DIYでクルマいじり
NAOさんのDIYでクルマいじり
第15回:大画面最高~! 9型大画面ナビ「イクリプス AVN-ZX02i」をDIYで取り付けよう
(2013/2/4 00:00)
筆者は先日NEXCO東日本(東日本高速道路)主催のウインタースクールで篠塚建次郎氏のレクチャーを受けるというラッキーな体験をしてきたのだが、その際にうかがった安全運転極意の1つである「心に余裕を持って運転する」を実践するためには、信頼できるカーナビが道案内してくれることも重要だと思う。
何を隠そう筆者は方向音痴……ではなくて、車載機器大好き人間として黎明期からカーナビを購入して使ってきた。初めて愛車に取り付けたのはソニー「NVX-1」というCD-ROMタイプカーナビだったのだが、本体とモニターで確か40万円以上したような記憶があり、ナビ性能も現在のものとは比較しようがないほど簡素だった。しかも翌年「NVX-F10」という後継機が半額以下で発売された時には、いくらムーアの法則があるとはいえショックで寝込んだような気がする。それでも「カーナビがある」「地図が出る」という安心感は絶大であり、SA(サービスエリア)に駐車しただけで「おっ、カーナビですか!」とクルマ好きから声を掛けられたのもよい想い出だ。
その後乗り換えたクルマにはトヨタ純正ナビが強制標準装着されていたのだが、これが何とも使い勝手がよく、筆者も家族もすっかりその操作性に慣れてしまった。次に乗り換えたクルマはオーディオレスが選べたのでカーナビも自分で装着したわけだが、慣れ親しんだトヨタ式インターフェイスがよいな……と思っていたところ、なんと、イクリプスのナビはトヨタ式インターフェイスの進化版ではないか。(※OEMなので当然と言えば当然)と、言うわけで、筆者のナビ人生はその後「AVN9904HD」「AVN778HD」、今回の大画面ナビ「AVN-ZX02i」とイクリプスありきで歴史を刻んでいくことになる。
各車種専用設計で「ヴェルファイア」に完璧フィッティング→さらに改造!?
筆者がイクリプスナビ更新機として選んだのは9型大画面と任天堂DSやiPhoneとの連携機能が魅力的な「AVN-ZX02i」。アルファード/ヴェルファイア(以下、アル/ヴェル)、プリウス、アクアなどのトヨタ車、フィット、ステップワゴンなどのホンダ車などで車種専用設計キットを用意し、限られたインパネ空間に最大級の大画面を搭載できるのが特徴となっている。
ヴェルファイアの場合、特に車輌側を改造する必要もなく純正パネルと置き換えるだけでサクッと9型大画面ナビがインストールされる訳だが……そう、筆者の愛車はすでに「1DIN分の余計な小物入れをどかして3DINまるまる使うぞ大作戦」を実施済みであるため、逆にそのまま取り付けることができない状態なのだ。3DIN化改造は結構難易度が高いのでまたの機会に紹介したいと思うが、まずは今まで使っていた「イクリプス AVN778HD」の収まり具合を見てほしい。
エアコン操作パネルギリギリまで下げて設置できるようにしているため上下のつながり感はバッチリだが、左右の黒い部分は「はい、フタをしました」感がどうしても漂ってしまう。これはこれで工夫してキレイに収めたつもりなのだが、一度AVN-ZX02iの横幅ピッタリ大画面をカー用品店店頭やWebサイト(http://www.fujitsu-ten.co.jp/eclipse/)で見てしまったら、もう、16:9ハイビジョンテレビなのに4:3番組を見ているような感じがしてならない。気がついた頃にはお店に行って「すみません、これください」と言ってしまいそうな心境は皆さんにもよくお分かりいただけると思う(笑)。
●【ナビレビュー】ニンテンドー DS連携9型大画面ナビ「AVN-ZX02i」ファーストインプレ
