことはほぼ確認できたら、残る最大の課題である「AR機能」への対応だろう。前記のとおりAR機能は結構役立つことが確認できただけに、ぜひともiPhone 5でもその利便性を享受したいものだ。VGA出力をダウンコンバートし、それをナビの映像入力に入れると正常に表示できることは確認済み。だが、しかし、いくらアナログ映像を入力したところで、ナビとスマホがUSB経由で通信し「今から映像送るからね。」「うん、ありがとう。」と合意しない限りDriview画面は正しく表示されないのだ。

 LightningとUSBを直接接続するとナビは連携モードに入り、中間にVGAアダプタを挿入すると認識できなくなる。明らかにVGAアダプタに搭載されたデイジーチェーン用Lightningコネクタの出力信号に細工がされているようだ。とはいえ、ここを解析してハッキング用の別チップを製造するなど個人レベルでできる訳も無く、筆者はタミヤの電池入りプラモでつちかったカット&トライ技術を総動員。話せば長いのだが、以下のプロセスで一先ずAVN-ZX02i × iPhone 5、Driview画面に映像が出たよというところまでは進捗することが出来た。とはいえ安定度と実用性はまったくないため、メーカー側での正式対応に期待したい。AR映像自体は簡単にアナログ入力できるのだから、「Driview」のプログラムをちょちょいと改修してもらって、USB経由でiPhoneを正常検出できない場合でも手動でDriview走行モードに切り替えできる……とか。

何がどうなっているのかが分からないと対策の立てようもない。と、いうわけで、Lightning-アナログRGBアダプタをバラす、バラす、怪我に気をつけてひたすらバラす
チョコザイなアルミシールド固定ハンダは、フラックスと吸い取り線で地道に掃除して行けばパカッと分解できる
Lightingコネクタは裏表関係なく差し込むことができるが、本体側のコネクタを見ると片面しか接点が実装されていないことが分かる
まずはピンアサイン研究。どちら向きに接続してもよい8ピンと聞いたので、てっきり裏表対照のクロス配線なのかと思ったら「自動判別で動的にアサインが変わる8ピン」になっているようだ
USB 2.0のDATA+とDATA-を探し出して、「最初だけ接続」「交互に接続」、まず無理だろうけども「並列接続」などで問題をクリアできないかどうか実験。クリア……できない……
最初にVGAアダプタ、途中でナビをUSBデバイス認識させる方法で、なんとか画像を表示させることができた。が、表示サイズ、安定性、実用性に難有り。Driviewアプリがナビを認識しなくても動作してくれれば問題解決できそうなのだが……

AVN-ZX02i徹底解剖、研究の日々は続く。次回はさらなるITクルマを目指して

 非サポートのiPhone 5連携は、試せば試すほど疑問と壁が産まれてきて実に興味深い。今回ちょっと実験してみただけでもLightning-VGAアダプタとLightning-USBケーブル数セットが犠牲となった訳だが、試す度にちょっとずつ進捗があるのでパズルを解くような感覚だ。

 アナログVGAアダプタについては、USB2.0と思われる信号系で最初にネゴシエーションし、映像信号自体はもう1系統配線されている何らかのデジタルシリアルバスでやりとりしているようだ。たが、USB 2.0の結線が切れると画像変換処理も直ちに停止する仕様になっており、「最初だけ騙せばOK~」ともいかない様子。また、変換アダプタの基板上にソレっぽい空きパターンや空きランドを発見、片っ端からショートテストしたものの隠しコマンドは発見できなかった。

●導通テストした結果から推測されるLightningコネクタのピンアサイン(あくまで参考)

仮のピンアサイン12345678
仮に表GNDDATA+DATA-VBUS別DATA別DATA
仮に裏DATA+DATA-VBUS別DATA別DATAGND

※「別DATA」が何なのかは謎。

 今回分解したハーネスでは、GND=黒、DATA+=水色、DATA-=淡黄色、VBUS=赤だった。どっちが表でどっちが裏かは分からないが、総当たり導通テストしてみると表と裏で結線が異なっていることが分かる。また、Lightning-USBコネクタとLightning-VGAコネクタの両方を破壊じゃなくて分解してみると、USB 2.0以外に何らかのデジタルシリアルデータ系統が1つあることが分かる。

 VBUSとGNDに+5Vを印加すると充電できるかと思ったが、従来のDockコネクタでもDATA+とDATA-にプルアップ抵抗が必要だったように、何らかの仕掛けがないと正常に充電できない模様。謎のチップもコネクタ内部に埋め込まれていたし、う~ん、奥が深すぎるちょっと難解な話になってしまったので、前回弾丸1300kmドライブした際にコレクションしたご当地キャラを見てリラックスしてもらえれば幸いだ。

 長くなったので今回はこの辺で締めようと思うが、AVN-ZX02iを核としたスーパーマルチメディアシステム(死語?)構築は着々と進んでおり、次回はその集大成をお見せしたいと思う。花粉の季節、クルマのエアコン/エンジンエアフィルターの点検もお忘れ無く~、また次回お会いしましょう!

●前回の弾丸長距離ドライブなどで出会ったご当地キャラの皆さん

ご当地キャラ 埼玉県 熊谷直実さん
ご当地キャラ 千葉県 伊能忠敬さん
ご当地キャラ 東京都 徳川家康さん
ご当地キャラ 福井県 新田義貞さん
ご当地キャラ 長野県 真田幸村さん
ご当地キャラ 新潟県 上杉謙信さん
ご当地キャラ 富山県 富山の薬売りさん  (えっ!?
ご当地キャラ 石川県 前田利家さん
ご当地キャラ 群馬県 足利尊氏さん
おまけコーナー: 台湾で見つけたイクリプスという名前のスースーするタブレット菓子。もちろんカーナビとはまったく関係ない(笑)

NAO