【ナビレビュー】ニンテンドーDS連携9型大画面ナビ「AVN-ZX02i」ファーストインプレ 「クルマでDS」をちょっとだけ体験 |
9型大画面ナビ「AVN-ZX02i」と、ニンテンドーDS。写真のDSは、4.2型の大型画面を持つDSi LL |
ここ数年、アフターマーケットのカーナビは純正ナビやスマートフォンなどに押され気味で、少しばかり停滞していた感があった。だが、この春モデルから様子が変わりつつあるようだ。というのも、先日発表されたカロッツェリア(パイオニア)の「アプリユニット」や、クラリオンの「Smart Access」対応ナビなど、スタンドアローンではなく外部ユニットとの連携をベースとした新しいアプローチのモデルが増えつつあるためだ。
そんな中、オールインワンナビ、いわゆるAVN機の祖であるイクリプス(富士通テン)が選択したのが、専用ソフト「クルマでDS」を使ったニンテンドーDSとの連携だ。対応モデルは9型ワイドVGAモニターを採用する「AVN-ZX02i」と、7型ワイドVGAモニター採用の「AVN-Z02i」の2機種が用意されている。
今回はAVN-ZX02iを装着するクルマに試乗する機会を得たので、インプレッションをお届けしたい。ただ、短時間であったため確認できたのはクルマでDS関連のみ。そのほかの機能や各モデルの詳細については発表会の記事を参照してほしい。
ニンテンドーDSとの連携機能を利用するには、AVN-ZX02i、AVN-Z02i同梱の専用ソフト「クルマでDS」を利用する。ただ、カートリッジにはナビ関連のデータは収録されておらず、Bluetooth機能を実装するために利用されている。データに関してはナビ側に専用領域が確保され、その都度通信によって取得していると言う。カートリッジから読み込むよりはレスポンスがわるくなるはずだが、送受信のデータ量が少ないためか実際にはまったく気にならないレベル。3G回線を利用するタイプよりはずっと高速だ。
ヴェルファイアに装着されたAVN-ZX02i。専用フィッティングキットとの組み合わせによりライン装着モデルのような収まりのよさを見せる | 同梱の「クルマでDS」カートリッジ。Bluetoothモジュールが内蔵されている |
■クルマでDSの基本機能は「目的地検索」「観光案内」「ご当地クイズ」の3つ
目的地検索は普通のカーナビと同様といってよい。加えてニンテンドーDSならではの手書き入力にも対応しており、高い認識精度と相まって使い勝手は良好。さらに周辺検索でコンビニやガソリンスタンド、駐車場などが探せるほか、それぞれのスポットを中継点として設定することも可能と、一般的な使い方ならほぼDSだけで操作を済ませることができる。また、ナビ本体では走行中の操作が行えないが、DSを使えばそういった制約がなくなるのも便利だ。
周辺の地図をダウンロードすることで、クルマから降り、「徒歩ナビ」として使うことも可能 | ドライブに出かける際はまず同行者を選ぶ。最大8人まで選ぶことが可能だ | 選んだキャラクターの「Mii」をドラッグし、シートに座らせてスタート |
目的地検索は手書き入力が使える | ナビ本体と通信することで目的地をリストアップ |
見つけたスポットは目的地として設定できるほか、中継地点としたり登録ポイントとして保存したりすることができる | 地図上で確認して「OK」をタッチ | データを保存しつつナビに転送 |
保存にはちょっと時間がかかるが転送はほぼ一瞬 | カーナビ画面の「案内開始」を押すことでルート案内を開始 | ニンテンドーDS上ではルートは「<」で示される |
観光案内は、走行中に有名スポットに近づくと自動的に開始される。単なるガイドではなく各都道府県ごとに異なるご当地キャラクターが用意されており、方言を交えて案内をしてくれる。キャラクターの設定に多少突っ込みどころはあるものの、「あの県は誰が出てくるのかな?」なんて想像するのも面白そうだ。紹介されたスポットは目的地や中継地点として設定できるため、予定を変更して立ち寄ってみるなんてこともカンタンだ。
観光案内は自動的に行われるほか、画面上の「☆」をタッチすることでも見ることができる。目的地や中継点としての設定も可能 |
周辺検索も可能。コンビニや駐車場などをすぐに探すことができるのは便利だ |
目玉機能となるのがご当地クイズ。地図上に表示されている「クイズアイコン」をタッチすることでその地方にちなんだクイズが開始され、正解するとポイントをもらうことができる。ドライブ中にいくつかのクイズをクリアしつつ、目的地に着くまでにもっともポイントを稼いだ人が優勝という流れ。
子供にはちょっと難しいかな、と感じられる問題もあるものの、ポイントが付くことで意外なほど盛り上がりそうだ。また、ポイントを使って各地の名産品(約1000種)を集める、なんてヤリ込み要素(!?)も用意されている。
中央の「?」がクイズのアイコン | アイコンをタッチすると4択クイズが出題される | 正解と思われるフダをそれぞれのMiiに持たせる。運転手はデフォルトでは「パス」に設定されている |
正解するとポイントが貰える。が、パスでも貰えるため、不正解よりオトク? | ゴールすると結果が表示される |
メニューから買い物を選ぶと、クイズで獲得したポイントを使って名産品を購入できる | 集めた名産品や一度出されたクイズは後から確認が可能 | 約1000種類用意されている名産品をコンプリートしていく、なんて楽しみ方も |
一般的なゲームソフトだと一人でプレイすることになるけれど、こちらは子供が操作を担当することになるのが大きなポイント。例えば目的地を決める際にも、一般的なカーナビだと「大人が操作してどこかに連れて行かれる」的な受け身の雰囲気があるのに対し、こちらは「子供が目的地を選ぶことで一緒にドライブに参加している」感が強くなる。そして道中でもクイズを行うことで、クルマに乗っている人みんなでコミュニケーションをとることができるワケ。
9インチモニター採用のAVN-ZX02iは装着車両が限られてしまうが、7インチモニター採用のAVN-Z02iなら2DINスペースを持つクルマなら装着が可能。家族で旅行や帰省など長距離ドライブに出かける機会が多い、なんてファミリーはまさにピッタリのモデルだ。
(編集部:谷川 潔)
2012年 5月 29日