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120529_534536.html
難しそうなカーナビの取り付けだが、実はDIYでもカンタンに
最近はスマホやPND(Portable Navigation Device)の進化でいわゆるカーナビを取り付けない人も増えていると聞くが、筆者に言わせればこんなにモッタイナイことはない。車室内にラジオがあるだけで窓ガラスをいきなり割られる物騒な国もある中、我がニッポンはいろいろ言われつつも抜群の治安を維持しており、安心してクルマに貴重品をゴテゴテ取り付けることができる希有な国なのだ。しかも、スマホが進化してるということは、カーナビも当然進化を続けている訳で、クルマ好きとしてカーナビ専用機を楽しまないなんてクリープを入れないニドのようなもの。
講釈はともかく(笑)、今回用意したパーツは「イクリプス AVN-ZX02i本体」「フロントアイカメラ FEC111」「バックアイカメラ BEC111」「2メディア/3レベル対応VICSユニットVIX110」など。前後カメラやVICSはすでに取り付けているのでは?と思われるかも知れないが、取り外したAVN778HDは筆者宅新入りのコンパクトカーに移植する予定があるため一通りのパーツが必要なのだ。そう、前回「新入りコンパクトカーを紹介する」と予告したが、こちらは後々紹介するので了承願いたい。
カーナビの取り付けに必要な配線は電源、スピーカー、パーキングブレーキ信号、バックランプ信号、車速センサー信号、アンテナ系統など。イクリプスナビからイクリプスナビへの載せ替えであれば、ほとんどの配線はコネクタをそのまま差し替えるだけで対応でき、いちから取り付けるという場合でも車種別のハーネスキットを用意すれば苦労せず取り付けることができる。主なハーネスキットはカー用品店に並んでいるので、ぜひ一度見てみてほしい。
車輌側に用意されているコネクタと、カーナビ側に用意されているコネクタ。要は、これらをそれぞれ接続すれば動作する訳で、何も難しいことはないのだ。そもそも化粧パネルをどうやって外すのかが解らないという方も多いだろうが、パネルの外し方についてはディーラーでも教えてもらえるし、パーツメーカーのWebサイトでも車輌型番から図面をダウンロードできる。この機会に、ぜひ試してみてほしい。
クルマに取り付けるまえに、ちょっと動かしてみよう
パッケージからそれぞれの機材を取り出し一通り眺めた訳だが、せっかく最新カーナビが目の前にあるのだから取り付ける前にちょっと動かしてみたい衝動に駆られた。クルマの電源系統と同じDC+12V(+13.8V)さえきちんと供給できればクルマだろうと家だろうと動作させることは可能なので、ちょっと火入れしてみることにしよう。
電源を投入してまず感じたのは画面の大きさと美しさだ。筆者はこれまで7型WVGAのAVN778HDを使っていたため、同じWVGAで9型に大型化したAVN-ZX02iの画面はちょっとジャギーが見えるのではないかという心配を持っていた。が、しかし、そんな心配をそのまま残して発売してくるイクリプスではなかった(笑)。
アンチエイリアス処理などの技術を駆使しているのだと思うが、画面が大きくなり迫力が格段に増したものの、液晶のピクセルエッジが荒れるような印象はまったくない。また、地図データがHDD仕様からSDカードメモリ仕様になって速度はどうなんだろうという懸念も、ちょっとメニュー操作しただけで吹き飛んだ。前記のとおり、スマホなどが進化しているのと同様、カーナビも相当進化している訳だ。さぁ、早くクルマに取り付けるぞ!
脱線しまくりつつAVN778HDからAVN-ZX02iへの換装作業開始!
ごくごくフツーにヴェルファイアに乗っているユーザーであれば、専用取り付けキットが用意されているAVN-ZX02iの取り付けは至って簡単だ。なにしろ専用取り付けキットがあるのだから、サクサクッと組み付けるだけでインパネ全面を活用した大画面カーナビエンターテインメントが楽しめる。
が、しかし。筆者の愛車は無理矢理3DIN仕様に改造しているため若干の「努力」が必要だ(笑)。そもそも3DINが余裕で入りそうなアル/ヴェルのインパネ部分に何故中途半端な小物入れが1DIN分取り付けられているのか(オーディオレス仕様車の場合。純正ナビ装着車はナビ操作パネルがある)と言えば、最下段部分の奥にハーネスなどを固定するパイプがあり、微妙に奥行きが足りないため「はーい、皆さん、3DINですよ」とは言えない状態になっているためだ。
勘のよい人はもうお気づきだろうが、微妙に足りないということは、ちょっと無理すれば入るということにほかならない。実際に分解してみれば「あぁ、ここね(笑)」と分かるはずなので、今回は工具のみ紹介しておくことにしたい。要望があれば3DIN化の詳細も記事化するかもしれないので、ぜひ編集部までご要望をいただければ幸いだ。先ほども述べたとおりナビ換装はさほど技術的に難しい作業ではないが、「注意一秒怪我一生」であることに変わりはない。特にインパネ周辺は乗車中常に見える部分であり、ちょっとした傷でも気になって気になって仕方がないこと間違いなしなので、作業する際にはフカフカのクッションやテープ類などで内装パーツを十二分に養生することをお勧めしたい。
「カツッ!」と1発ぶつけただけでも、パーツ交換に1万円、2万円……運命の分かれ道ということは多々あることだ。AVN-ZX02iはインパネコンソールの横幅いっぱいに設計されているため、純正パネルをすべて取り外した状態でピッタリ収まる。上下にできる空間も、アル/ヴェル車種専用キットが綺麗にカバーしてくれるので何の心配もない。7型から9型、数字にすれば「2」しか違わない訳だが、見た目の印象は月とスッポン、アルミホイールの2インチアップに相当するぐらいのインパクトがある。
脱線ついでに、3DIN改造とステアリングスイッチ拡張も紹介
クルマメーカーが何億円も掛けて開発した純正状態はどう考えても最高のバランスと信頼性を持っていると筆者は強く思う。が、しかし、最大公約数の満足度と最大級の費用対効果効率を出さなければならない純正設計には、限界もあるのでは無いかと考える。と、言うわけで、あくまで自己責任の恨みっこなしを前提に、アル/ヴェルの3DIN化とステアリングリモコン機能拡張についてちょっとだけ触れてみたい。
まず3DIN化だが、「小物入れの奥にあるモロモロに、ちょっとだけご移動願う」ということに尽きる。分解してみると分かるのだが、何故この場所にわざわざステーと配線を置いたのか疑問でならないという印象だ。本当にしつこくて申し訳ないのだが、この「モロモロ」を移動することによって万が一何かがあっても筆者も編集部も一切責任が持てないのだが、この作業をそれなりの金額で請け負っている業者さんもポツポツあるようなので実績は十分と見るべきか。
ヒントは金ノコとタガネとタイラップ。筆者の場合カット&トライ×60分程度の作業時間でミッションコンプリートできた。
AVN-ZX02iの場合は横幅いっぱい夢いっぱいなので純正パネル自体が不要になる訳だが、例えばAVN778HDなどを3DIN仕様で取り付ける場合は純正化粧パネルの加工も必要になる。もし試される際には、プラ加工用のリューターなどがあると便利だろう。また、AVN-ZX02iは車輌側のCANラインと接続してステアリングリモコンを使用できるという便利な機能がある。が、車輌グレードによってはそもそもステアリングリモコンスイッチがない場合もある。
実はこのスイッチ、パーツとして購入が可能なのだ。ディーラーセールスさんに事情を話せば、二つ返事で部品を用意してくれると思う。もし渋るようなら、別のディーラーに行ってみよう(笑)。フロント/バックカメラの取り付けについても簡単だか紹介しておくので何かの参考になれば幸いだ。また機会があれば1つ1つの項目について詳しく解説してみたい。
フル機能カーナビならでは、1回では紹介しきれない面白さ!
通常のカーナビ取り付けレポートでは「有り得ない部分だけ」を紹介してしまった感じだが、言う間でもなくAVN-ZX02iは最新カーナビとしての便利さと多機能さを十二分に持ち合わせているので、次回以降はその辺りに関してお届けしていきたい。また、iPhone連携、ニンテンドー DS連携など、AVN-ZX02iの楽しい機能についても紹介していく予定だ。
※クルマいじりは自己責任で。無理な改造は事故や故障、怪我の原因となる場合があります。もちろん、違法改造はやめましょう。
【お詫びと訂正】記事初出時、「AVN778HD」を「AVN887HD」と記載しておりました。お詫びして訂正致します。